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内村光良インタビュー『真価が問われる?テレビとは異なる“笑い”に挑戦』

今までのテレビと舞台とは違う、映画の“笑い”への挑戦

――今回は監督3作目ですが、1作目のころとはだいぶ違いますか?
内村光良『ピーナッツ』のときは大いに悩みました。それこそ野球のユニフォームだったり帽子の色を白か黄色かで迷ったり。そういう経験を経て監督が迷ってはいけないと気づいたので、今回は即決しようって思うようになったんだと思います。

――もともと映画監督を志望していらした内村さんですが、いつ頃から映画を撮りたいと思うようになったのですか?
内村光良中1のころ、チャップリンの映画や『ロッキー』など衝撃を受けた作品がたくさんあって。そこから映画にハマっていって、次第に自分でも映画を撮りたくなって、映画監督になりたくて上京したんです。当時はまさか自分がお笑い芸人になるなんてまったく思っていませんでした(笑)。
――映画よりお笑いのほうに方向転換していったのはなぜでしょうか?
内村光良僕はずっとテレビっ子だったので、欽ちゃんやドリフのようなお笑いも好きだったんです。そういう影響もあって、いろいろな出会いのなかでお笑いの世界に入っていったんですけど、その結果お笑いがとても好きになりました。なかでもスタジオコントは本当に楽しくて、やみつきになるほど好きになりましたね。

――芸人として着実にキャリアを築き、念願の映画監督という夢も叶えたわけですね。
内村光良おかげさまで今は映画を撮れているので、幸せですしラッキーだなと思っています。テレビと舞台の笑いは今までたくさん学んできましたけど、今回は映画の笑いに挑戦することができました。映画館で大勢のお客さんを笑わせるためには、“間”のとり方がテレビとは違ってくるんです。映画は、お金を払ったお客さんが劇場で集中して観るものですし、その人たちを笑わせなきゃいけない。それに舞台のようにアドリブで対応できないので、そういった意味でも本当に苦労しました。ですが“映画の笑い”は今後も挑戦していきたいです。

僕も他の芸人もみんな次の作品を撮りたくなってしまう

――もっと映画の笑いを追求していくということでしょうか?
内村光良そうですね。映画館でお客さんが笑っているのを観るとうれしいですし、これからも撮れるチャンスがあったら映画の笑いを追求していきたいです。僕は基本的にのほほんとした映画が好きなので、お客さんにも気分よく劇場を出てもらいたいんですよね。

――今年は邦画の当たり年とも言われていますが、内村さんは最近の日本映画界に対してどんなことを思っていますか?
内村光良邦画に活気があるというのは良いことですし、僕の作品もその一角に入れたら嬉しいんですけどね。『シン・ゴジラ』はみんな口を開けて観ていましたが、そんなふうに映画の世界に没頭できて共有できるのが映画の魅力だと思います。『金メダル男』を観てたくさんの人が笑ってくれたらそんな嬉しいことはないです。

――内村さんをはじめ松本人志さんや劇団ひとりさんなど、自分で脚本を書いて監督もされているお笑い芸人さんは多いですよね。
内村光良もともと人を笑わせたい、楽しませたいというのが芸人ですから、仕事のお話をいただくタイミングとか周囲の環境もありますけど、やりたいと思う芸人は多いんじゃないですかね。映画好きも多いですし。前に劇団ひとりと話したときに「監督をやってみて、本当に楽しかった」と言っていましたが、映画が好きだからこそできるんですよね。辛いことも多いですし、自分でロケハンから撮影、編集まで全ての段階をこなすのは時間も労力もかかってとても大変なんですけど、すごく楽しい。だから僕も他の芸人もみんな次の作品を撮りたくなってしまうんだと思います。

――次の作品の構想は考えていらっしゃいますか?
内村光良ずっと『金メダル男』にかかりっきりでしたから、公開後に次の題材を見つけたいと思っています。舞台なのか映画なのかわかりませんが、断片的なネタとしては書き溜めていて、その点と点が線でうまくつながるようなストーリーを見つけたときが一番ワクワクします。ただ、まずはこの映画を成功させないと、僕が撮りたくても撮らせていただけるかわかりませんから(笑)。
(文:奥村百恵/撮り下ろし写真:片山よしお)

金メダル男

 東京オリンピックの開催に日本中が沸いていた1964年。長野県塩尻市に秋田泉一という男の子が誕生する。小学生の運動会の徒競走で1等賞に輝いたことで彼は、その幸福感にとりつかれてしまう。それをきっかけに、絵画や書道、火起こし、大声コンテスト、鱒のつかみ取りなど、ありとあらゆるジャンルで1等賞をゲットし、塩尻の金メダル男と呼ばれるようになる――。

監督・原作・脚本:内村光良
出演:内村光良 知念侑李 木村多江 ムロツヨシ 土屋太鳳
2016年10月22日(土)全国公開
(C)「金メダル男」製作委員会
【公式サイト】(外部サイト)

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