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「いい女になるのだな…アムロ君が呼んでいる」シャアとセイラ“今生の別れ”をジオラマで再現
こだわったのはヘルメットの浮遊感とバイザーの傷「シャアの名セリフが聞こえるように」
まつおーじプラモ製作に復帰して最初に作ったジオラマは、ガンプラのUCHGシリーズのワッパを使ったジオラマです。ちょうど模型誌でワッパを使ったコンテストがあって、それに応募しようと思い製作しました。
――子ども時代に比べてガンプラは進化しています。相当面食らったのでは?
まつおーじ模型誌でコンテスト開催が発表された後にジオラマのHOW TO記事が掲載されていたので、それを読んで真似しました(笑)。今は何でもネットで調べられるし、変わったマテリアルもネットで買えるので便利な時代ですよね。最初は失敗してもいいのでとにかくやってみる。これにつきます。
――その後はプラモ製作を研鑽し、今では多くのプラモ作品をSNSなどで公開されています。自身のジオラマの“強み”は何だと思いますか?
まつおーじ強いて言うなら空気感でしょうか。作品の雰囲気がちょっと温かくなるような…。
――空気感といえば、ファーストガンダム終盤の名シーン「キャスバル(シャア)とアルテイシア(セイラ)の別れ」を立体化したジオラマは、シャアやセイラのセリフが鮮明に蘇る完成度です。本作で苦心したのはどんな点ですか?
まつおーじシャアのヘルメットの浮遊感とバイザーの傷です。この傷を見れば、シャアの「ヘルメットが無ければ即死だった」というセリフが聞こえてくるのではないでしょうか。
――技術的な部分でこだわったのは?
まつおーじヘルメットを支えているワイヤーが極力見えないようこだわりました。あからさまにワイヤーが見えると現実に戻ってしまうので(笑)。
ガンダムシリーズで“迷走”したシャアも、妹・セイラへの想いは終始一貫していた
まつおーじシャアの左手の指先はとても苦労しました。シャアの左手は、優しくそっとヘルメットを引き寄せる感じにならず、何度も調整しました。本当はもう少し色っぽい指先にしたかったのですが…。
――ファーストガンダムは、キャラクターデザインの安彦(良和)さんの色気のある作画も大きな魅力です。
まつおーじ安彦さんの絵は僕も大好きです。安彦さんの絵に限らず、2Dの絵を3Dにする場合は辻褄が合わない箇所が出てくるため難しいです。モビルスーツの様に面のハッキリしたものはまだ辻褄が合わない箇所が分かりやすいですが、人物のように曲面ばかりだとなんとなく合わせてしまって、違っているところが分かり難くなるんですね。その結果、何処か違和感があったり雰囲気が出なかったり。安彦さんの絵はリアルよりだから余計に難しい気がします。
――なるほど。アニメ絵を立体化する際の辻褄合わせが、モデラーにとって腕の見せ所なんですね。本作からは、作品愛はもちろんシャアへのこだわりも感じます。
まつおーじシャアは大好きです。見た目は怪しいマスクマンで、強い面も弱い面も持っている。アムロとのライバル関係も面白いし、セリフも名言だらけ。ファーストから逆シャアまでのシリーズ内で“迷走”しちゃったりとか、色んな魅力がある男です。でも、妹であるセイラへの想いは終始一貫していた。そんな彼の“人間臭い”部分がたまらなく好きですね。
(C)創通・サンライズ