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若松孝二監督、レバノン拘束の顛末を報告「映画を安くあげようと…」

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 第19回日本映画プロフェッショナル大賞(日プロ大賞)の授賞式が15日、東京・池袋の新文芸坐で開催され、『2000年代邦画ベスト5』の1位に選ばれた『EUREKA(ユリイカ)』の青山真治監督と、2位『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』の若松孝二監督がトークショーに参加した。若松監督は、4月末にレバノンのルミエ刑務所に一時拘束されたことを聞かれると、「映画を安くあげようと思ってやっているだけ」と集まった映画ファンを前に、事の顛末を説明した。

 トークショーの司会は、日プロ大賞主宰者であり若松監督とは旧知の大高宏雄氏。若松監督といえば、新作『キャタピラー』(8月15日公開)での、主演・寺島しのぶのベルリン国際映画祭最優秀女優賞の受賞が大きな話題になっていたが、この日のトークショーでは、大高氏からいきなりレバノンでの拘束についての質問が飛んだ。会場がわくなか、若松監督は「いきなり?」と返しつつも、「撮影をしたのは、元赤軍の5人のうちの岡本公三君が収容されていた刑務所。その実景だけ撮っておけば、いつかその映画を作りたくなったときに使えるなと。刑務所のなかのシーンはセットで組んで、人物は日本に強制送還されている本物がいるからなんとかなるし。安くあげようと思ってやっているだけですよ。大した意味はない」と答えた。

 さらに大高氏が歯に衣着せぬ物言いで「RED ARMYのTシャツを着ていたそうだが、それが(拘束の)原因では?」と問いただすと、「刑務所のなかに連れていかれて、8時間ばかりいろいろ聞かれたけど、言葉がわからなかったから。僕はちょこちょこやられているので慣れっこ。殺されるわけじゃないし。(現地の)映画祭に迷惑をかけちゃいけないとは思いましたけど」と笑顔もみせながら語った。

 その後、「いまの日本の戦争映画はおもしろくない」という観客の意見にも耳を傾け、日本の映画製作や映画料金の現状についても短い時間のなかで持論を語った。監督業だけでなく、映画プロデューサーとして製作のすべてを手がける若松監督の言葉からは、独立系で映画を作り続けていくことの厳しさも垣間見える。そんな若松監督に対して青山監督は「映画監督、プロデューサーとして、若松さんみたいに行動したいと思っているところ。猪突猛進の撮り方に感化されながら、七転八倒しています」。この日の日プロ大賞出席のため、開催中の第63回カンヌ国際映画祭への参加を遅らせていた青山監督は、16日より渡仏。プロデューサーとして同映画祭の企画マーケットに企画を提出し、世界から出資を募る予定という。

 この日の日プロ大賞イベントでは、2009年度(第19回)個人賞の発表と賞状の授与が行われ、主演男優賞の菅田俊(『ポチの告白』)、監督賞の細田守(『サマーウォーズ』)、新人監督賞と作品賞の鈴木卓爾(『私は猫ストーカー』)、新人奨励賞の満島ひかり(『プライド』)と町田マリー(『美代子阿佐ヶ谷気分』)が登壇。欠席した主演女優賞のぺ・ドゥナ(『空気人形』)からはコメントが寄せられた。また、日本テレビの奥田誠治プロデューサー(『サマーウォーズ』)、アスミック エース エンタテインメントの豊島雅郎社長(『空気人形』)も授賞式に参加。是枝裕和(『空気人形』)もコメントを寄せた。



関連写真

  • 第19回日本映画プロフェッショナル大賞授賞式に出席した若松孝二監督 (C)ORICON DD inc. 
  • 第19回日本映画プロフェッショナル大賞授賞式に出席した青山真治監督 (C)ORICON DD inc. 
  • 第19回日本映画プロフェッショナル大賞授賞式に出席した(後列左から)大高宏雄氏、田口プロデューサー(アスミック エース)、細田守監督、青山真治監督、鈴木卓爾監督、(前列右から)町田マリー、若松孝二監督、満島ひかり、菅田俊 (C)ORICON DD inc. 

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