俳優の唐田えりか主演、芋生悠共演の映画『朝がくるとむなしくなる』が12月1日より東京・渋谷シネクイントほか全国で順次公開されることが決定した。実生活でも10代の頃からの友人であり、共演は初めてとなる唐田と芋生。俳優同士の信頼関係をベースにした親密さがうかがえる予告編や場面写真、唐田、芋生、監督・脚本を務めた石橋夕帆のコメントが公開された。

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　本作は、「MOOSIC LAB 2018」長編部門作品として制作された初長編『左様なら』が全国20館以上で公開され、ドラマや舞台、ミュージックビデオなどへ活躍の場を広げる石橋監督の長編2作目。「ふたりの信頼関係をベースにきっと素敵な作品を作れるだろうと思いました」と石橋監督が当て書きした主人公・希を唐田。希を優しく受け止める中学時代のクラスメイト・加奈子役を芋生が演じる。

　「たとえわたし一人いなくたって、世界は回っていく」と人生にあきらめを感じている一人の女性が、疎遠になっていた元同級生との再会をきっかけに、自分らしさを取り戻していく再生の物語。

　24歳、会社を辞め、コンビニでアルバイトとして働く希。バイト先でもなかなかなじめず、現状を親にも伝えられないまま、日々、肩身の狭い思いをしていた。そんなある日、中学時代のクラスメイト・加奈子がバイト先にやって来る。最初はぎこちなく振る舞う希であったが、何度か顔をあわせるうちに加奈子と距離を縮めていく。この偶然の再会をきっかけに、希の日常が少しずつ動き出していく――。

　働くこと、学校へ行くこと、生活していくこと。日々心を消耗して生きる私たちにそっと寄り添い、日常の中で積み重なる小さな幸せと、大人になってから少しずつ育まれる友情に、静かに胸を打たれる感動作だ。

　予告編は、主人公・希（唐田）が起きぬけにカーテンを開けようとしたところ、カーテンレールが壊れてしまうシーンから始まる。続く、コンビニでの慣れない接客業に戸惑い、店長からの急なシフト変更のお願いを苦笑いで受け入れる姿から、希が肩身の狭い日々を過ごしていることが伺える。

　そんな中、「飯塚さん？」と声をかけられた希。振り向くと中学時代のクラスメイト加奈子（芋生）が立っていた。この偶然の再会を機に、ボウリングや居酒屋での楽しいひと時を過ごし、友情を育む2人。ニュースクール・ポップバンド、ステエションズが本作のために書き下ろした主題歌「PHEW」に乗せて、何も起こらなかった希の日常が、少しずつ動き出す様子が映し出されていく。

　「第71回カンヌ国際映画祭」コンペティション部門に出品された濱口竜介監督の『寝ても覚めても』（18年）で脚光を浴び、『の方へ、流れる』（22年）、『死体の人』（23年）と主演・ヒロイン作が続く唐田が、人生を模索する等身大の女性を体現し、新たな境地を切り拓く。

　本作は、「第18回大阪アジアン映画祭」インディ・フォーラム部門で「JAPAN CUTS AWARD」を受賞。北米最大の日本映画祭「第16回JAPAN CUTS」に正式出品、さらに「第24回TAMA NEW WAVE」ある視点部門にも選出されている。

■唐田えりかのコメント

どうしたって朝はやってきてしまうし、朝はやってきてくれる。
心は日々、移り動かされるもの。
そっと背中を押してくださった石橋監督。
そして大好きな芋ちゃんと共演できた時間は、宝物になりました。
この映画が羽ばたく先に、どなたかの救いになりますように。

■芋生悠のコメント

特別な思い出になった『左様なら』から、
再び石橋監督と忘れられない時間を共にしました。
友達との再会。
大好きなあのセリフ。
時にはおかしくて堪らなかったり。
感じたままに綴じ込めました。
何でもない自分が少し愛おしくなる映画です。
多くの方々に届きますように。

■石橋夕帆（監督・脚本）のコメント

唐田さんと映画を作るならどんなお話がいいだろう、と考えたとき
自然とこの物語が浮かんできました。
そしてそこに芋生さんがいてくれたら、
ふたりの信頼関係をベースにきっと素敵な作品を作れるだろうと思いました。

学校に行って、会社に行って、あるいは家事や育児、介護をして。
“頑張る”を積み重ねていく事は、決して当たり前の事ではありません。
自分でも気がつかない内に心はどんどんすり減っていって
毎日当たり前のように朝がくるたび、小さな絶望を繰り返す。

それでも、誰かが「大丈夫だよ」って寄り添ってくれたら
それだけで何とか生きていけるような気がしたり、こんな自分も悪くないんじゃないかと思えたりする。

いまより少しだけ、いい明日がくる事を期待できるような
そんな作品になっていましたら幸いです。

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