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息子が「ピンク色」のランドセルを選んだら?多様化時代の“自由な生き方”親はどう教える?

 百貨店やショッピングモールに並ぶカラフルなランドセルの数々。「男の子は黒、女の子は赤」といった固定概念はすでになく、子どもの世界でも多様化は浸透しており、子どもたちの選択肢も広がりを見せているようだ。「男の子はこうあるべき、女の子はこんなことしない」といった凝り固まった思考は古くなったこの時代。これから大人たちは、子どもたちにどうジェンダーへの意識を伝えていけばいいのだろうか。

プリキュア好き男子に「気持ち悪い、オカマだよ!」 植え付けられたジェンダー観で自分らしさ失う子どもたち

「日本で暮らしていて、ジェンダーバイアスに影響を受けずに大人になるのはとても難しいことです」

 そう語るのは性教育YouTuberのシオリーヌさん。助産師として勤務した後に、精神科児童思春期病棟で若者の心理ケアを学び、近年は学校など教育の現場で性の知識を学ぶイベントの講師を数多く務めている。

「小学校3年生を対象とした授業をしていたときのこと。『男の子がプリキュアを好きでもいいんだよ』という話をしたら、『そんなの気持ち悪い、オカマだよ』という声が上がったんです。こんな年代の子がすでに偏ったジェンダー観を植えつけられてしまっているんだとショックを受けました」

 子どもたちは社会から学んでいくもの。最近はランドセルの色の選択肢が広がり、ジェンダーレス制服を採用する学校も増えているなど、社会では古いジェンダー規範をアップデートする動きが見られるが、やはり子どもたちが最も影響を受けるのは親や学校の先生といた身近な大人の振る舞いや言葉がけだ。

「『男の子は泣くな』『女の子なんだから脚を閉じて座ろうね』といった性別に押し込めた“しつけ”によって、子どもは自分を否定された気持ちになります。思春期病棟にいたときも自己肯定感の低い10代の子が目立ったことが気になっていたのですが、話を聞いてみると幼い頃から親に“自分らしさ”を認めてもらえなかった子はたくさんいましたね」

息子が選んだ“ピンク色”のランドセル…正しい親の対応は“指示”ではなく“提案”

 多様なジェンダーのあり方を尊重する社会になりつつある。それでも息子が「ピンクのランドセル」を選んだら、戸惑う親はまだまだ少なくないだろう。そのとき親はどうしたらいいのだろうか。

「まず大前提として、勝手にお子さんの決定権を奪わないこと。幼さゆえに適切な意思決定ができないのだと心配されるのだとしても、親ができるのは適切な意思決定をサポートするまで。行動を管理する“指示”ではなく、さまざまな選択肢を“提案”するというスタンスでコミュニケーションを取ることが大切です。親と子の関係はどうしても“上下関係”になりがちですが、子どもを1人の対等な人間として認めてあげてください」

 たとえ子どもがどんな選択をしたとしても、その意見を尊重する。その上で、「なぜピンクのランドセルにモヤっとしたのか、親御さん自身が自分の心に問いかけてみてほしい」と呼びかける。

 最新の著書『こどもジェンダー』(ワニブックス刊)は、現代の子どもたちの日常に身近なジェンダーバイアスにまつわる36の素朴な疑問を取り上げながら、誰もが自分らしく生きられる社会について子どもたちと一緒に考える本だ。

「性教育に関する活動を行っていく中で、もっと低い対象年齢の子どもたちに“多様性”と“自分らしさ”を大切にする心を育むことの重要性を実感したことが、本書の出版につながりました。カラフルで可愛らしいイラストもたくさん添えていただき、未就学児だったら親御さんと一緒に、小学校低学年くらいであれば1人でも読める内容です」

 多様性を尊重することの大切さは理解しつつも、旧来の価値観の中で育ってきた親世代の中には「ジェンダー教育」というと難しく捉えてしまう人もいるかもしれない。

「シンプルでいいんです。生き方に普通も優劣もない。あなたの人生はあなただけのもの。あなたはあなたのままで生きているだけで、十分ステキな人なんだよ。そのことを繰り返し言葉にして子どもに伝えてあげることがジェンダー教育の第一歩です」
(取材・文/児玉澄子)
こどもジェンダー(外部サイト)
著/シオリーヌ(大貫詩織)ワニブックス刊

■シオリーヌ(大貫詩織)
助産師/性教育YouTuber。助産師として総合病院産婦人科病棟で勤務ののち精神科児童思春期病棟で若者の心理的ケアを学ぶ。2017年より性教育に関する発信活動をはじめ、2019年2月よりYouTubeチャンネル『【性教育YouTuber】シオリーヌ』(外部サイト)で動画投稿を開始する。著書に『CHOICE 自分で選びとるための「性」の知識』(イースト・プレス)。

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