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【アミューズ×ビームス】バックボーン異なる2社が仕掛ける『FUJI GATEWAY』 エンタメとコラボの力を生かした新しい地域活性

 世界遺産・富士山麓のアクティビティや大自然を満喫するための体験型アドベンチャー施設『FUJI GATEWAY(フジゲートウェイ)』が、4月29日にプレオープンした。同施設を手掛けたのが、大手芸能事務所のアミューズと、セレクトショップのビームス、富士観光開発。日本の総合エンターテインメント企業を代表するアミューズが、地域総合プロデュース事業を展開する目的とは? 同社アドベンジャー事業部 内藤裕志氏と、ビームス クリエイティブの宣伝販促部 稲垣文彦氏による対談を敢行。都市中心型となり地方の活気が失われていく日本において、その改善の第一歩となる取り組みだということが見えてきた。

体験型アドベンチャー施設『FUJI GATEWAY(フジゲートウェイ)』

体験型アドベンチャー施設『FUJI GATEWAY(フジゲートウェイ)』

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■老舗マネジメント会社の真骨頂 対象がタレントから“地域”に

(写真左より)話を聞いたアミューズ 内藤裕志氏とビームスの稲垣文彦氏

(写真左より)話を聞いたアミューズ 内藤裕志氏とビームスの稲垣文彦氏

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――昨年7月に山梨県・西湖へアミューズ本社を移転したニュースは大きな話題となりました。拠点を移してからしばらく経ちましたが、反響はいかがでしょうか。

【内藤裕志】弊社は創業から45年間、東京を拠点に芸能やエンターテインメント、ヒトやモノをプロデュースさせていただきました。本社が移転となった際には、様々な声があったかもしれません。社内の人間としても、会社が次のステージへ向かおうとする中で、自然環境でもう一度、人間の五感を研ぎ澄ませる環境に身を置こう・向き合おうというメッセージとともに、本社の移転を決定をしたことには驚きました。今では周りの方々からも徐々に「期待」をいただいているのを感じています。

――ビームスさんとしてはどうご覧になっていましたか?

【稲垣文彦】アーティストマネジメントのイメージが強いアミューズさんが山梨に移転されるということについて、最初は「なぜだろう」と思いました。と同時に、「本気なんだな」とも感じました。本社をまるごと移転するということは、本当にその地で面白いことをしようとしている「覚悟」と、その街にある様々な素材や魅力への「期待感」をお持ちなのだろうと。弊社としても、この場所にすごく楽しい“何か”があるんじゃないかと期待感につられました。

──『FUJI GATEWAY』プロジェクトが立ち上がった経緯は?

【内藤裕志】実は水面下では2021年頃から動いていたんです。弊社では、今までアーティストやアスリートといった「ヒト」、ライブやスポーツイベントなど「体験」をプロデュースしてきました。山梨で活動する際、「アミューズが」というよりは、自然環境はもちろん、地域の皆様や事業者が、今までの我々でいう「ヒト」や「体験」であって、その地域と一緒に連携して活動していくことが我々の真骨頂だと思っています。

──最初にどのようなところからスタートしたのでしょうか。

【内藤裕志】富士観光開発さんと2022年の夏から試運転的にキャンプコンテンツやアドベンチャーと教育を掛け合わせたプログラムを実施してみました。それがベースとなり、富士観光開発さんが約55年間運営されている「富士すばるランド」を、ともに今の時代に合ったものにできないかと考えました。それに並行してビームスさんともいろいろな出会いがありまして…。

【稲垣文彦】アミューズさんから「富士すばるランド」をご紹介いただいた時に、ものすごく潜在価値がある場だよねと盛り上がりました。この場で何ができるのか、何をすると楽しめるのか、何度も足を運びお互いに空想論を重ねました。それを膨らませたのが2022年の7月に開催した『JOYNT MARKET』という野外マーケットイベントです。2日間のイベントでしたが、お互いにコミュニケーションをとるなかで、共感する部分もたくさんありました。

――例えばどんなところですか。

【稲垣文彦】弊社は「happy life solution company」を理念して掲げていて。世の中の人々のライフスタイルをハッピーにさせたいという願いがあります。弊社が提案するモノ・コト・ヒトによって暮らしが豊かになることを目指しています。アミューズさんも、テレビやライブを通して世の中の方を幸せにする。音楽やドラマで何かしらのハッピーを届ける。対象となるものは違えど、考え方は一緒だと思いました。その2社が山梨の土地で同じことを取り組んだ際にどんな掛け算がうまれるのか、そう感じました。

■山梨の「たのしいをぜんぶ」施設名“FUJI GATEWAY”に込めた意味

『FUJI GATEWAY(フジゲートウェイ)』では自然を生かした様々なアクティビティが体験できる

『FUJI GATEWAY(フジゲートウェイ)』では自然を生かした様々なアクティビティが体験できる

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──それぞれの対話を具体化したものが『FUJI GATEWAY』につながるわけですね。

【内藤裕志】55年前に山梨の自然が体験できて、富士山や富士五湖など遊びに行く拠点・玄関口として「富士すばるランド」が誕生しました。『FUJI GATEWAY』は山梨の「たのしいをぜんぶ」をコンセプトにしています。外遊びにおける一つの「ハブ」を作りたいと思っていて、富士北麓エリアにある「良いもの」の点と点をつないで「線」で結びたい。「GATEWAY」という言葉を使っているのもそこなんです。富士北麓エリアの外遊びや自然環境、地域の商材などを楽しめる一つのきっかけ、入り口として皆様にきてほしいなと思っています。

