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(更新: ORICON NEWS

430万再生果たすコマ撮り作家が世界大会で受賞、”リラックマ”も手掛けた会社員の素顔

  • 「NY ADC Young Guns17」授賞式での篠原健太さん

    「NY ADC Young Guns17」授賞式での篠原健太さん

  クリエイター向けの国際大会「NY ADC Young Guns17」で、ストップモーション(コマ撮り)アニメーターの篠原健太さんが日本人唯一のノミネート、21日(NY時間20日)にWINNERとCreative Choice Awardのダブル受賞を成し遂げた。TwitterとTikTokを合わせて430万回再生を記録した作品を持ち、自作の「コマ撮り」技法紹介サイト、YouTubeなどで作品を発信。技術が評価され、「リラックマとカオルさん」(Netflix)の制作にも参加した。クリエイターとして名を高めてきた篠原さんに、今回の受賞の感想や「コマ撮り」にかける思いを聞いた。

日本人唯一の受賞に「アニメーターの私が選ばれて驚いた」

 「NY ADC Young Guns」とは、ニューヨークで開催される、広告、アニメ、映像、写真などのクリエイターを対象とした国際的な賞。今年も世界中から500名以上のエントリーがあり、受賞者は28名。その中で篠原さんが今年度唯一の日本人受賞者となった。篠原さんは制作会社に勤務する会社員。会社でストップモーションアニメーターとして仕事をする傍ら、個人でもさまざまな作品を作り、TikTokやSNSサイトnoteでの「コマ撮り」紹介などでファンを獲得してきたクリエイターである。更に、一般投票数が最多だった1名にのみ与えられるCreative Choice Awardもダントツの投票数で受賞。開催17回目となる同大会でのWINNERとCreative Choice Awardのダブル受賞という日本人初の快挙を成し遂げた。

――今回の賞に応募した理由は? 他の賞にも応募されたことはありますか?
篠原健太さんこちらの賞への応募は初めてです。きっかけはクリエイティブディレクターの川村真司さんから推薦のお話をいただいたことです。国内の賞はいくつかいただいたことはあります。アニメーション作品で初めて受賞したのは、「第9回飛騨国際メルヘンアニメコンテスト」での子どもメルヘン大賞でした。これは学生時代に一人で制作した「ニワトリ物語〜育む時の中で〜」というコマ撮り作品でした。

――今回の賞のファイナリストが発表されたときの印象は?
篠原健太さんそのときは冷静でした。しかし、周りの方が喜んでくれたのはうれしかったです。SNSのフォロワーさんが応援してくださるので、いつも励まされています。

――ご自身が受賞されたときの感想を教えてください。
篠原健太さん作家性を感じる作品をエントリーした受賞者が多い中、ストップモーションアニメーターの私が選ばれて驚きました。アニメーターは作品を作るための一つの役割で、最終的な画に関わりはしますが、作家性を取り上げられることはあまりありません。何人かの人とチームでアニメートする場合が多いので、むしろ足並みを揃えるために自分の個性は控えます。そのようなアニメーターが表彰されることが驚きでした。私が活躍できる機会を作ってくださった皆様に感謝します。また、これを機会に日本のストップモーションアニメーションが盛り上がってくれるとうれしいです。

――日本人で唯一選ばれたことについては?
篠原健太さん誇りに思います! ストップモーションアニメーターとしても! 日本人としても!

ひたすら地道な“コマ撮り”作業 視聴者の言葉が励みに

 「ストップモーション」とは直訳すると「コマ撮り」のこと。たとえばカメラの前に人形を置き、その人形のポーズを少しずつ変えながら1枚1枚写真を撮影。それらの写真を連続で再生したときに、あたかも人形が生きて動いているように見せる……それがストップモーションアニメーターの仕事だ。篠原さんはこのストップモーションの制作過程をSNS上でも公開しているが、「人形を1秒間歩かせるのに撮影1時間、編集2時間」とも言われる、実に地道で根気のいる作業である。

――篠原さんはどうやってストップモーションの技術を身につけたのですか?
篠原健太さん最初は学校で学びましたが、本格的にはドワーフスタジオで働きながら身につけました。ドワーフスタジオにはストップモーションの道具や機材、知識がたくさんあります。その環境で先輩たちの真似からスタートし、実践し、自分なりに咀嚼していきました。まだまだ発展途上ですが…。

――ストップモーションを作る上で心がけていることは?
篠原健太さん自分の基準をクリアしたアニメートをするように心がけています。ワンカットでは良いと思った演技が、ストーリーの流れで観ると「ちょっとタイミングが良くないなぁ」と思うこともあって。そういうときはちょっと悔しいですね。ただ、視聴者の皆さんの喜んでくれる言葉は全部励みになります。私のアニメーションを観て「元気が出ました!」と言ってくれる人がいましたが、本当にうれしいです。

【超短編】430万回再生された、篠原さんの「コマ撮り」動画

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