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オートミールの効果とおすすめの食べ方【管理栄養士監修】

オートミールの効果と食べ方

著者・監修者プロフィール

矢崎海里
管理栄養士・フードコーディネーター。
大学卒業後、企業で管理栄養士として勤務し、調理・栄養指導などを担当。レシピ本へのレシピ提供なども複数あり。個人でも活動し、Webメディアでコラム執筆を行うほか、レシピ考案、調理、撮影を全て行っている。
また発酵食スペシャリストや薬膳コーディネーター、健康経営エキスパートアドバイザーなどの資格を保有し、関連記事も担当、おいしく食べて健康になれるごはんを日々研究中。
趣味は和食器集めと道の駅めぐり。

・HP
https://www.yazaki-kairi.com/(外部サイト)

・Instagram:

https://www.instagram.com/umiumi_gohan/(外部サイト)

オートミールとは

オートミールは、オーツ麦という麦を食べやすく加工したものである。ほかにもからす麦やえんばく(燕麦)という名前で呼ばれている。燕麦という漢字の通り、殻の形がツバメに似ていることからこの名前が付いた。

オーツ麦は北米やヨーロッパを中心に栽培されてきた。日本には明治時代、飼料用として輸入されたのが始まりである。近年、オーツ麦を使用したオーツミルクなども流通していて、わたしたちの生活に身近な穀物として認知度が上がってきている。

オートミールは朝食用シリアル食品として知られている。シリアルはとうもろこし、小麦、オーツ麦、玄米などの穀類を焼き上げて加工した商品の総称である。オートミールのほか、コーンフレークやグラノーラもシリアルの仲間だ。コーンフレークやグラノーラは砂糖、はちみつなどを混ぜて加工されたものだが、オートミールはシンプルにオーツ麦をひきわりにする、平たくのばすなど、調理しやすいよう加工しただけのものなので、素材そのものが味わえる。
コーンフレークやグラノーラに比べて糖質が少なく、食物繊維が多く摂れるほか、色々な食べ方・アレンジができるのが優れた点である。

オートミールの種類

オートミールはオーツ麦の形状により複数の種類に分けられる。

・トラディショナル
オーツ麦の粒をそのまま残した厚みのある形状。オーツ麦を蒸してのばし、フレーク状にすることで、食感を楽しむことができる。もっとも一般的なオートミールで、グラノーラの原料としても利用される。

・クイッククッキング
オーツ麦を挽き割り、平たく伸ばした形状。薄いフレーク状でそのまま食べられるほか、他時間で調理ができる。トラディショナルほどではないが、食感が残っているのが特徴。クイックオーツとも呼ばれる。

・インスタント
オーツ麦を蒸した後、挽き割り、クイッククッキングより細かくフレーク状にした形状。3種の中で一番加工時間が少なく、クリーミーな口当たりが特徴。

オートミールの栄養素

オートミール100g(約山盛り1カップ)の5大栄養素は以下の通りである。

ーーーーーーー
エネルギー:350kcal
たんぱく質:12.2g
脂質:5.7g
炭水化物:69.1g(糖質57.4g、食物繊維9.4g)
食塩相当量:0g
ーーーーーーー
日本食品標準成分表2020年版(八訂)(外部サイト)より 

この数値だけを見るとエネルギーが多く見えるが、実際オートミールの1食分は30g(約大さじ4杯)程度とされている。
少なく感じるが、牛乳をかけたりかゆ状に煮ることで水分を含み、ボリュームが出る。
実際オートミール1食分(30g)の5大栄養素は、

ーーーーーーー
エネルギー:105kcal
たんぱく質:3.7g
脂質:1.7g
炭水化物:20.7g(糖質17.2g、食物繊維2.8g)
食塩相当量:0g
ーーーーーーー

となる。ほかの主食と比較すると、白米1膳(150g)で234kcal食パン6枚切り(60g)で149kcalとオートミールの方が低エネルギーだということが分かる。またほかのシリアル類と比較しても、コーンフレーク1食分(40g)で152kcalグラノーラ1食分(50g)で219kcalとオートミールの方が低エネルギーである。

