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「女優」の価値観に変化、“本業”だけにこだわらない柔軟さ 本田翼がブレイク続く理由
女優に限らずバラエティ番組やイベント出演など幅広く活躍する本田翼 (C)ORICON NewS inc.
ドラマやバラエティもこなすポテンシャルの高さ、視聴者が感じる「友だち感覚」
飾らない性格と身近な友人のような親近感を抱かせる存在感、物怖じしない率直な語り口のトークが魅力で、インスタフォロワー数は約302.4万人。YouTubeチャンネルは登録者数200万人超え。独自の世界観を構築しており、しっかりとセルフプロデュースできている印象だ(12月23日時点)。
一方、本業の女優活動をみると、今年は人気シリーズ『絶対零度』(フジテレビ系)のヒロイン役や、『リモートで殺される』(日本テレビ系)の主演、来年1月10日放送のスペシャルドラマ『アプリで恋する20の条件』(日本テレビ系)の主演も務める。キャリアを感じさせる繊細な演技で存在感を示し、視聴者からは「作品ごとに芝居がよくなっている。多少粗さもあるがそれも持ち味」といった好評の声が多く、成長を続ける本田翼の女優としてのポテンシャルの高さがうかがえる。
そんな本田翼の魅力について、ポップカルチャーを専門とする早稲田大学招聘研究員の柿谷浩一氏は、「例えば喋りをみても、発想や視点、話題の切り口どれも背伸びがなく「庶民的」。そのほどよい距離感が、彼女が広い層に愛されている要因になっている」という。
「長所は、何といっても“親近感”でしょう。美しくかわいいけれど、遠く離れた世界にいる「ザ・女優」という高嶺の花的な存在とは感じさせない。ああいうふうになりたい、といった羨望や憧れの対象とも少し違う。飛び抜けて明るく元気でありながら、周りに忖度せずにマイペースで、時にどんくさいダメな一面も躊躇なく見せる彼女は、どこか「友だち」に近い感覚をまとっています。それが、独特の愛着・愛嬌へ繋がっています」
「陽キャ」と「陰キャ」の絶妙な配合具合が時流にマッチ
「引き出しが多く、会話のリアクションスキルが高い。その一方で、「人見知り」でオタク気質な部分もある。その両面性とバランスが絶妙で、現代的なんですね。会話をする時間を彼女自身も楽しんでいて、変幻自在にコロコロ変わる笑顔とともに、その空気感がビビッドに伝わってくるのもいい。内容だけでなく、しゃべっている姿にパワーがある。それを観ていたい。あるいは、実際に話してみたくなる。そんな気持ちにさせてくれる面も、好感度を支えるポイントになっていると思います」
笑顔が素敵なタレントはたくさんいる。そんななかで本田翼が優れているのは、どんな仕事でも場面でも、変わらない「素」のように映ることだろう。マツコデラックスが称賛していたように、どこからどこまでが本当か、むしろそうした作為や計算を考える隙を与えない。それだけ「笑うビジュアルに破壊力がある」と柿谷氏は絶賛する。
「そうした意味では、本田翼はドラマや映画などの芝居の世界の外でも、「笑う」ことにまっすぐに向き合い続けているとも言える。いつなんどきも、“笑顔”を届ける。それを一手に引き受けている彼女の立ち位置は、もっと評価されていいと思います」