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発達障害をクリエイティブに昇華した“葉っぱ切り絵”に称賛「自分の特性が、良い方向に進む実感」
こだわった自然の素材に自然の背景…「普通の切り絵では目に止めてもらえないと思った」
【リト@葉っぱ切り絵】紙の切り絵は“競技人口”が多いせいか、なかなか目に止めてもらえなくて…。他の素材で切り絵をやったら注目してもらえるかなと思い、いろいろな作品を見ていた時に、偶然スペインの作家さんが作った葉っぱ切り絵作品と出会いました。「これだ!」と思ったその日から早速葉っぱの切り絵にチャレンジしました。
――葉っぱに作品を施す以前も、もともと切り絵がお好きだったのですか?
【リト@葉っぱ切り絵】プロの切り絵作家さんの作品をSNSで見かけて、自分もやりたいと思い、その日にすぐ道具を買ってきて始めました。その出会いがちょうど1年くらい前ですね。
――葉っぱ切り絵を写真へと切り取るときのこだわりはありますか?
【リト@葉っぱ切り絵】最初は家の白い壁を背景にして撮っていたんですが、せっかく生の葉っぱを使っているのに何だか立体感が無くて…。青空をバックに撮った方が画面に奥行きが出て葉の緑も映えるので、必ず屋外で撮影するのが僕のこだわりです!
――制作にどのくらい時間がかかるものなのでしょうか?
【リト@葉っぱ切り絵】あまり時間をかけると切った部分から葉っぱが傷み出してしまうので、切り始めたら最低でも2時間以内には仕上げます。紙にデザインを下書きしたり、屋外に撮影に行く時間も含めると、短くても5〜6時間はかかってると思います。
【リト@葉っぱ切り絵】完成した作品はすべて保管しています。新聞紙で挟んでから重しを乗せて、押し花のように乾燥させてから保存している感じですね。
同じ障害で悩んでいる人たちに向けて、経験やメッセージを発信していきたい
【リト@葉っぱ切り絵】はい。現在34歳で、葉っぱ切り絵作家として、主にSNSで活動中です。大学を卒業して就職後、2回の転職を経て、アーティストとして生きていくことを志しました。
――プロフィールに「自身のADHD(発達障害)による偏った集中力やこだわり力を前向きに活かして、葉っぱを使った切り絵作品を制作しています」とありましたが、集中力やこだわり力を作品という形で活かそうと思ったきっかけはありましたか?
【リト@葉っぱ切り絵】ADHDって社会の中ではマイナス面ばかり目立ってしまうんですけど、ADHDという特性を持っていることを人前で堂々と言えるようになりたいなと思っていたんです。「なんとか周りを見返してやりたい」そんな思いがあって、自分の脳の偏りを作品という形でプラスに活かしてやろうと思ったんです。
――その集中力やこだわり力によって困ったことや、葛藤などもありましたか?
【リト@葉っぱ切り絵】昔お寿司屋さんで働いていた事があったんですが、「お前の仕事は馬鹿丁寧すぎる。もっと早く作れ」と、よく怒られていました。家族で夕食を食べてる時も魚の骨を取るのに集中しすぎて「ご飯冷めちゃうよ」って注意されたりします。一つの物事に集中すると周りが見えなくなって、必要以上にこだわっちゃう癖がありますね。
――現在の作品に、ご自身の”こだわり”はどのように活かされていますか? 具体的なエピソードがあったら教えてください。
【リト@葉っぱ切り絵】「作品を拡大して見ても切り口が綺麗」ってコメントをよくいただいてます! 細かいところにこだわりすぎる自分の特性が、良い方向に作品にも反映されてることを実感しますね。
――今後はどのような活動をしていきたいですか?
【リト@葉っぱ切り絵】僕と同じ障害で悩んでいる人や、そういうお子さんを持つ親御さん達に向けて僕の経験やメッセージを発信していきたいと思っています。