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活動歴20年のロリータモデル・青木美沙子、平成が生んだ「ロリータ文化」

 平成に花開いた日本発祥の「ロリータファッション」。その聖地と言えば原宿だが、平成も終わりに近づいた今、原宿でロリータに出会うことは稀となった。ところが意外な場所で彼女たちは元気に闊歩していた。2009年に外務省から“カワイイ大使”に任命され、現役看護師のかたわら世界中を飛び回りカワイイ文化を普及している青木美沙子。ロリータ活動歴20年のカリスマが、平成ロリータ史、そしてロリータの未来を語る。

電車に乗るのも一苦労? 平成初期のロリータ事情

──青木さんは15歳で読者モデルにスカウト。そして現在35歳なので、ロリータ歴も20年ですね。

青木美沙子はい、ロリータ全盛期の少し前のことです。それから数年後の2004年(平成16年)に深田恭子さん主演の映画『下妻物語』がきっかけで、一気にロリータブームが来ました。原宿もロリータさんがたくさんお散歩していて、華やかでしたね。

──『下妻物語』では田舎の風景とロリータ服のミスマッチが面白く描かれていましたが、青木さんの出身である千葉ではロリータはいましたか?

青木美沙子いなかったです。やっぱり原宿に来ないとロリータさんには会えない時代でした。私は最初は仕事でロリータ服を着せていただいたんですが、だいたいのロリータさんは最初はおうちでこっそりとロリータ服を楽しむんですね。一人ファッションショーみたいな感じで。それから勇気を出して原宿に来て、そこで初めてロリータ友だちができたという子も多かったです。でもやっぱり家からロリータ服を来て電車に乗るのはまだまだ抵抗があって、当時は竹下通りの入り口にロッテリアがあったんですが、そこで100円とか200円のドリンクを買って、トイレで着替えて原宿をお散歩する、というのが第二ステップ。ロリータ服は値段もお高いので、ステキなカフェなんて滅多に行けなかったんですよね。
──そこを越えると、ロリータ服を着て電車に乗れるようになるということでしょうか。

青木美沙子そうですね。ご覧の通りロリータ服はかなり目立ちますので、乗客の方にギョッとされることも多かったです。でも最近はみなさんロリータを見慣れたのか、あまりびっくりされないですね。というか、今はみなさんスマホを見て下を向いてるので、ロリータが乗ってきたことに気付かないのかもしれないです(笑)

──平成史っぽくなってきましたね(笑)!

青木美沙子あと電車に乗るときのテクニックじゃないですけど、ロリータ服の特徴としてスカートをふんわりさせるためにパニエというアンダースカートを履いてるんですね。ただ満員電車だと幅を取ってご迷惑になるので、パニエを履かないパターンが多いです。そうすると普通のワンピースと変わらないんですよ。そういう場合は、パニエは圧縮袋に入れて運んで“現地”で履くんです。ちなみに今日はパニエを4枚履いたボリューミーな仕様です。

着ると強くなれる、ロリータファッションは“戦闘服”だ!

──青木さんは看護師とロリータと兼業を続けていますが、それについてはどんな苦労がありますか?

青木美沙子今は自分で仕事をコントロールできるので、特にないですね。ただ看護学校時代は『コスプレみたいな格好をして』と呼び出されたこともありました。ロリータ服しか持ってなかったので、仕方なかったんですが……。それと就職した病院がWワーク不可だったので、モデルとの両立ができずに結局はやめることになってしまいました。でも今は副業を推奨する職場も増えましたし、特にナースってWワークしている子が多いんですよ。

──“働き方が変わった”というのも平成史っぽいですね! ちなみにナース服のときとロリータ服のときでは、青木さんのテンションも変わるんですか?

青木美沙子ぜんぜん違いますね。まず振る舞いが違います。ロリータのときはお姫さまのように、お洋服も汚さないように。動きにくい格好だからということもありますが(笑)。一方、ナース服を着るとテキパキ、動きもめっちゃ速くなります。命を預かる現場で服が汚れるなんてことも構ってはいられません。

──着るものによって、気持ちのスイッチが切り替わるというのも大きいんでしょうか。

青木美沙子あると思います。最近はイスラム圏でもロリータ服が人気で、私もカタールを訪問したことがあるんですが、イスラムの女性って宗派によっては目だけ出した全身黒装束でしか外に出られないんですね。だけどその下に全身ロリータファッションを着ている方がいて、それを見て私はすごく感動したんです。

──見た目にはぜんぜんロリータを着てることがわからないわけですよね?

青木美沙子そうなんです。でも華やかさばかり注目されるロリータファッションですが、本当はもっと精神的なものなんです。ロリータを着ることでお姫様のようにおしとやかになれたり、気高い気持ちになれたり、自分に自信が持てたり、だから究極的には人に見せなくてもいい。イスラムのロリータさんたちに会って、改めて「ロリータは戦闘服だ!」って思いましたね。

ロリータファッションこそが究極の“インスタ映え”!?

──今や世界中に波及するロリータファッションですが、原宿では最近あまり見かけなくないですか?

青木美沙子若い子の間でファストファッションが流行ったこともあると思います。ロリータ服は高いですから──。たぶんお金の使い道が変わったんだと思います。インスタ映えする写真を撮るために、可愛いカフェに行くとか。ロリータファッションこそ究極のインスタ映えだと私はお伝えしたいんですが。

──海外にロリータファッションが広がったのも、SNSの影響が大きいんでしょうか。

青木美沙子それはあると思いますね。特に人気なのがアメリカ、メキシコ、ロシア。中でも中国では日本より盛り上がっています。しかも日本のロリータさんはわりと控えめな子が多いんですが、自己主張が強い国民性もあるんでしょうか、みんな堂々とロリータを着て街を歩いてるんですよ。

──中国ならではのロリータ事情みたいなものもありますか?

青木美沙子日本ではロリータって男性受けがあまりよくないじゃないですか。でも中国では逆で、代表的なモテファッションになりつつあるんです。男性も派手好きっていうんですかね、ゴージャスなロリータファッションの子を連れて歩きたがるそうなんです。『俺の女、すごいだろ?』みたいに(笑)。中国発のロリータブランドも1000以上生まれていて、その多くが店舗を持たないECサイトで販売されています。しかもとてもお安いんですね。だから若い子も買えるのかなと思うんですけど……。でも縫製やレースの繊細さから、「やっぱり日本のロリータブランドは本物」と言う方も増えてはいます。

──日本発祥のロリータ文化が中国に負けてしまうのも残念。平成が終わってもこの文化の火が消えないよう、青木さんの普及活動にも期待しています!

青木美沙子はい、その一つとして、ロリータファッションで集まれる「お茶会」というイベントを定期的に開催しています。最近はお茶会に来てくださる方も幅広くて、就職や出産で一度はロリータをやめたけど戻ってきた方から、休日だけロリータ服を楽しんでいる男性、それこそ60代になって初めてロリータファッションを始めた方もいらっしゃいます。若い子にはないエレガントさがあって本当に素敵なんですよ。ロリータは国籍も性別も超えられるし、もちろん年齢で諦めるようなファッションではないことを、35歳の私からもお伝えし続けたいですね。

(取材・文/児玉澄子、撮影/勝又義人)

Information

Profile
KERA・ゴスロリバイブルのロリータファッションモデルをしつつ正看護師としても働く。2009年外務省任命カワイイ大使として25カ国45都市以上の国を歴訪。2013年日本発祥のロリータファッション普及目的に日本ロリータ協会を設立。ロリータファッションBOOKの発売やプロデュース業も行なう。

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