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カレーパン“洗脳セブン”も話題に、強烈個性の“店舗映え”コンビニが増える理由
「いつでもどの店でも同じサービスを提供する」ことを最大のウリとし、強固なブランディング力で急成長を続けてきたコンビニ業界で今、なぜ“個”がトレンドなのか?
コンビニらしからぬ、かつての個人商店を彷彿させる超個性派の筆頭
実際、最初にツイートした「ゆずすけ 放浪起業(@curiosity_com)」さんが「まんまと洗脳されて購入してしまった」とつぶやくと、他のユーザーからも「これは買ってまう」、「明日、行ってみます!」、「カレーパン食べたくなった」とのコメントが続投。“カレーパン鬼推し”の理由については、当の店側は「新商品のおいしさを伝えたかったから」とだけコメントを寄せてくれたが、SNSを見てもわかるように効果のほどは小さくないようだ。
また、「獺祭」、「作」、「楯野川」といったプレミアムものも含め日本酒を250種類以上も取り揃える千葉のセブンイレブンでは、左右5m以上の棚が4〜5段に渡って日本酒でギッシリ埋め尽くされている様が圧巻で、普通のコンビニでは有り得ない光景。しかし、もともとは酒店だったという背景もあるようで、“日本酒推し”の営業方針もセブンイレブン本部と話し合った結果というから、本部側も店の“個性”を認める方向に向かっているのかもしれない。
これからの超高齢化社会や定年後の雇用を考えても、実にいいモデルケースとなるのではないだろうか。
画一化時代だからこそ強烈個性が光る原点回帰現象
そんな時代になって久しいが、ここにきてコンビニ店はSNSという強い味方をつけながら、“その店に行く理由”を提供する強烈な個性を持った店として原点回帰しているようなのである。
コンビニ同士でも競争激化、SNS意識商品のみならず“店舗映え”で差別化
いわゆる「セブンのすぐそばにまたセブン」という、特定地域に出店を集中させて商圏内を独占する“ドミナント戦略”によって、国内コンビニトップの地位を維持し続けてきたセブンイレブンの場合、同地域内でのセブン同士の競争も当然激しくなる。“店舗映え”する個性派の登場には、店舗ごとの“色”を出さざるを得ない厳しい現状があるともいえそうだ。
“個”を失くし、いつでもどこでも均一なサービスを提供することで成長し続けてきたコンビニ業界。一店舗当たりの売り上げは横ばいの中、店舗数だけが増えていけば競争が激化するのも必然。それにより“店舗映え”コンビニが登場してきたのも、かつての商店にあったような“個”がコンビニに宿り始めているともいえるし、消費者側も、同じコンビニでも“店を選ぶ”という新たな動きが活発化してきているともいえそうだ。
これまで劣勢だった個人商店もSNS拡散により一発逆転が狙える時代に突入したいま、今後ますます個性あふれるコンビニが台頭してくるかもしれない。