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「ジャニー喜多川が日本の芸能史を変えた」、“ジャニオタ男子”が見た功績と今後

  • 著者の霜田明寛氏

    著者の霜田明寛氏

 ジャニー喜多川氏がこの世を去り、芸能界はもちろん、多くのジャニーズファンにも激震が走った。そんな中、一般的には珍しい“ジャニオタ男子”であり、WEBマガジンの編集長を務める霜田明寛氏が、著書『ジャニーズは努力が9割』(新潮新書)を発表した。まるでビジネス書や自己啓発本のようなテイストでタレントを紹介し、ジャニー氏の仕事哲学にも迫る本書。生粋のジャニオタでありながら、冷静な視点で分析する霜田氏は、ジャニー氏の功績をどう見るか。本書の意図から、ジャニーズの現在地までを聞いた。

“ジャニオタ男子”に理解のない世間、仕事でも偏見のまなざし

 霜田氏は1985年生まれ。9歳でSMAPに憧れ、18歳でジャニーズJr.オーディションに挑むも「16年経った今もまだ返事は来ない」と言う。彼がジャニーズにハマったきっかけは、母親だった。「母がSMAPファンだった我が家では『愛ラブSMAP!』(テレビ東京系)が流れていたし、小学5年生のころに始まった『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)は、僕も熱心に観ていましたね」(霜田氏/以下同)

 とはいえ、当時“ジャニオタ男子”は珍しく、霜田氏も中学生のころまではジャニーズ好きを友人に言えずにいたという。だが高校時代、長瀬智也主演ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』や岡田准一主演『木更津キャッツアイ』(共にTBS系)など、俗に言うクドカン(宮藤官九郎)作品が一世を風靡する。

 「クドカン作品は男の子も観るドラマでした。機は熟したと感じ、徐々にジャニーズの“布教”をスタート。『木更津キャッツアイ』の5人みたいになりたいとか、バンビ(櫻井翔)も童貞だからとか(笑)、ジャニーズは男子にも身近に感じられるようになったんです」。

 ただ、それでも世間の“ジャニオタ男子”への理解は少なかった。現在はWEBマガジン編集長を務める霜田氏だが、駆け出し時代にライターとして出版社へ売り込みに行った時も、「『ゲイなの?』とセクシャリティを疑われました」と、偏見があったことを明かす。

知名度と説得力が相関関係に、「駆け出しの社会人に勧めたい」との声も

 霜田氏は、以降もジャニーズの情報を収集。その集大成が本書『ジャニーズは努力が9割』(新潮新書)となる。第1部『努力の16人』では、中居正広、木村拓哉、長瀬智也、国分太一、岡田准一、井ノ原快彦、堂本剛、堂本光一、櫻井翔、大野智、滝沢秀明、風間俊介、村上信五、亀梨和也、伊野尾慧、中島健人を解説。ファン向けというよりも、働く人々へ向けた自己啓発本のような様相を呈している。

 「この16人の選出の基準は、新書を手に取る可能性のある40〜50代の男性も知っていること。もちろん、自分の好きなジャニーズJr.にページを割きたい衝動も生まれましたが(笑)、ジャニーズファンではない方を読者に想定した場合、知名度と説得力が相関関係にある気がしたんです」。過去に携わった就活本のノウハウも活用した。ベストセラー『夢をかなえるゾウ』(飛鳥新社)を執筆した師・水野敬也氏の教え「読んで実行しようと思うまでが本の役割」にも従った。動物占いのように16タイプで成功法則を挙げ、そのどれかに読者個人が当てはまるよう分類。さらに、就活学生や社会人の悩みに応えるように実用的に落とし込み、“どう生きるか”という解決策までを7つのパターンで示した。

 「読者からは、『駆け出しの社会人やビジネスパーソンにお勧めしたい』『ジャニーズじゃない場所でもこのスキルは生かせる』などの言葉をいただきました。よく知らない大人に、どう生きるかと言われても頭に入ってこない。ですが、中居正広さんたちのような実績あるスターの言葉を通すことで、じゃあ自分も…と受け入れてもらいやすいと考えました」。

SMAP以降の活躍で、日本人に刷り込まれた“新しいアイドル像”

 16人に共通している点は、「目標値が高く、自分を未完成と自覚している」こと。例えば、かつて亀梨和也は周囲と比べて容姿が劣っていると感じ、努力を重ねてきたという。「狭い社会で満足しているうちは、見えている世界も限られる。絶対評価で自身の価値を高く設定すると、成長が止まるんです。実際に亀梨くんの容姿が劣っているかどうかではなく、彼自身が劣っていると自覚していることが重要なんです」と持論を展開する。

 「SMAP以降の活躍で、日本人は30年近く“新しいアイドル像とは何か”を目撃してきたことになります。そして2000年代にはAKB48が登場し、総選挙やドキュメンタリーが話題になったことで “アイドルだって頑張っている”という認識が出始めた。ラクをしている人は10年も残れません。近年で、そういったアイドル像が日本人に刷り込まれたと考えます」。

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