映像権利の海外売買も視野に入れるオンラインマーケット・V-NAVIの可能性
スタートから1年で実績、配信権に加えてテレビ権も
ユーザーはV-NAVIにログインすると、ジャンル、ストーリー、キャストやスタッフ情報、興行収入成績などから作品を検索でき、その検索結果一覧から作品ページにアクセスすると、画像や予告動画、作品情報に加えて、各種権利の状況を確認できる。契約へは、同ページからワンクリックで権利元へオファーが可能。そこから交渉に入る。また、さまざまな作品の権利元との契約履歴はV-NAVI内にて管理できる(近日実装予定)。権利元、ユーザーともに利用には登録が必要だがすべて無料。契約が成立した際にプレシディオに手数料が発生する。花田氏は「我々の一番の目的は、日本における映画人口を増やすこと」とする。
海外向けの権利売買も視野。アニメ分野にも注力
花田氏は「洋画配給の弊社は、海外の多くのコンテンツホルダーとのつながりが強みですが、彼らは日本のマーケットに直接アクセスして売買をしたいという意向があります。また、アニメなど日本コンテンツに注目している海外バイヤーからも、V-NAVIは興味を持ってもらっています。言語の問題など海外売買に向けたシステム的な対応はこれからですが、いくつかの海外大手の権利元とはすでに交渉を始めています。わかりやすく言うと、やろうとしているのは世界中のバイヤーとセラーが集まって権利の売買を行うオンラインの“映画の売買市(国際映画マーケット)”です。まずは国内の活性化を目的としてスタートしていますが、それと平行して、海外から日本へ、日本から海外への売買も視野に入れています」と力を込める。
現在、買い手側の配信事業者、BSやCSのテレビ放送事業者は、大手を含めほぼユーザー登録済み。一方、コンテンツホルダーとして参加しているのは、独立系の映画配給会社や洋画配給も行う日本の映画会社のみ。今後について花田氏は「独立系だけではなく、海外メジャー、国内メジャー、国内外のテレビ局に参加していただけるよう働きかけていきたい。アニメ分野は今後とくに力を入れていきます」と語る。
作品の各権利情報をリアルタイムで発信、入手できることで、権利元、ユーザーの双方にとって売買の機会損失を減らし、国内外における契約の可能性を増やすV-NAVI。市場の活性化への大きな役割を担うことが期待される。