フランスで16日から27日にかけて開催された「第76回カンヌ国際映画祭」で、コンペティション部門に出品された是枝裕和監督の映画『怪物(インターナショナルタイトル:MONSTER)』(6月2日公開)が見事、脚本賞を受賞した。授賞式後の記者会見の一問一答が到着。一足先に帰国していた、脚本を担当した坂元裕二に報告した返事を受けて、是枝監督も「感無量です」とコメント。「この作品にとって本当にふさわしい評価」と、受賞を喜んだ。
Q:脚本賞を受賞して
【是枝】坂元さんに代わってここに座っておりますが、いま東京にいる坂元さんにも連絡をとって、本当に喜んでおられました。 この作品にとって本当にふさわしい評価だなという風に自分では考えております。ありがとうございました。
Q:子どもたちを撮るにあたって、特別なリサーチはしましたか? またどのようにアプローチしましたか?
【是枝】そうですね。自分で書く場合も、今回の場合も同じなんですけど、学校の関係者の方に取材をすることはもちろんしますし、今回でいうとプロットを読ませていただいた時に、子どもたちが抱えている葛藤とどう向き合うか考えて、LGBTQの子どもたちのケアをしている団体の方に脚本を読んでいただいて、現場に来ていただいて、子どもたちと一緒に ディスカッションを重ねながら、役をどういう風に作っていくかということを僕らも学びました。そういったプロセスが今回はとても大事だったと思っています。
Q:カンヌはじめ映画祭に参加して得るものとは?
【是枝】直接観てくださった方たちから、特にこの映画祭だと、街中で声をかけられたり、 直接感想が届けられたりすることが頻繁にあるので、まずそれが素晴らしいと思います。そのことによって、どのくらい自分の作品が、国や文化や言語をこえて 届いているのか、届いていないのか、ということの確認ができますし、 それ
が、映画祭に来るひとつの意味でもあります。
Q:届いているかどうか心配している部分があるのか?
【是枝】ちゃんと届くかどうか、自分が表現したと思っているものが、本当に表現できているかどうかというのは、国内外にかかわらず、疑って見ていますので、そこは観客だけではなくスタッフ間でも確認し合いながら、これが本当に正しい選択なのかというのをチェックしているつもりです。完璧ではないと思いますが。
Q:今回、脚本を自分で書かなかったことについて
【是枝】いつもは脚本を書き、撮影し、編集もしてということで、色濃くある種の自分らしさが出ることのメリットとデメリットも感じていて、今回のように脚本家と、2人のプロデューサー(川村元気、山田兼司)と一緒に、4年近くかけて脚本を練って、意見交換をして、坂元さんにリライトをしてもらい、また2ヶ月後に集まって意見交換をしてということをクランクインまで、ちょうどコロナの時期だったので、コロナを挟んでかなり綿密にできたんです。そのことによって普段以上に、脚本のスキがなくなったのではないかとい風に自分では感じてました。
Q:坂元さんのリアクションは?
【是枝】受賞の瞬 間はどうやら坂元さんは寝てたよう(授賞式開始は日本時間で28日午前3時半)なのですが、連絡がついてすぐメールが来まして、「『怪物』チームの一人としてうれしいです。感謝します。この脚本はたった一人の孤独な人のために書きました。それが評価されて感無量です」という言葉が届いています。僕も感無量です。(了)
なお、『怪物』は、主要部門の授賞式に先立って発表された独立賞の1つで、LGBTやクィアを扱った映画に与えられる「クィア・パルム賞」も受賞。日本映画としては初の受賞となった。
カンヌ国際映画祭において日本映画の脚本賞の受賞は、2021年の「第74回」で濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が受賞して以来2年ぶり。是枝監督作品のカンヌ映画祭でのコンペ部門での受賞は、昨年の『ベイビー・ブローカー』に続き2年連続。04年『誰も知らない』では主演を務めた柳楽優弥が最優秀男優賞を受賞、13年『そして父になる』では審査員賞、『万引き家族』では最高賞であるパルム・ドールを受賞している。
なお、今回のカンヌ国際映画祭では、日本で生まれた企画をヴィム・ヴェンダース監督が映画化した『PERFECT DAYS』で、日常の楽しみを満喫するトイレの清掃員・平山を演じた役所広司が最優秀男優賞を受賞。最高賞のパルム・ドールは、ジュスティーヌ・トリエ監督の『アナトミー・オブ・ア・フォール』が受賞した。
Q:脚本賞を受賞して
【是枝】坂元さんに代わってここに座っておりますが、いま東京にいる坂元さんにも連絡をとって、本当に喜んでおられました。 この作品にとって本当にふさわしい評価だなという風に自分では考えております。ありがとうございました。
Q:子どもたちを撮るにあたって、特別なリサーチはしましたか? またどのようにアプローチしましたか?
