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「怒りが止まらない…」コロナ禍で増える“産後うつ” ワンオペママへ経験者語る「感情は変えられる」

 コロナ禍でますます深刻な問題となっている“産後うつ”。「育児を完璧にしないと」と自分を追い込んだり、言うことを聞かない子どもにイライラして手を上げてしまったりする母親は多いという。うつや虐待のニュースが後を絶たないなか、全国各地で児童虐待にまつわる講演を行う児童虐待防止機構オレンジCAPOの島田妙子さんは、「大人の心を助ける」ための講義も手がけている。自身も幼少時に壮絶な虐待を受け、その体験は『虐めを待つ人』という漫画の原作にもなった。3児の母として子育ても経験した島田氏が今、子育てに悩む母親にかける言葉とは。

「ひどい状態なのはわかっている」イライラと孤独感が増す理由

――子育て中の母親たちから、どんな相談が一番多いですか?

【島田妙子さん】ついイライラしてしまって、怒りを抑えきれずに、モノや人に当たってしまうという人が多いですね。「家に隠しカメラがついていたらどう思います?」って聞くと、「恐ろしくて自分では再生できない」と。「自分がひどい状態になっていることはわかっているんだけど、怒りだしたら止まれない」と言うんです。私も3人の子どもを育てて、同じような経験をしたので、その気持ちはよくわかります。

――子育てでイライラした経験が?

【島田さん】はい。私は子どもの頃、親から虐待を受けて育ちました。だから母親になったとき、私だけは絶対に優しいお母さんになるって心に誓ったんです。でも、3人の子育て中に介護も加わって、がんばろうと思ってはいるものの、いっぱいいっぱいになってしまって、モノや人に当たるようになって…。そんな自分がすごく嫌でした。

――最近は「産後うつ」がよく取り上げられます。

【島田さん】産後は精神の安定を司るホルモンが減少するし、寝不足も重なって、ネガティブになりやすいんです。また最近は、旦那さんも子育てをする家庭が増えていいことなんですけど、たとえば家事や育児を『やる』と言ってくれたのにできていなかったりすると、期待していたぶんだけ怒りや悲しみは大きくなってしまいます。私だけが我慢しているとか、私だけがしんどいという錯覚を起こしてしまいやすいんです。

――「自分だけつらい」という気持ちがイライラに変わるんですね。

【島田さん】怒りはトレーニングでコントロールできるようになりますし、ちょっとしたきっかけや環境の変化でネガティブな感情を変えることができます。

義両親やママ友…、つらい大人の人間関係は「割り切って」

――どうやって怒りをコントロールしたらいいのでしょうか。

【島田さん】シンプルに「反射的に怒鳴らない、殴らない、モノに当たらない」と決めるだけでも、大きなトレーニングです。それから、人間が怒るときは、アドレナリンというホルモンが分泌されるのですが、深呼吸をして、その場を離れて違うことをすると、アドレナリンを鎮めることができます。
 大切なのは、その後に、自分はそもそも何に怒っていたのか、という怒りの出発点を確認することです。本当は旦那の帰りが遅くて心配だったとか、寂しいだけだったということは多いものです。それを把握して、きちんと言葉にして伝えられるようになることです。

――怒るのではなく、怒りたくなる気持ちの元を冷静に伝えるようにならなければいけないと。

【島田さん】それができずに、単に怒りのおもむくままにいると、本当に言いたかったことは伝わらず、むしろ、言うつもりじゃなかった言葉や相手を傷つける言葉、人格を否定する言葉を言ってしまうことになってしまう。とくに、子どもの場合は、普段からギャーギャー怒られていると、聞き逃すという能力を身につけてしまいます。
 しかも、腹がたつと、おかあさんと同じ行動をとるようにもなってしまいます。どんな言葉を浴びて育ったか、どんなおとうさんおかあさんの姿を見て育ったかは子どもにストレートに影響を及ぼすんです。

――義両親との関係やママ友など、大人同士の人間関係がストレスになって、家で怒りが爆発してしまうことも多いかもしれません。

【島田さん】日本人は欧米人のように自分の感情を伝える術を学んできていないから、こんなことを言ったら嫌な気持ちにさせてしまうんじゃないかとか、私さえ我慢したらいいとか思う人が多いんですよね。でも、言わないで溜め続けていくと、ストレスになって、子どもや物に当たる原因となったり、胃が痛くなったり、頭痛がしたり、体の症状に出てしまうから問題です。
 それから、私は、嫌いな人がいたときは、その人の中に無理矢理いいところを見つけるようにしていました。そして、人間関係を良好にしようと思うのではなく、ねぎらいの気持ちは大切にもって、ほどよく割り切った付き合いをしていました。

――最近は、LINEなどSNSでのつながりがストレスだという話も耳にします。

【島田さん】しんどいなって思うときは、そのまま気持ちを伝えたらいいと思いますよ。誘われて行く気がなければ、「今、ちょっときついので、家のことを中心にやりますね」とか。一番大切なのは、自分の人生、自分の家庭を守ることなんですから。そんなことでうっぷんをためて、子どもや旦那に当たるのはもったいない。誰に何と言われてもいいという気持ちで、心地いい状態に近づけること。そこは鍛えていかないと難しいでしょう。

子育てと“その後の人生”、両方を楽しむこと

――育児で気持ちが疲れた母親たちに、何かアドバイスするとしたら?

【島田さん】昔の私は、子育てが終わったらもうおばさんになって人生終わりだ…っていう思考でした。でも途中から、今に見てろよ、私の未来は輝くぞっていう思考に変えました。子育て時代に後悔と罪悪感を残すと、その後の人生楽しめませんからね。ママたちには、子育てとその後の人生を、上手に過ごしてほしいですね。そのためにはつらい思いを語れて、助け合える友だちを持つことも大切だと思います。

――つらさを共感できる友だちですね。

【島田さん】子育ての大変さや辛さが分かり合えて助け合える人、本音を言い合える人は、ものすごく重要です。家の中がぐちゃぐちゃでも気にならず、冷蔵庫の中身を見せあえるくらいの間柄だったらなおいいですね。旦那さんにしか救いを求められないのでは、帰ってきてくれない、助けてくれないという思いを生みがちで、悲しくなるし、孤独や不安も加わって、鬱っぽくなってしまう原因になりますから。同じ地域で同じ時代に生きている人たちで支え合えたら、気持ちに余裕が生まれると思いますよ。

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