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あの“G”がインスタデビューもまさかのオチに「え、悲しい…」アース製薬がゴキブリ目線でSNS発信をした理由
アース製薬公式Instagramより
まるで叙述トリックのようなInstagramに反響「かわいらしく擬人化することで、ゴキブリの生態を理解できるように」
「コーヒー飲んでまったりタイム。今日もいい日だ〜」…いかにもInstagramによくある風景(アース製薬公式Instagramより)
「あたたかくて好きな季節がやってきた〜! なんか最近やることなくて暇だなぁ。」(アース製薬公式Instagramより)
友達に誘われて目的地に到着したという投稿者。「いいね、めちゃくちゃワクワクする!お邪魔しまーす!」ここから若干不穏な空気が…(アース製薬公式Instagramより)
アース製薬と言えば、1973年に発売した「ごきぶりホイホイ」をはじめとして、これまで多くの虫ケア用品を世に送り出してきた会社だ。そのアース製薬の公式Instagramで、6月20日、突如コーヒーカップの写真が。そのコメントには「コーヒー飲んでまったりタイム。今日もいい日だ〜」とある。
一見、Instagram担当者の日常を描いているかのように見えるが、徐々にそれがゴキブリ目線=「もしゴキブリがInstagramをやったら」という物語のスタートだったと分かるような設計になっている。「ストーリーが半ばに差し掛かった時に気づいてもらえるよう想定して作ったのですが、気づいてもらえなければ単なる日常報告になる。“もっと早く気づいて欲しい”と気がはやりましたが、ユーザーの方が思ったより早く気づいてくださり、バズったので、我慢して待っていて良かったと思いました(笑)」
最も注意したのは、ゴキブリ本体を写さないこと。「Instagramは写真中心のSNSですし、そのもの自体が写ると不快な気持ちになられる方は多いはず。ですがゴキブリ自体が自撮りをしない限り、そのものズバリが写ることはない。その上で、ゴキブリの習性を取り入れ、かわいらしく擬人化することにより、ゴキブリの生態を理解できるようにしています」
例えば、「友達に呼ばれてちょっとお出かけです」という投稿がある。これはゴキブリにフェロモンで他のゴキブリを呼び寄せる習性があるため、それを「お呼ばれ」という言葉で表現したというわけだ。
忌み嫌われるゴキブリや虫を扱う商材でのSNS発信することの苦労 なぜInstagram?
また冷蔵庫の下で「友達と再会」の投稿についても「実はゴキブリは3mmぐらいの隙間、自分の腹と背が両面に触れるぐらいの狭い隙間を好むのです」と解説。ほかゴキブリは天井裏、床下、排水溝、新聞紙やダンボールの間、植木鉢の下、冷蔵庫の裏など、暖かく水と餌がある場所を好む。ゴキブリの「巣」は形あるものではなく、ゴキブリが集まって生活しているところを「巣」と呼ぶ。「ゴキブリ対策には、そういった隙間や巣に潜むものまでしっかり対策することが重要。特にメスは出不精で、夜間活発に行動するのはオスや幼虫。メスは餌場と巣を往復する程度ですが、卵を持っていたりするのでメスの駆除が最も重要」とも語る。
「うわー俺好みの場所すぎる、、呼んでくれてありがとう!!」(アース製薬公式Instagramより)
「G目線で好む場所がわかるのね...ちゃんと掃除しよっと」という声も
でも、飛んで襲ってくるのではないか、と心配する方も多いだろう。だが大丈夫。実はゴキブリは他の昆虫のように、下から上へ飛べない。高いところから滑空するように下りてくることしかできないため、床にいるゴキブリが突如飛んでくる心配は皆無だ。
ところで、Instagramと言えば“オシャレ”な印象がある。なぜ、そんな場で、ゴキブリ目線の投稿を始めようと思ったのか。
「Instagramは30〜40代の女性ユーザーが多いと言われているSNSで、そこをコミュニケーションのメインターゲットとする弊社にとっても避けては通れないSNS。扱う商材が商材ですので、不快感を与える怖れ、炎上の怖れもあり、叩かれるのが怖かったのですが、避けては通れないならやるしかない、と。その為に、虫を見せずとも虫を感じさせる逆転の発想で伝えられないか、と企画しました。実は5年前にも同様の試みをWEB動画でやっており、その経験も活かしました」