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観てよかった、動画配信サービス・オリジナル作品“リコメンド・アワード2022”

 2022年に動画配信サービス(VOD)で独占配信されたオリジナル作品を対象に、実際に「観てよかった!」と思った作品を編集部員が独自に選出。お正月休み中、鑑賞の手引きなれば幸いです。

Netflix映画『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』独占配信中

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■Netflix映画『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』

 児童文学の金字塔であり世界中で愛され続ける、おもちゃ職人のゼペットじいさんに作られたピノッキオという操り人形の物語を、『パシフィック・リム』『シェイプ・オブ・ウォーター』などのギレルモ・デル・トロが監督・脚本・製作を務め、新たに映像化したストップモーション長編アニメーション映画。

 静止してる物体を1コマ(1コマ=1/24秒)ずつ動かして制作されるストップモーションアニメは、とにかく手間がかかる。ギレルモ・デル・トロ監督は2011年から同プロジェクトに取り組んできたそうだ。制作に膨大な時間と努力が重ねられたことはわかりつつも、正直、ストップモーションアニメとは思えない“手作り感”とは別次元の出来栄え。

 監督は「とにかく“演技”を大切にした。そして、沈黙や(通常なら)不必要なジェスチャーをアニメーションで描いた。この世界が生きていることが、感じられると思う」と、余分な動きをあえて描いていることを明かしており、それが、キャラクターに親近感を抱かせるのかもしれない。徹底したこだわりが詰め込まれた文字通りの“渾身(こんしん)作”だ。

 何よりも人生に本当に大切なものに気付かせてくれるような、せりふの数々がちりばめられたストーリーが素晴らしい。ゼペットが愛する我が子を失った悲しみを癒すため、木で少年の人形を作り上げる、誰もがなじみのある始まりのその前に、愛する我が子を失う経緯を描いているところから、ギレルモ・デル・トロの工夫と思いが込められているように感じた。ピノッキオがこの世に居場所を求めて冒険を繰り広げる姿を通して、人生には苦難も、葛藤も、そして痛みもあること、命には必ず限りがあること、さらには「父性」というテーマも掘り下げられている。語り手となるセバスチャン・J・クリケットが「知ってる話だと思うかもしれない。でも違う」と語っているように、デル・トロ ならではの世界観に引き込まれた。

■Netflixシリーズ『ウェンズデー』

Netflixシリーズ「ウェンズデー」独占配信中

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 ティム・バートンが監督・製作総指揮を務める本作は、コミックから派生し映画・アニメ・TVドラマ・ミュージカル化もされてきた世界的人気作「アダムス・ファミリー」に登場する、長女“ウェンズデー”を主人公にした異色の推理ミステリー。

 原作の「アダムス・ファミリー」は、不幸な事や邪悪な事、忌まわしい物、不気味な物が大好きなお化け一家。その中でも、冷酷・陰湿・無口・危険・皮肉屋…と彼女を説明する表現はブラックさ満載、性格には難ありだが非常に優秀で圧倒的カリスマ性があるウェンズデーが、学生生活に奮闘しながら、自分の一族にまつわる殺人ミステリーに巻き込まれていくストーリーだ。

 観てよかったと思った理由の一つは、ウェンズデー役のジェナ・オルテガの存在。「子どもの頃、映画を見てウェンズデーと比べられた」というジョナ本人のコメントもあり、ティム・バートンも「彼女は無音映画の俳優のように言葉を使わずに伝える。ジェナがいて幸運だった。あの役は彼女しかいない」と絶賛。『第80回ゴールデングローブ賞』には、作品賞(テレビ/ミュージカル・コメディ部門)とジョナが主演女優賞にノミネートされている。

 そして、ウェンズデー役のジョナが良かったと同時に、ほかの登場人物(共演者)も“また会いたくなる”人たちばかりだったことが最大の観てよかったと思える理由になった。舞台となるのは、のけ者たちが集まるネヴァーモア学園。ファミリーの家長ゴメズ(演:ルイ
ス・ガスマン)や、魔女の家系に育った母親モーティシア(のキャサリン・ゼタ=ジョーンズ)もかつて通った。

 この学園には、「異常な才能を持つ子どもたち」が学ぶ全寮制の学校。ウェンズデーのルームメイトとなる、すべてが対照的な人狼族のイーニッド・シンクレア(演:エマ・マイヤーズ)がすごくいい。人の心を操ることが出来るセイレーン族のビアンカ・バークレー(演:ジョイ・サンデ)もウェンズデーと互角に張り合える優秀なキャラクターで良かった。

