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哀川翔『Vシネの灯はけさねぇよ…“帝王”が語る Vシネ25年の歩み』

成長してないけど老化もしてない(笑)

――昔からの“戦友”たちが一堂に介したことで、同窓会的なイメージも沸いたんですよ。
哀川 同窓会って言わないでよ(笑)。通過点だから! あくまでも通過点!!

――失礼しました(笑)。でも、創成期から活躍する俳優陣が一堂に介したことで、感慨深い想いもあったと思うんです。
哀川 そうだねぇ(しみじみ)。大杉漣さんなんか、俺の主演第1作目の『ネオ チンピラ 鉄砲玉ぴゅ〜』からの付き合いだしね。その時から全然変わってないわけですよ、関係性が。

――互いに知名度が上がっても。
哀川 それって凄く素敵なことだよね。それは、寺島にしても小沢にしても、皆そうなんだよ。竹中さんにしても、昔から変わらない竹中さんの世界観を存分に出してくれていたし(笑)。小沢の、やれることは精一杯やるという気概は、同年代として心強いよね。

――変わらない部分は、作品に対する接し方や役者としての在り方なんですね?
哀川 そう! やるべきことをしっかりとやることが、キャスティングされた者の使命だからさ。そういう意味で監督、役者、スタッフ含め、同じ気概を持って臨んでいるからストレスを感じることは無かったなぁ。

――スタッフも含めて皆さん変わらないんですねぇ〜。
哀川 変わりようがないというかさ。成長もしてないけど、老化もしてないっていう(笑)。

――そうなると、どこまでイケるかが逆に楽しみという気持ちが沸きませんか? 70歳になってもド派手なアクションをこなすとか(笑)。
哀川 動物的にはとっくにマックスの状態にキテる奴が多いけどね(笑)。ただ、動物の中でも人間は賢いから、どこかで調整しているんだよね。自分でいかにバランスとっていくかが大事なんだろうね。

――でも、ラストシーンでの小沢さんとの一騎打ちのシーンは体を張った見事なアクションで、若い頃の作品とも遜色がないといいますか、変わらないといいますか(笑)。
哀川 いや、それは変わらないように見せる技術を身に着けていったという部分もあるよ。ただ、テクニックだけだとつまらない面もあるから。やっぱりバランスだよね。そういう意味でも日ごろから意識することが大事なんだろうね。

休むのは寝る時だけ 起きてる時は常にオン

――常に役者としての気持ちを忘れるなということですか?
哀川 とにかく現場を多くこなすと、日常生活も現場の一部になるんだよね。プライベートでもその意識を持っていれば、いつ撮影に入ってもすぐに馴染める。

――それって、“常在戦場”という感じですよね。
哀川 アハハハハ! まぁ、そこまで常に気を張る必要はないけどね(笑)。ただ、休むのは寝る時だけくらいに考えておいた方がいいよね(キッパリ)。

――やっぱり常在戦場です(笑)。
哀川 そう? オンとオフをそんなに切り替える必要はないんだよ。起きてる時はオン! 寝るときはオフ! 分かりやすいでしょ?

――確かに(笑)。哀川さんの主演第一作『ネオ チンピラ 鉄砲玉ぴゅ〜』を監督された高橋伴明さんは「今、六本木で一番元気な奴は誰だ?」と探してた際に哀川さんがお眼鏡に適ったそうですね。
哀川 懐かしいねぇ〜。まぁ、その時は元気だったんだよ、無条件でね(笑)。

――無条件で(笑)。
哀川 そうだよ! 元気ってさ、自分で意識的にその方向に持っていかないと醸しだせないもんだよね。ただ、20代までは、もう起きているだけで元気(笑)。子どもがよく落ち着きがないって言われるけど、元気な証拠なんだよ。落ち着きのある子どもなんて怖いでしょ?

――そうですね。達観してたら嫌ですね(笑)。
哀川 でしょ? これは子どもの話だけじゃなくて、大人だって変に落ち着いちゃいけないんだよ。落ち着きのない大人でいた方が健康的だし、健全に物事を考えられるんじゃないかなって思うよ。

――常に落ち着きなく元気であるべきだと。
哀川 そうあるべきで、そこは意識的に考えてもいいと思う。やっぱり落ち着いちゃったらどんどん老け込んじゃうよ。高橋さんも多分、「あ、コイツは落ち着きがねぇな」って思ってくれたんだと思うよ(笑)。そこが新しい形のチンピラ像と重なったんじゃないかなぁ。

――哀川さん自身、若い頃は“大人になること”に対して意識的に抗ってきたんですか?
哀川 うーん、意識的だったかなぁ。とにかく俺の中で、大人ぶった瞬間に「ヤバい!」って警報が出るから。そう考えただけで老け込むぞって(笑)。

――実感なんてしようものなら(笑)。
哀川 そうだよ! 実感なんてするもんじゃないよ(笑)。

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