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「お子様ランチにぎりました」“おにぎり”にこだわる駅ナカコンビニ 乗降客数減少でもコロナ前より売上増加なワケ
豚骨ラーメンすらも“にぎります” SNSで大反響
「電車の乗降客数が減るなか、NewDaysのお客さまにはそれでも電車を利用せざるを得ない方々が多かった。暗い話題が多いなか、せめて食だけでも『楽しい』『びっくり』といったポジティブな感動体験を提供したいという思いから『スゴおに』シリーズは始まりました」(増村さん)
「コロナ禍も収束しつつありますが、JRの乗降客数はまだ完全には復活していません。ところがNewDaysのおにぎりの売り上げは、コロナ前よりも伸びています。この現象は間違いなく『スゴおに』が牽引してくれています」(増村さん)
「一般のコンビニのおにぎりが自宅やオフィスへの持ち帰り需要がメインであるのに対して、NewDaysのおにぎりは旅行や出張の電車内、なかにはホームで立って召し上がる方もいます。そうした幅広いシーンに対応してバリエーションが広がってきたのが、NewDaysのおにぎりです」(増村さん)
なんでも“にぎればいい”わけではない、失敗を重ね辿り着いた境地
「『スゴおに』は具材の種類やボリューム的に、通常のコンビニおにぎりのように機械で自動生産することは不可能。10人前後のスタッフが1つひとつ具材を載せるなどして作っています。大量生産もできないので、大手コンビニチェーンでは商品化が難しいでしょうし、その点でもNewDaysならではのおにぎりだと思っています」(増村さん)
「なんでも“にぎればいい”ってもんじゃないなと痛感したのが『ミックスフライ弁当にぎりました』。やはり揚げ物ばかりだと飽きてしまうようです。また、節分に合わせて発売した『鬼に金棒カツ』は、全長15センチのロングカツを売りとしていたのですが、逆に長過ぎて食べづらいといった声をいただきました。一方の『のり弁にぎりました』は、しょうゆ、ソース、タルタルソースといった味のバラエティ感が好評でした。同じような味が続くと飽きてしまい、リピートしてもらいにくい。味の変化が大切だということを再認識しました。新商品の開発は試行錯誤の連続ですが、通常のおにぎり商品の常識にとらわれず思考のネジを外して考えられるのが楽しいですね」(増村さん)
ボリューム感ゆえに男性ユーザーに偏りが…今後は女性ユーザーに訴求した商品も登場
「女性も食べやすいように、ご飯の量も商品によっては100グラム以下と、少なめにしました。『生ハム&チーズ』はワインと一緒に、『サバ明太』は日本酒に合います。これまでの『スゴおに』とは違った楽しみ方ができる商品で、より幅広い層に届けたいと思っています」
「プラ削減が叫ばれる昨今、NewDaysもコーヒーのプラ蓋をやめたり、おにぎりの包装にもバイオマスフィルムを採用するなどしてきました。そうした取り組みに逆行するプラケースはいかがなものか? という議論も確かにありました。ただ上部にたっぷり具材を載せる仕様を取るにあたって、まずはこの形態で発売することにしました。今後は包装も含めて、『スゴおに』をさらに進化させていきたいと考えています」(増村さん)
(文/児玉澄子)
◆『NewDays』商品情報(外部サイト)