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(更新: ORICON NEWS

【めちゃイケ・リレーインタビューVol.8】リーダー・矢部浩之の告白 相方・岡村隆史の休養時のホンネと“裏回し”の使命

 3月31日をもって22年の歴史に終止符を打つフジテレビ系バラエティー番組『めちゃ×2イケてるッ!』(毎週土曜 後7:57)。数々の人気企画を生み出し、日本のバラエティー史に名を刻んだ人気番組の最後の花道を盛り上げるべく、ORICON NEWSではメンバー全員にインタビューを行い、リレー形式で毎週掲載していく。

 全メンバーが登場したこの連載のオオトリを飾るのは、この人しかいない。ナインティナイン・矢部浩之。個性が強すぎるメンバーたちが集結した番組のリーダー的ポジションとして、常識的な視線で冷静に進行し、テレビバラエティーでの芸人としての姿の新しいカタチを創造してきた。『めちゃイケ』が終了したら芸人・矢部浩之はどうなっていくのか。そんな純粋な興味のほか、2010年に相方・岡村隆史が休養した時期に感じたことなど、ファンが知りたいと思っていることを予測しながら、たっぷりと話してくれた。

終了報告を聞いた感想は「終わるの遅いわ!」 ほかのメンバーとは違う片岡飛鳥との関係性

 このインタビュー連載は僕も読んでいて、自分はいつ呼ばれるのかと思ったら、最後だからプレッシャーですよ(笑)。『めちゃイケ』では、ほとんど本音を言わないキャラになっているけど、今日はせっかくの機会なので正直なことも言おうかな…。

 番組終了を聞いた直後の僕の感想は2つありました。1つはほかのメンバーと同じようにビックリ、もう1つは「終わるの遅いわ!」。僕は、飛鳥さんの判断で終わるんじゃなくて、視聴率が悪いから局の編成部とかの判断で終わらされるっていうのがすごく嫌で、人から終わりって言われる前に、潔く自分たちで決断したいっていう気持ちがありました。番組終了を聞いた直後は誰の判断で終了決定したか分からなかったから、人から終わりを決められたのなら「遅いわ」って感じて。でも、その後に飛鳥さんから「直接的なことは言われていないけど、俺の判断で決めた」って聞いて、僕と考えていたことは同じだったんだな、と。
 飛鳥さんには、まだ若手だった僕らを見つけて番組に使ってくれた感謝は今でもあります。もちろん、腹が立ったことや、それは違うやろって思ったことは山程ありましたけど、拾っていただいた恩があったから22年間やってこれたのかな、と個人的には感じています。よく他の芸人からは羨ましがられましたよ。これだけ芸人に命をかけてくれるスタッフさんはおらへんから。マネージャーや事務所のスタッフならいるかもしれないけど、局のスタッフさんでここまで一緒にやってくれる人はいないですよ。だから、逆に「身内で固めて、ガチガチに演出されて芸人として楽しいのか」っていう人もいましたけど、僕は気にならなかった。『めちゃイケ』は台本があって番組はその筋に沿って進んでいるけど、その通りには全然やっていないし、感じたことを言って脱線もするし、相方も脱線してなかなか筋に戻れないこともある。そうやってルールの中で遊ぶのが『めちゃイケ』だから、批判みたいなことを言われても、何も引っかからなかったですね。

 僕と飛鳥さんの関係って、ほかのメンバーと比べても特殊ですね。みんな若い頃からやってきたから、『めちゃイケ』が「学校」で飛鳥さんが「先生」ってよく言ってたけど、僕は一人だけポジションが違って、演者だけどなかなかの制作スタッフ寄りだから(笑)、その感覚じゃないんですよね。演者だったら聞かなくてもいいことを聞かされたり、“裏回し(※)”っていうポジションも任されたり。最初は“裏回し”っていうのも「それなんやねん、表で回させろよ。都合ええなぁ」って思っていたし、若い時はギラギラしていたから前に出てツッコんだりしていたけど、いま考えたらキャラにないことを無理してやっていたから、自然といいポジションに誘導されていった感じで。それに、ほかのメンバーは飛鳥さんから「怒られた」って言うんですけど、僕は一度も怒られたことがないんですよ。だから、自分の中では学校とか先生っていう例えが当てはまらなくて……、「就職」していた感覚かな。だから、番組終了も「卒業」っていうより「転職」ですかね。

