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関根勤インタビュー『わきまえているけど…夢は映画3本撮ること』

大の映画好きとして知られ、映画への造詣が深い関根勤が、満を持して初監督作『騒音』を世に放つ。芸能生活40年を過ぎて、今また未踏の地へ足を踏み入れた関根に、そこへの想い、その先に見つめるものを聞いた。「一度だけ後輩に謝ったことがある」と明かしてくれた関根の温かい視線がにじみでるロングインタビュー☆

大胆というか無茶ですよね(笑)

――初監督映画『騒音』の公開、おめでとうございます!
関根ありがとうございます。映画を撮りたいという気持ちは昔からあったんですが、それは小さな子どもが“空を飛びたい”というくらい現実味のない夢だったんです。それがひょんなことから実現に至り、僕が一番驚いているんですよ。

――最初からこの映画の設定やキャスティングなどはイメージされていたんですか?
関根いやいや、最初は思い付きから始まったんです(笑)。1年間で映画製作のノウハウを学んで、卒業制作として作品を作りましょうというCS番組『映画ちゃん』(映画チャンネルNECO)の企画がスタートでした。でも、映画製作はお金がかかるし本当に難しい。素人が作りたいと思っても、簡単にできるものではないことをわかっていたので、最終的に「やっぱり映画は撮れなかったね!」というオチで終わると思い込んでいたんですよ。なので番組の最中も「宇宙人だとお金がかかるから、穴から出てくるだけの地底人でいいんじゃない?」「地底人が地上の人に“うるさい!”ってクレームを言う話にしようか」とか適当に話していたんです。そんな僕らの話を作家さんが毎週しっかりとメモしていて、それをもとに脚本を作ってきてくれたんです。
――でも、最初から現実的なことを考えて発言していたら、きっと出てこなかった大胆な発想ですよね。
関根大胆というか、無茶ですよね(笑)。とはいえ、最終的に製作費がないということを打ち明けられ、やっぱり無理だという結果に落ち着いたんです。そのとき、実はちょっとホッとしたんですよ。だって、僕にとって映画製作は本当に大きなプロジェクト。勉強として園子温監督の『地獄でなぜ悪い』や深作欣二監督の『仁義なき戦い』を観たときに、「この人たちと同じ“映画監督”というポジションに立つなんて無理」と思いました。芸能生活は40年を超えますが、これまでにないプレッシャーがあったんですよね。そんなときに、浅井企画の社長がこの話を聞きつけて「関根君、映画撮るなら僕がお金出すよ」って言ってくださったんです。その瞬間、逃げられなくなってしまって(苦笑)!

――そんな夢のようなお話、なかなかないですよね。
関根そうなんです。奥さんにも「撮りたくても撮れない人はたくさんいるんだから、がんばりなさい」と言われて……。もうこれは撮るしかないと腹を括って撮影に挑みました。

タモリさんとさんまさんは事務所を通さず…

――今作には、タモリさんや明石家さんまさんだけでなく、ずんやキャイーン、小堺一輝さんなど関根さんにゆかりのある有名人が総出演されていますよね。
関根本当にありがたい話です。タモリさんとさんまさんに限っては、事務所を通さずに直接お願いさせていただきました。おふたりともすぐにOKしてくださったのですごく嬉しかったですね。事務所を通すと、僕の映画と言ったとたん、本人に確認する前に断られる可能性があったので先手を打ちました(笑)。

――そうだったんですね(笑)。とくにさんまさんと温水さんのシーンは印象的でした。
関根あのふたりは、10年以上前から一緒に舞台で絡んでいるんですよ。その絡みがいつもおもしろいので、いつか映像で観たいと思っていました。それが僕の映画で実現できるのはすごく嬉しかったですね。ちなみにさんまさんはこの日、1時間以上かけてひとりで車を運転して地方の撮影現場に来てくれました。着いたと思ったら、とりあえずスタッフやキャスト全員に突っ込みを入れて、メイクして着替えて、このシーンを1発撮りで終えて、50分くらいの現場滞在で帰っていきました。
――まるで台風のようですね(笑)。
関根すごかったですよ〜。さんまさんが来てくれたおかげで現場はすごく盛り上がり、志気も高まりました。このシーンはその勢いを感じてもらえると思うので、注目してもらいたいですね

