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脱退、解散、復活…変容するジャニーズグループ、KAT-TUNに見るアイドルの“旬”の先
【写真】2年の充電を経て変化は? 復活後のKAT-TUN
アイドルの“旬”、潮目を変えたSMAPのブレイク
“旬”を過ぎたアイドルグループは、活動を縮小したり、解散して、俳優やバラエティタレント、ミュージシャンなど、それぞれの特性を生かした道に進んでいったものだ。それが、1996年にSMAPが本格的にブレイクしたことで、潮目が変わった。プライムタイム初の冠番組『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)が始まってわずか1ヶ月後に、森且行の脱退が発表され、その後の初のスタジアムツアーは、森を欠いた5人で行った。メンバーが1人いなくなると、当然残ったメンバーの負担は増える。透明感と安定感が共存した森の声を欠いたSMAPは、メンバーそれぞれのキャラクターを際立たせることでその不在を補い、見えない部分でグループの“絆”をさり気なく感じさせることで、5人の人間味や関係性が、以前よりずっと鮮明になった。グループの歴史に、ファンが思わず応援したくなるようなドラマが生まれたことは、彼らの魅力をより多面的にした。
SMAPがブレイクして以来、アイドルの“旬”はもぎたての野菜のような“フレッシュさ”“瑞々しさ”を指すだけではなくなった。チームとしての結束力や、熟成肉やワインのような“熟れた”魅力、目立たなかったメンバーに新たな才能が発掘されたりと、アイドルグループを応援することは、様々な局面での“サプライズ”に出会うこととイコールになった。
2年の充電期間を経て、“前代未聞”の記録を作ってきた東京ドームへ
様々な期待を胸に、あらためてKAT-TUNの楽曲と向き合うと、まずは彼らの歌い継いできた音楽の“ブランド力”に唸らされる。パワフルでアグレッシブなロックを基調に、サビのメロディはキャッチーで歌謡曲的な雰囲気もある。ほとんどの曲がタイアップなので、ファンでなくても、AメロBメロは知らなくても“サビなら知ってる”という人も多そうだ。とにかく、聴いているだけでアガるような、“ライブ映え”する曲揃いなのだ。今回、セットリストの約半分がシングル曲だということもあり、あらためてKAT-TUNの一貫した音楽性のオリジナリティに触れ、彼らの楽曲の“歌い継いでいくべき価値”のようなものを痛感した。
歌でもトークでも、3人で1人分をカバーしなければならない
とはいえ、最大のサプライズは、やはり音楽に関してのことだ。ライブの終盤で披露された「Ask Yourself」は彼らの最新シングルで、当然3人の声に合わせて作られた楽曲である。そう考えれば至極当然のことだが、この曲が一番彼らの声質に合っていた。ダンスパフォーマンスも加わり、見せ方の完成度も高かった。“今をありのまま生きよう”と歌う歌詞も、今の彼らにピッタリで、新生KAT-TUNの底力を感じさせた。
KAT-TUNも関ジャニ∞も、今後のグループの輝きは残されたメンバー次第
(文:菊地陽子)
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