神輿に担いだ相方の休養…でも「ピンチだなんて全く思ってなかった」

 『めちゃイケ』は早い段階で「岡村隆史を神輿に乗せてみんなで担ごう」っていうフォーメーションで、僕は笛を吹きながら「こっちこっち」って先導するような役割になっていきましたよね。だから、僕はメンバーには感謝しかないんです。最初に番組に集められた時は、みんな若いしギラギラしているから、誰もが真ん中に立ちたいに決っているんですけど、飛鳥さんが作ったフォーメーションをかなり早い段階で受け入れてくれました。これってある意味で押さえつけなので、収録に来ない人がいても不思議じゃなかったと思うけど(笑)、みんなが「神輿の上にちいさいおっさんを乗せよう」って腹を決めて担いでくれて。

 相方が休養した理由は、レギュラーの仕事にほかに1人で映画に主演して、自分の演出で一人舞台もやろうとして、お笑い以外の仕事をいろいろとやろうとしすぎてパンクしたんです。今でも「あの時は大変だったでしょ?」って聞かれるんですけど、ピンチだなんて全く思ってなかったです(笑)。芸人になってずっと2人の仕事ばかりだったから、1人の仕事が新鮮で楽しかった。でも、周りの人たちは「大丈夫?」って気を遣ってくれるし、その温度差を合わせるのが難しかったですね。『ぐるナイ』の「ゴチになります!」の時なんて、進行の羽鳥(慎一)くんがナイナイのことを大好きだから、収録中に急に泣くんですよ。「なんで泣いてるの?」って聞いたら、「矢部さんが一人で頑張ってるから…」って言うから、「やめろ、お笑い芸人にそんなこと言ったらアカン!」って思っていました(笑)。

 もちろん、弱っている相方を見て心配はしていたし、それを支えていたマネージャーも「岡村さんがかわいそうで…」って心が折れかけていたから、励ましていました。それに、「帰ってくるのを信じていた」っていうのはこそばゆいんですけど、僕の性格的にどこかで「大丈夫やろ」っていうのがあって。結果的に5ヶ月で復帰したけど、1年くらい一人でやっても良かったかな(笑)。その時期を見てくださった方が“相方を待つ矢部”に好感をもってくださって、「愛を感じるコンビ」っていうアンケートで僕らが1位になったり…、ありがたいです(笑)。相方は頑張り屋で努力家だから昔から好感度は高かったけど、これでもう最強になった感じがあるので、ありがたく乗っからせていただいています(笑)。

――予定していた時間を大幅にオーバーしながら、トーク番組のように分かりやすく、笑いどころをたくさん盛り込みながら話してくれた矢部浩之。彼の思いに迫った貴重な機会となったため、その言葉を余すところなくお届けするためにインタビューを2回に分けることにする。後編は来週29日に掲載。
後編インタビューを読む>>
◆矢部浩之(やべ・ひろゆき)1971年10月23日生まれ。大阪府出身。1990年4月に高校のサッカー部の先輩・岡村隆史とナインティナインを結成。1992年「ABCお笑い新人グランプリ」、93年「上方お笑い大賞」受賞。『めちゃイケ』では進行役として番組を巧みに仕切りながら、2011年の『27時間テレビ』では100キロマラソンに挑戦し、見事に完走した。現在フジテレビ『アウト×デラックス』やテレビ朝日『やべっちFC』などに出演。

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