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ダウン症の弟、急逝した父、倒れた母に気づかされた“家族”の意味「家族は選べる」

ようやく出会えた天職・作家のきっかけをくれたのは父 作品にもにじみ出る“父イズム”

 作家になったきっかけをくれたのは亡くなった父。「小学校で周りの女の子に馴染めなかった7歳の時に、それを知っていた父が『お前の友達はこの箱の向こうにいくらでもおる』と言って、Appleの初代iMacのパソコンを買い与えてくれて。最初は文字の打ち方すらわからなくて、タイピングの本を買ってもらって練習して、ネットの使い方も父に教えてもらいました。そのうち2ちゃんねるなどのチャットサイトを見るようになって、気付いたらそこで知らない人達と会話をするようになっていたんです」

そこからネットの社会で何かを発信することが楽しくなり、漫画の二次創作の小説から始まり、エッセイも投稿するようになった。岸田さんは「父には先見の明があった」と本書の中で語っている。Windows全盛期のころにiMacを7歳の娘に買い与え、当時流行っていたファービー人形を買ってくれた時もなぜか英語版、ドラえもんの映画と騙されていった映画館で見たものは『スペース・カウボーイ』だったそう。「意味分からんでしょ(笑)」と笑いながらも、「父からもらったものでたくましく育ち、たくさんの人に助けてもらい今日も生きている」と語る奈美さんから、父のおかげで今があるという深い感謝を感じた。
 岸田さんの書くエッセイには“ボケとツッコミ”を一人でやっている箇所があり、それが読者を惹き付ける大きな魅力の1つに感じるのだが、そこにも父の“イズム”があるのだという。

「父が人を笑かすのが好きで、『おもろいことじゃないと人は話を聞いてくれへん』と言っていたのが体に染み付いているんでしょうね。あと、人って多少重い作品でも“笑える要素がある”とわかっていたら、映画でも小説でもなんでも気軽に観たり読んだりするじゃないですか。だから、私はエッセイを書く時はなるべくユーモアを盛り込むようにしているんです。チャット時代にそれは実証済みなので、“笑い”は大事にしています」

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