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美術館で、映画館でカラヴァッジョがブーム 400年後の現代人を魅了する異端児の魅力

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映画『カラヴァッジョ 天才画家の光と影』より (C)2007 RAI PICTION TITANIA PRODUCTION INSTITUTE DEL CINEMA CATALA EOS ENTERTAINMENT GFM PRODUCTIONS

美術館で、映画館でカラヴァッジョがブーム
400年後の現代人を魅了する異端児の魅力


公開中の映画『カラヴァッジョ 天才画家の光と影』(C)2007 RAI PICTION TITANIA PRODUCTION INSTITUTE DEL CINEMA CATALA EOS ENTERTAINMENT GFM PRODUCTIONS 

公開中の映画『カラヴァッジョ 天才画家の光と影』(C)2007 RAI PICTION TITANIA PRODUCTION INSTITUTE DEL CINEMA CATALA EOS ENTERTAINMENT GFM PRODUCTIONS 

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 2010年はイタリアが誇るバロック画家の先駆者・カラヴァッジョ(1571-1610)の没後400年にあたる。図らずも、日本では昨年秋から12月27日まで京都国立近代美術館で、1月16日からは上野の東京都美術館で、カラヴァッジョ最晩年の傑作<洗礼者ヨハネ>を本邦初公開する『ボルゲーゼ美術館展』が開催中(4月4日まで)。13日(土)からは38歳という若さで亡くなったカラヴァッジョの数奇な人生を映画化した『カラヴァッジョ 天才画家の光と影』の公開も始まった。にわかに、注目を集めるカラヴァッジョ。その魅力として、400年もの間、語り継がれてきたのはその“異端児”ぶりだ。


 “異端児”とは「正統から外れ、特異な存在としてみられる人(=アウトロー)」のことだが、凡人は異端児に対して一種の畏れを感じる一方、強い憧れをもつことが往々にしてある。見方を変えれば、「既成の枠にとらわれない、独自路線を突き進む人(=イノベーター)」と捉えることができるからだ。


 カラヴァッジョはルネサンス文化が終焉した時代に生まれ、徹底した写実描写で絵画革命を巻き起こした画家。誰をモデルにして描いたか、一目見てわかるようなリアリティを宗教画に持ち込み、しかもそのモデルが娼婦だったり、卑しい身分の少年だったりしたために、「不謹慎」と当時の“正統派”からは異端視されたが、新たな表現形式として“不謹慎”な絵画に魅了される人も少なくなかった。


 ボルゲーゼ美術館のコレクションを築いた枢機卿シピオーネ・ボルゲーゼもその1人で、カラヴァッジョのパトロンとして知られる。光と影の激しいコントラストによって鮮烈に描いたその画風は、同時代だけでなく、後に続いたフェルメールやレンブラント、スペインのベラスケスらに多大な影響を及ぼした。彼がいなければ、時代が下った19世紀のゴッホやルソーなども出現しなかったとまで言われるほど、影響力を持った“イノベーター(革新者)”だったのだ。


 若くして天才的な才能を開花させたカラヴァッジョだったが、素行はかなりの問題児でもあった。気性が激しく、喧嘩が絶えない日常。挙げ句、口論の末に殺人を犯し、逃避行に身を費やして、38歳という若さでこの世を去る。作品だけでなく、カラヴァッジョ自身の中にも光と影の激しいコントラストがあった。


 東京都美術館で学芸員を務める中原淳行さんはそんなカラヴァッジョの魅力を、「自分の才能を持て余して、破綻した人生を送る人の話は珍しくないが、カラヴァッジョは別格」と言い切る。イノベーターで、アウトロー、しかも400年経っても彼の存在感=作品は色あせない。「画風は真似できても、カラヴァッジョのように既成概念をガラリと変えられるほどのビジョンを持って、かつ表現できる才能に恵まれる人はそう簡単には出現しない。人間とは不思議なもので、いつの時代も“異端児”を求めているからこそ、カラヴァッジョの人気は今も続いているのではないか。ぜひ、本物を見てほしい」と話した。



カラヴァッジョ(本名:ミケランジェロ・メリージ)《洗礼者ヨハネ》1609-1610年/ ボルゲーゼ美術館蔵

『ボルゲーゼ美術館展』
イタリア・ローマ市北東部の広大なボルゲーゼ公園に位置するボルゲーゼ美術館。名門貴族であった17世紀を代表する大パトロン、ボルゲーゼ家の枢機卿シピオーネ・ボルゲーゼ(1576-1633)が収集したコレクションを基礎としたボルゲーゼ家歴代のコレクションを日本でまとめて紹介。15世紀から17世紀にかけて花開いたイタリア美術の流れを、ラファエロの『一角獣を抱く貴婦人』をハイライトに、カラヴァッジョの最晩年の傑作<洗礼者ヨハネ>など日本初公開作品を含めた約50点の名品を展示する。

会場:東京都美術館(東京都台東区上野公園8 -36)
会期:2010年1月16日(土)〜4月4日(日)
休室日:月曜休室※ただし3月22日(月・祝)は開室、23日(火)は休室。
開室時間:午前9時〜午後5時(入室は午後4時30分まで)
観覧料:一般1400円

公式サイト
*東京都美術館は、大規模改修のため、4月5日(月)から約2年間休館、平成24年度にリニューアル開館予定。
映画『カラヴァッジョ 天才画家の光と影』

 かつてイタリアリラの最も高額な10万リラ札の肖像を飾り、今も不朽の巨匠としてイタリアを越えて美術史にその名を刻むカラヴァッジョ。ひとりの天才画家の人生を通して、聖と俗、罪と赦し、愛と憎しみ、情熱と冷静、栄光と破滅を鮮烈に描いた超大作。

監督:アンジェロ・ロンゴーニ
撮影監督:ヴィットリオ・ストラーロ
主演:アレッツォ・ボーニ
製作:2007年・イタリア
配給:東京テアトル
公式サイト
2月13日より東京・銀座テアトルシネマほか全国順次公開

(C) 2007 RAI PICTION TITANIA PRODUCTION INSTITUTE DEL CINEMA CATALA EOS ENTERTAINMENT GFM PRODUCTIONS
 

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  • カラヴァッジョ(本名:ミケランジェロ・メリージ)《洗礼者ヨハネ》1609-1610年/ ボルゲーゼ美術館蔵 
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