【是枝】そうですね。自分で書く場合も、今回の場合も同じなんですけど、学校の関係者の方に取材をすることはもちろんしますし、今回でいうとプロットを読ませていただいた時に、子どもたちが抱えている葛藤とどう向き合うか考えて、LGBTQの子どもたちのケアをしている団体の方に脚本を読んでいただいて、現場に来ていただいて、子どもたちと一緒に ディスカッションを重ねながら、役をどういう風に作っていくかということを僕らも学びました。そういったプロセスが今回はとても大事だったと思っています。
【是枝】直接観てくださった方たちから、特にこの映画祭だと、街中で声をかけられたり、 直接感想が届けられたりすることが頻繁にあるので、まずそれが素晴らしいと思います。そのことによって、どのくらい自分の作品が、国や文化や言語をこえて 届いているのか、届いていないのか、ということの確認ができますし、 それ
が、映画祭に来るひとつの意味でもあります。
Q:届いているかどうか心配している部分があるのか?
【是枝】ちゃんと届くかどうか、自分が表現したと思っているものが、本当に表現できているかどうかというのは、国内外にかかわらず、疑って見ていますので、そこは観客だけではなくスタッフ間でも確認し合いながら、これが本当に正しい選択なのかというのをチェックしているつもりです。完璧ではないと思いますが。
Q:今回、脚本を自分で書かなかったことについて
【是枝】いつもは脚本を書き、撮影し、編集もしてということで、色濃くある種の自分らしさが出ることのメリットとデメリットも感じていて、今回のように脚本家と、2人のプロデューサー(川村元気、山田兼司)と一緒に、4年近くかけて脚本を練って、意見交換をして、坂元さんにリライトをしてもらい、また2ヶ月後に集まって意見交換をしてということをクランクインまで、ちょうどコロナの時期だったので、コロナを挟んでかなり綿密にできたんです。そのことによって普段以上に、脚本のスキがなくなったのではないかとい風に自分では感じてました。
Q:坂元さんのリアクションは?
【是枝】受賞の瞬 間はどうやら坂元さんは寝てたよう(授賞式開始は日本時間で28日午前3時半)なのですが、連絡がついてすぐメールが来まして、「『怪物』チームの一人としてうれしいです。感謝します。この脚本はたった一人の孤独な人のために書きました。それが評価されて感無量です」という言葉が届いています。僕も感無量です。(了)
なお、『怪物』は、主要部門の授賞式に先立って発表された独立賞の1つで、LGBTやクィアを扱った映画に与えられる「クィア・パルム賞」も受賞。日本映画としては初の受賞となった。
カンヌ国際映画祭において日本映画の脚本賞の受賞は、2021年の「第74回」で濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が受賞して以来2年ぶり。是枝監督作品のカンヌ映画祭でのコンペ部門での受賞は、昨年の『ベイビー・ブローカー』に続き2年連続。04年『誰も知らない』では主演を務めた柳楽優弥が最優秀男優賞を受賞、13年『そして父になる』では審査員賞、『万引き家族』では最高賞であるパルム・ドールを受賞している。
なお、今回のカンヌ国際映画祭では、日本で生まれた企画をヴィム・ヴェンダース監督が映画化した『PERFECT DAYS』で、日常の楽しみを満喫するトイレの清掃員・平山を演じた役所広司が最優秀男優賞を受賞。最高賞のパルム・ドールは、ジュスティーヌ・トリエ監督の『アナトミー・オブ・ア・フォール』が受賞した。
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2023/05/28