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【めちゃイケ・リレーインタビューVol.9】矢部浩之が語る“相方”岡村隆史との関係 22年の集大成「ファンが喜んでくれる最後を」

 今月31日をもって22年の歴史に終止符を打つフジテレビ系バラエティー番組『めちゃ×2イケてるッ!』(毎週土曜 後7:57)。数々の人気企画を生み出し、日本のバラエティー史に名を刻んだ人気番組の最後の花道を盛り上げるべく、ORICON NEWSではメンバー全員にインタビューを行い、リレー形式で毎週掲載していく。

 最終回では前回に引き続き、『めちゃイケ』のリーダー的なポジションで時には表から、ある時は裏から番組を進めていったナインティナイン・矢部浩之のインタビューを掲載。後編では、20代半ばでゴールデンタイム、しかもバラエティー番組にとって伝統ある枠である“土8”を任された思いをきっかけに、今のお笑い界への思い、相方である岡村隆史との関係、そして『めちゃイケ』が終わった後の“矢部浩之”について、余すことなく語りつくした。

若手時代の同志はSMAPとシャ乱Q 後輩芸人へのやさしいまなざし

 僕が25歳の時に『めちゃイケ』が始まったんですけど、20代半ばで“土8”を任されるって、今の時代だったら信じられないことですよね。今は上も詰まっていて若手芸人たちが僕らの時みたいにゴールデンのメインを張れないことは、もちろんかわいそうなことだと思います。僕らが若手だった頃は、今に比べて芸人の数が絶対的に少なかったから、よく「同じ時期に売れた芸人さんは?」との質問を受けても、なかなかいなくて、結果的にアーティストですけどよく共演していたSMAPとシャ乱Qって言っていました(笑)。

 僕らの頃は「ゴールデンで冠番組を持つぞ」っていう目標があったから良かったんですけど、今の若い子たちも冠番組を持ちたいはずなのに、僕らの若手時代のようになかなかそこに至る道筋が見えない。ただ、芸人の数が多くなって普通にしていても売れない時代になっているので、みんないろんな工夫をして、ネタもおもしろい、キャラもこれまで見たこともないような奴もいっぱいいるから、みんなで切磋琢磨して笑いのレベルが上がっているので、そこは羨ましいなと素直に思います。
 あと、大昔に品川(祐)が「僕たちはダウンタウンさん、ナイナイさんみたいにゴールデンで冠番組を持つことを目指してきた世代なんです。だけど、それは無理だから、僕は映画に行ったんですよ」と僕に言ったことがあって、「なるほどな」と思いましたね。確かに、今の時代は芸人としても活動しながら、品川みたいに映画監督で成功したり、キングコングの西野(亮廣)みたいに絵本を描いて成功したり、ピースの又吉(直樹)みたいに小説を書いて芥川賞取ったりと、いろんな分野で才能を開花させていますよね。もちろん、みんなベースにもともとの才能があるのは当然ですが、「今の時代、自分たちがお笑いでど真ん中に行くのは無理だ」と1回思った上で、そこから悩みに悩んで線引きして、自分の得意分野を見つけて行って、今の結果があると思うんですよね。
そして、ここが厄介なんですけど、そうやっていろんな分野で才能を伸ばしていく後輩たちに岡村隆史という男はやきもちを焼くんです(笑)。だから、西野が「僕らはナイナイさんを見てきましたし、好きですし、そこを目指してきたけどダメだった。だから次を考えて、いろいろやっているのに、そんな後輩に岡村さんはなんで厳しくケンカを売ってくるんだろう?」って戸惑っちゃう(笑)。相方はテレビのど真ん中を走ってきて、今も売れているのに、一生満たされないんでしょうね。カッコ悪い先輩ですけど、だからこそ面白いんやろうし、周りからもイジられて、笑いを取れるんだと思います。

岡村への不満爆発?「なに照れてんねん」 30周年の節目に新ネタ披露「しないといけない」

 そういえば、この連載1回目のインタビューで相方が「2年後には結成30周年も来るので久しぶりに2人でネタをやろうかなと考えています」って言っていましたよね。ちゃんと読んでいますよ(笑)。ただ、はじめにこれだけ言わせてください。こうやって、取材やラジオを通してオレに言うけど、まずは直接言ってこいよ、ええ大人がいつまで照れてんねんっていうのは常々思っています(笑)。出会いはサッカー部の先輩と後輩という関係ですけど、今はこっちも先輩だと思っていないですから(笑)。仕事で「岡村さん」とは言うけど、一番笑いを取りやすいからであって、ほかでしゃべる時は「ちっちゃいおっさん」って言っていますからね。でも、まぁー照れるんでしょうね。
 この間、『めちゃイケ』の“シュウ活”企画で各コンビのネタバトルをやったじゃないですか。その時に、ネタ合わせをしようということで何年かぶりに相方の楽屋に行くことになったんですけど、マネージャーが前もって「矢部さん来られます」って言ってくれているのに、いざ僕が入っていったら、相方がなぜか窓を眺めていたんです(笑)。それも照れというか、サッカー部の先輩と後輩という関係が相方の中にはあるんでしょうね。あの時のネタ合わせで「『めちゃイケ』で真面目にネタをやるのは違う。せっかくやったら、パクリキャラは生かした方がいい」というのは、2人で一致した意見でした。

