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「ママ芸人」の生き方変える? “面白いお母さん”目指す、吉本のジャンヌダルク・横澤夏子
両立困難とされてきた“芸人の幸せ”と“女の幸せ”、自然体でNEXTおばちゃん枠確立か
“近所のおばちゃん”枠といえば、久本雅美や大久保佳代子、いとうあさこらが浮かぶが、彼女らは揃って独身であり、非モテネタや妬み文句、おひとり様話を1つのウリにしている。一方、アジアン・隅田美保や尼神インター・誠子は結婚に対する意欲を見せたり、ブスいじりを拒絶したりするようになると、扱いにくい存在に思われたのか、メディア露出が激減。先月、アジアンは解散発表をするに至った。
対して男性芸人はというと、当初はブサイクや薄毛、低身長などの身体的特徴をウリにブレイクしても、やがてベテラン・大御所としてのポジションを獲得すると、“汚れ芸”は求められなくなる。また、“イケメン芸人”の枠もしっかり定着し、視聴者側にも「面白い=カッコいい」という認識がある。
しかし女性芸人の場合、森三中のようにいつまでも最前線で体を張るか、先述のようにベテランになっても女を封印したまま独身ネタを貫く姿が多く見られる。山田花子や北陽、クワバタオハラ、柳原可奈子らは、結婚・出産後、一線を退いた。
ブレイク時には、「私、“面白いお母さん”になりたいんです。結婚はもちろんですけど、早くお母さんになりたいなって。そして、家族も笑わせる(笑)」と、堂々と宣言。そしてその言葉通り、1才を迎えた長女に「グーチョキパー」を求められ、無表情気味に延々と付き合う動画をインスタグラムに公開すると、「じわる」「朝から大笑いした」「面白すぎる」などのコメントが寄せられ、再生数は120万に及んだ。
吉本劇場に初の託児所設置、横澤にもあった人気芸人と女性としての葛藤
ただ、そんなある種の罪悪感も、自ら解決すべく行動を起こすのも横澤のすごいところ。2018年の女芸人No.1決定戦『THE W』で、出場理由を「賞金の1000万円を使って、ルミネtheよしもとに託児所を作りたい」「女の芸人の大会で勝つとわかりやすい。何人ものお母さんがネタの途中で赤ちゃんが泣いて出ていく姿を見た。そういう方のための託児所を」と語ったのである。
翌年、育児業界に影響を与えたタレントとして「第13回ペアレンティングアワード」ママ部門を受賞。今回は東京都の条例の制限で大宮での設置となったが、「今後は全劇場で観客の子どもだけでなく芸人の子どもも預けられる場所にしたい」と、さらなる目標を掲げた。
「芸人として女の幸せも失わない」18歳ですでに宣言していた 人気絶頂機に婚活100回
かつては、“かわいい”と“面白い”は両立しないとされていたが、指原莉乃、滝沢カレン、木村佳乃など、どちらも併せ持つ存在が大きな支持を得るパターンも多くなってきた。鬼越が語るように、男社会の中でも「きちんと声に出して主張ができる」芸人界の風紀委員・横澤が女性芸人の在り方を変えていくのか、2児の母の活躍を今後も期待したい。