米、パンなどに比べ、食物繊維が多く含まれていることが特徴である。食物繊維は穀類以外にも野菜や果物、きのこ、海藻などに含まれており、第6の栄養素として注目されている成分だ。
日本人の1日の食物繊維摂取基準は、18〜64歳の男性21g以上、女性18gと定められている。(※1)オートミール1食分で、1日の約1/8量が補える。近年食物繊維摂取量は減少傾向にあり、積極的に摂取することが重要である。

またビタミンやミネラルの補給源としても有用である。なかでも鉄やビタミンB1を含んでいることが特徴。鉄は不足すると貧血や疲労感、頭痛などを感じる原因ともなる。特に女性は月経や妊娠・授乳期などにより摂取量が異なり、意識して補いたい栄養素である。
ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝、皮膚や粘膜の健康に関わっている。水溶性ビタミンのため、水や牛乳と一緒に煮て、煮汁ごと食べるオートミールは損失が少なく、効率よくビタミンB1を補うことができる。

※1)
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書|厚生労働省(外部サイト) 
02_各論_1-4_炭水化物_cs6_0116.indd(PDF:684KB) P14(外部サイト)

オートミールの効果、食べることで得られるメリットと注意点

オートミールは水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく含んでいることが特徴である。水溶性食物繊維は水に溶ける性質があり、整腸作用、便を軟らかくするなどのはたらきがある。コレステロールや食後の血糖値上昇を抑制する効果も期待できる。

不溶性食物繊維は水に溶けず、腸内で水分を吸って膨らむ性質がある。これにより便を増やす原料となり便通を促す、有害物質の排出を促すはたらきがある。グラノーラ、コーンフレークでも食物繊維は補えるが、エネルギーや糖質が多く含まれているため、オートミールは健康的に食物繊維を補う有効な食品と言えるであろう。

ただし食べる際には注意点がある。オートミールに砂糖やはちみつをたっぷりかける、フルーツやナッツをたくさんのせすぎるとエネルギーや脂質、糖質過多になる。また健康によいからとオートミールの食べ過ぎも逆効果となる場合がある。消化器官に負担をかけないためにも、ふやかしてしっかり噛んで食べることが大切である。

オートミールの食べ方

オートミールは乾燥状態で販売されているため、水分の多いものと合わせ、ふやかして食べるのが一般的である。オートミールの基本的な食べ方は以下の通り。

■水でふやかす
鍋に水を180cc入れ沸かす。沸騰したらオートミール30gを入れ煮込む。
粒の大きめのトラディショナルオーツは5分程度クイッククッキングオーツは2分〜3分程度インスタントオーツは1分〜2分程度加熱が必要。慣れるまでは水の量や加熱時間を調節して好みの食感に近づけることがポイントである。
電子レンジでも同様の分量で作ることができる。耐熱容器に入れ、ラップをし600Wで1分半、オートミールがふっくらするまで加熱する。

■牛乳でふやかす
鍋に牛乳200ccとオートミール30gを入れ、沸騰しないよう弱火で好みのかたさになるまで加熱する。砂糖やはちみつ、メープルシロップをかけるのが定番。お好みでフルーツやナッツを加えるのもよい。


その他おすすめの食べ方を以下に紹介する。

■オーバーナイトオーツ
オーバーナイトオーツとは、オートミールを牛乳などに一晩浸したものである。前日から染み込ませておくことで、柔らかく食べやすくなるのが特徴。お好みのフルーツをトッピングして食べる。定番の牛乳のほか、豆乳やオーツミルク、ヨーグルトなどに漬けるのもおすすめである。温かく食べたい場合はレンジで温めることも可能。

■ミューズリー
ミューズリーとは砂糖やはちみつを使用せず、オーツ麦やほかの穀物、ドライフルーツ、ナッツを加えて楽しむものである。オーツ麦を砂糖やはちみつと合わせて焼き上げたグラノーラに比べ、オーツ麦の風味やドライフルーツやナッツの甘みなど、素材本来の味を楽しめる。穀類、果物、ナッツと少量でもさまざまな栄養素が補える。ドライフルーツは砂糖不使用のもの、ナッツは素焼きで無塩のものを使用するのがおすすめである。





まとめ

オートミールはさまざまな栄養素を効率よく補うことができる。一方グラノーラに加工したものや、組み合わせる食品によっては高エネルギーになってしまうこともあるため、注意が必要だ。食べ過ぎに注意しながら、日々の食事に取り入れたい食品である。
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