 じゃあ、何のネタをやるのかという話になるんですけど、実は僕は2人でキングコングの漫才を完コピしようと提案したんです。オリエンタルラジオが8.6秒バズーカーのラッスンゴレライを完コピした時みたいな完成度で、キンコンのネタをやりたいと伝えたんですけど(笑)。結果的には、相方がオファーシリーズで青ジャージ、僕が逆オファーシリーズで赤ジャージを着ていたことから、テツandトモの「なんでだろう」のパクリネタをやることに落ち着きました(笑)。

 だから、2人で本気の新ネタをやるとなったら、なかなかの労力と時間が必要になってきますよね。相方も言っていましたけど、2020年はナイナイ結成30周年ですし、相方が50歳、僕が49歳になる年で2人合わせて99歳になるので、それは何かデカいことをしないといけないなとは僕も考えてはいますけど、まずは相方からの言葉を待ちたいですね(笑)。でも、結果的にはマネージャーが「どうされますか?」って聞いてきて、動き出すということになりそうな気がしています(笑)。いずれにしても、そこまでに1回はお客さんの前に立って、ちゃんとネタをやったら、舞台の感覚をいろいろ思い出すこともできるし、自信も取り戻せるかなとは思っていますけどね。ちょっと怖いのは、マネージャーが「僕も2人のネタライブ用にドーム会場をおさえようかなと思っているんです」と張り切っているので、それだけは「それはアホや、武道館でもビビるわ」って止めてます(笑)。

矢部が描く“ひとりラジオ”構想 『めちゃイケ』終了の実感「正直、まだない」

 相方もリレーインタビューの中で言っていましたけど、3月いっぱいで『めちゃイケ』が終わるし、日本テレビ『ぐるナイ』の「ゴチ」から僕が卒業したので、4月からナイナイが2人並ぶ姿を見せられる機会は減りますけど、実はひとりでいろいろやってみたいなと思っていることがあるんです。ひとりでラジオとかいいですよね。2人で『オールナイトニッポン』をやっている時から、思っていたことではあって、オールナイトを卒業する時にニッポン放送の方から「もし、またやりたい気になられたら」と言っていただいたんですけど、「全然やる気はあるんですけど、とりあえず1回やめます」って返したくらいなんです(笑)。

 そうそう、オールナイト卒業する時の話で忘れられないことがあったんです。最後、番組を卒業するとなった時にリスナーやスタッフからめちゃくちゃ手紙をもらって、みんな気遣いもあるし、気持ちよく送り出してくれる言葉が多かったんですけど、放送作家の小西(マサテル)さんからの手紙にだけ、引っかかる一文があったんです。それが「一人だけ卒業を最初聞いた時、漕ぎ出した船を途中で降りるのかと正直思いました」という一文で、そのあとに「でも〜」みたいな感じで、ちゃんと大人なフォローもあったんですけど、小西さんの中で「矢部、ずるいわー」という思いがあったんでしょうね。でも、裏を返せば小西さんもたぶん迷っていた時期はあるということだと思うんですよ。降りるなら、みんなで一緒に降りようという気持ちだったんでしょうね。それは確かに申し訳ないなと思いました。僕のひとりラジオを小西さんと一緒にやるっていうのは、いいですよね。ただ、岡村・矢部からそれぞれ違うことを言われて、小西さんがノイローゼになってしまうかもしれないですけど、機会があったらやってみたいです。

 マツコ・デラックスと一緒にやっているフジテレビの『アウトデラックス』と、明石家さんまさんの『さんまのお笑い向上委員会』のスタッフが同じなので、僕がピンで『向上委員会』に出るっていうのもアリかもしれないですよね。でも、あの番組に出る以上は(心の)服を脱がないといけないじゃないですか。だから、矢部浩之のキャラに沿った脱ぎ方の準備ができるまで、もうちょっと待ってほしいなと思います(笑)。そんな話していますけど、もういよいよ『めちゃイケ』最終回5時間スペシャルが近づいてきているんですよね。やっぱり、今まで自分たちが面白いなと思ってやってきた企画とか、『めちゃイケ』ファンの方が面白いなと思ってくれた企画を入れながら、十八番の感動をフリにして笑いで終わるという5時間ちょっとになるんじゃないですかね。やっぱり、ファンが喜んでくれる最後にしたいですね。

 こうやって『めちゃイケ』リレーインタビューの大トリをやらせてもらっていますけど、正直なところ、まだ実感がないんですよ。5時間スペシャルを撮り終わって、3月31日を迎えて、次の火曜・水曜が来てから、初めていろいろな気持ちが出てくると思うんです。「あっ、終わった」っていうことをやっと実感できるんじゃないかな。たぶん普通にいくと4月の最初の火・水は空いているので、特番の収録とかもいきなりは入らないと思うから、その時になってしっかり味わいたいなと思います。ポカンと穴が空いた感じなのか、意外と「よし次!」ってなるのか、まだわからない。こんな感じでどうでしょう(笑)。うまいこと、前向きな感じが伝わるといいですね。最後の文章は「着地が上手い、やべっち」にしてください(笑)。
◆矢部浩之(やべ・ひろゆき)1971年10月23日生まれ。大阪府出身。1990年4月に高校のサッカー部の先輩・岡村隆史とナインティナインを結成。1992年「ABCお笑い新人グランプリ」、93年「上方お笑い大賞」受賞。『めちゃイケ』では進行役として番組を巧みに仕切りながら、2011年の『27時間テレビ』では100キロマラソンに挑戦し、見事に完走した。現在フジテレビ『アウト×デラックス』やテレビ朝日『やべっちFC』などに出演。

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