【稲垣文彦】ここに来ることで「楽しい」や「好き」を見つけてほしいという思いもあります。大人も子どもも関係なく、ここでコンテンツを体験して“気づき”を感じてもらいたいです。行楽シーズンに向けて、いろいろなイベントを仕掛けていく予定です。

――それぞれが『FUJI GATEWAY』で生かしている強みはどこだと思われますか。

【稲垣文彦】弊社はセレクトショップとしてスタートし、バイヤーが国内外のいいものを目利きしセレクトしてきたので、「編集力」だと思っています。もう一つは、他起業とのコラボレーション。コラボ商品開発だけでは留まらない+αの掛け算は得意だと思っておりますので、『FUJI GATEWAY』でもそこに合うモノをセレクトや編集したり、地域の事業者さんに合ったお客様を引き合わせたり…そういったことが出来るのが持ち味だと思っています。

【内藤裕志】弊社では創業から45年間、エンタテインメントやスポーツ産業の中で「見つける」「育む」「届ける」と3つのことを行なってきました。その対象が山梨の自然環境や事業者さんや職人さん、飲食店になり、我々なりの「プロデュース」で参画させていただいて、今までの価値を尊重しながら、新たなターゲットに発信していくこと。それが、これまでアーティストやアスリートに寄り添ってきたプロデュース会社としての役割になっていると思っています。

『FUJI GATEWAY(フジゲートウェイ)』では自然を生かした様々なアクティビティが体験できる

『FUJI GATEWAY(フジゲートウェイ)』では自然を生かした様々なアクティビティが体験できる

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――4月29日にプレオープンされましたが、いかがでしたか。

【稲垣文彦】実際にすべてのコンテンツを試してみました。おすすめは、自転車と徒歩で参加できるアクティビティツアーです。その日の天候や参加されるお客様に合わせてコーディネートされているんですね。今日は暗いから明るい自然の方へ行こうとか、お子様が多い場合は歩きやすい道へ行ってみるとか…まるで音楽の指揮者のようでした。自然とエンタメの掛け合わせってこういうことかと実感しましたね。弊社でも専用のレンタルウェアをセレクトしていて、それに着替えることで童心に帰るきっかけになります。キャンプもそうですが、面白さに気づく“仕掛け”は随所に隠れています。

【内藤裕志】弊社としても、エンタメ企業ならではの「自然の中での時間の過ごし方」をポイントにしています。アクティビティツアーであれば“ライブ感”。例えば、ライブを東京ドームでやりますとなった時に、お客様は駅を出てワクワクしながらゲートへ向かいます。そこには物販がありいろいろグッズを買い、ライブTシャツに着替えて会場へ。コンサートが始まるまでドキドキして、ちょっと音が鳴るだけで「おー!」ってなるじゃないですか。いざライブが始まってもセットリストによって抑揚がある。アンコールも終わって帰る際にも「このアーティスト良かったね、また来ようね」というような一体感が生まれる。そういった仕掛けをツアープログラムの中にも取り入れていて、お客様にもそれは感じていただけているのではないかと思います。

――逆に、苦労されたことはありましたか?

【内藤裕志】やはり地元の方からすると、東京から山梨に何をしに来たんだろう、何をされるんだろうという懸念を持つ方はとても多かったです。意図が伝わりづらかったり、疑問を与えてしまいかねない。ですが、そこは富士山麓に点在する良質なコンテンツやスポットの「点」であったものを線でつないで「面」にしたい。そして、それぞれをつなげることで活性化し、面でにぎわいを作りたい。…そういったお話を日々させていただきました。その主役は、アーティストでもアスリートでもなく、地域の事業者さんや皆さんなんです、一緒に歩んでいきましょうと呼びかけ続けています。

【稲垣文彦】我々も参入した時は、どうしてもアパレルブランドという印象が強かったようです。「おしゃれにしてくれるんでしょ」という期待値が強い。それはそれでありがたいことですが、コラボなどの企画力、プロモーションやクリエイティブ力も強みではありますので、洋服のイメージにとらわれず、企画のおもしろさやデザインを、きちんとお客様の期待に応えるようにしていかなければと思っております。

アドベンチャー施設『FUJI GATEWAY(フジゲートウェイ)』

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――こうした取り組みは地域活性のモデルケースになると思うのですが、いかがお考えでしょうか。

【内藤裕志】確かに、様々な地方で労働力や生産力を含め、過疎化が進んでいます。そこで我々が何ができるかを考えた時、“地域とともに、付加価値”をいかに創っていくかが重要だと考えます。既存のものに“付加価値”を与え、首都圏からのお客様だけではなく、インバウンドや越境しながら商材を展開することで経済循環が加速するかもしれない。中長期的には、他の地域のみなさんとも新たなプロジェクトを進めていきたい。そのビジョンのために、まずこの山梨でしっかりと形を作らなければならないと思っています。

――最後に、グランドオープンに向けてメッセージをお願いします。

【稲垣文彦】『FUJI GATEWAY』は都心から車で1時間半と意外と近いんです。まだ発展段階ではありますが、富士山は飲食、観光、レジャースポットもたくさんあり、そこに地域の事業者さんたちが“主役”として様々なものを設けてお待ちしています。ぜひ一度来ていただき、山梨の魅力に触れていただきたいです。

【内藤裕志】そして日本全体をエンタメの力で元気にしていくことができたらうれしく思います。

(取材・文/衣輪晋一)

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  • さまざまな形式でのキャンプも楽しめる『FUJI GATEWAY(フジゲートウェイ)』
  • 『FUJI GATEWAY(フジゲートウェイ)』では大人も楽しめるアクティビティが充実
  • 『FUJI GATEWAY(フジゲートウェイ)』内の施設
  • 『FUJI GATEWAY(フジゲートウェイ)』内の施設
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