――さんまさんしかり、キャストの方々は、すべて“ご本人の役”のようで、とても自然で驚きました。
関根セリフはすべてあて書きなんです。キャストの方が持つイメージや、実際に“こういう言葉を話しそう”というセリフで脚本を仕上げていったので、違和感は全くないと思います。それに、主演の温水洋一さん、村松利史さん、酒井敏也さんは舞台出身の方なので演技がすごくおもしろいんです。撮影はほとんどのシーンが一発OK。おもしろいから撮りなおす必要がまったくないんですよ。偶然にも、監督1作目にしてクリント・イーストウッドと同じ撮影方法になりました(笑)。

――(笑)撮影自体、かなり順調に進んだんですね。
関根はい。順調すぎて17時に終わった日もあるくらいでした。そのときはみんなでご飯を食べて交流を深めました。とはいえ、昔から一緒にいるメンバーばかりなんですけどね(笑)。

次作の可能性は4%くらいかな(笑)

――今作に出ている後輩もそうですが、関根さんは後輩芸人さんたちをすごく大切にしているイメージがあります。
関根僕はお笑いが大好きでこの世界に入ってきたので、同じ思いで飛び込んできた後輩たちにもお笑いの世界でがんばってほしいんです。僕も萩本欽一さんに『欽ちゃんのどこまでやるの!?』(テレビ朝日系)に引っ張ってもらって、そこからいろいろ学んで今があるので。ただ、僕は一度、後輩たちに謝ったことがあるんです。「僕は萩本さんにチャンスを与えてもらったけど、僕には萩本さんほど力がなくてすまない。みんなをもっと引き上げて切磋琢磨してもらいたいけど、それができないから……みんながんばってくれ」と。

――でも、今回の映画もそうですけど、舞台でも後輩のみなさんを起用しています。
関根そういうところで勉強してもらえればと思っていて、舞台には後輩を全員投入しています。みんなのおもしろいところは僕が一番わかっているので、それを上手く引き出せたらいいなと思っているんです。舞台でもそうですが、今回の映画であて書きしているのもそのためもあります。
――ということは、2作目でもみなさんを起用するということがあるかもしれない!?
関根あのですね……。ここは現実的な話で、これが大ヒットをしない限り2作目はないんです。なので、次作の可能性は4%くらいかな……。

――だいぶ苦い数字ですね……。
関根そこはわきまえていますから(笑)。でも、夢としては、3作は撮りたいんです。3作あれば、映画好きな人が「僕は2作目が好きだった」「この作品から急に成長した」とか、評論してくれるじゃないですか。あと、1作だと「関根勤映画祭り」とかできないですよね。なので、それを実現するためには、まず3作ないといけないので、どうしようかなと思っている最中です(笑)。

――それは楽しみですね! ジャンルはどんな映画にしましょうか。
関根そうだなぁ……。やっぱりどの作品もコメディがベースにはなりますよね。あと、SFとアクションは欠かせないかな。いや、もしかしたらドロッドロのストーカー映画になるかもしれない!

――楽しみです!
関根……その前にこの映画がヒットすればの話ですけどね(笑)。くだらなさはどの映画よりも勝っているので、ぜひ観に行ってもらえると嬉しいです。
(文:吉田可奈/写真:鈴木一なり)

騒音

 東京都S区。再開発に沸き立つ平和な街に、突如出現した謎の生物。人間の抵抗力を奪う有毒ガスを吐きながら、二足歩行で人々を襲う不気味な怪物の正体は「地底人」だった。逃げ惑う事しかできない区民たち。戦う術もなく、誰もが諦めかけたそのとき、有毒ガスへの耐性を持つ者が現れた。
 彼らはなぜか皆、家庭や職場で虐げられている「ダサくてしょぼいオヤジ」たちだった。愛する家族、愛するS区を守るため立ち上がった五人の男たち! 彼らは果たしてS区の救世主となれるのか……。

監督:関根勤
出演:温水洋一 村松利史 飯尾和樹 岩井ジョニ男 酒井敏也
2015年5月23日(土) シネマート新宿ほか全国順次公開
(C)2015 騒音組合
【予告編】【公式サイト】(外部サイト)

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