 さらに、ウェンズデーのことを気にかける男性キャラクターもすてき。疑惑の絵を描くゼイヴィア・ソープ(演:パーシー・ハインズ・ホワイト)、学園の外のコーヒーショップで働く人間のタイラー・ガルピン(演:ハンター・ドゥーハン)、ゴルゴン族のエイジャックス・ペトロポラス(演:ジョージ・ファーマー)、そして、養蜂クラブのユージーン・オティンガー(演:ムーサ・モスタファ)など。シーズン2の製作が決定していて、また彼らに会えるのが、本当に楽しみだ。

■Disney+『コネクト』

『コネクト』ディズニープラス スターにて独占配信中(C) 2022 Disney and its related entities

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 不良漫画を映画化した『クローズZERO』シリーズから、時代劇映画『十三人の刺客』、バイオレンス・ホラー『悪の教典』、アクション・スリラー『藁の楯』、さらにはガールズ×戦士シリーズまで、幅広いジャンルを手がける三池崇史が監督を務めた韓国のドラマ。

 自己治癒力を持つ新人類“コネクト”のハ・ドンス(演:チョン・ヘイン)が、自分と“目”でつながる連続殺人鬼を追うクライムSFスリラー。「ディズニー・コンテンツ・ショーケース2022」の記者会見(12月1日開催)で三池監督が「表面的にはハラハラドキドキするスリラーものですが、主人公の“人とは違う”というコンプレックスや個性のようなものから来る孤独との戦い、主人公が自分の能力を生かして前向きに生きていく姿を見せる人間ドラマという側面もあります。自分としてはそういう人間ドラマに重点を置いて撮ったつもりです」と説明していた通りの作品で、「観てよかった!」と思えた。

 「ディズニー・コンテンツ・ショーケース2022」レッドカーペット等で目にしたチョン・ヘインとは、全く別人のハ・ドンスがドラマの中にいて、韓国の俳優たちの勢いを実感できた作品。それは、サイコパスの殺人鬼を演じたコ・ギョンピョ、“コネクト”の秘密を知るミステリアスな人物イランを演じたキム・ヘジュンも同じ。全6話と比較的イッキ見しやすい点もおすすめだ。

■Netflixシリーズ『First Love 初恋』

Netflixシリーズ「First Love 初恋」独占配信中

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 1999年に発表され大ヒットした宇多田ヒカルの名曲「First Love」、その19年後に発表された「初恋」。この2つの楽曲にインスパイアされた、ラブストーリー。90年代後半と、ゼロ年代、そして現在の3つの時代を交錯させながら、一組の男女の20年余りにわたる忘れられない“初恋”を描いた物語。満島ひかりが、フライトアテンドを目指すも不慮の事故で運命に翻ろうされる野口也英。佐藤健が、航空自衛隊のパイロットになるも、現在は別の道を進む並木晴道を演じる。監督・脚本は、寒竹ゆり

 宇多田ヒカルの「First Love」が大ヒットした時をリアルタイムで知る者にとっては、自然とその当時の自分の状況や感情も蘇ってきて、居心地よかったり、悪かったり。改めて、過去の記憶を蘇らせる「音楽の力」を感じる作品だった。誰しも経験があることだろうが、若い頃、特に10代の頃に聴いていた音楽は、人生で最も記憶に残るそうだ。ちなみに、劇中に登場する、ライラックの花言葉は、「思い出」、「青春の思い出」といった意味あり、舞台となっている北海道を代表する花でもある(ヨーロッパ原産)。

 晴道が、高校卒業後、航空自衛隊に入り、パイロットになったことで、自衛隊のイラク派遣(2003年〜09年)や11年の東日本大震災についても描かれており、タクシードライバーをしている也英が新型コロナウイルスの流行にまで翻ろうされる姿が描かれ、学校の授業でもやらないような1990年以降の現代史に自然と触れているところが意外で、観てよかったと思った。

■Hulu『君と世界が終わる日に』Season3

Huluオリジナル『君と世界が終わる日にSeason3』独占配信中

Huluオリジナル『君と世界が終わる日にSeason3』独占配信中

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 ゴーレムと呼ばれるゾンビに占拠された死と隣り合わせの“終末世界”を舞台に、竹内涼真演じる主人公・間宮響が、恋人・来美(演:中条あやみ)と仲間たちが生き残りを懸けた闘いに身を投じる、極限のゾンビサバイバルドラマ。

 2021年1月に日本テレビ×Hulu共同製作ドラマとして、日本テレビ系にて放送がスタートし、これを「Season1」として、地上波放送直後の21年3月からSeason2がHuluにて独占配信された。死と隣り合わせの終末世界で、離ればなれになった響と来美は、すれ違ってばかりでなかなか再会できないうちに、22年2月よりSeason3に突入し、響と来美のラブストーリーの結末が描かれた。数々の仲間の死に加え、最愛の人・来美との別れに直面。さらには来美との間に生まれた子ども・ミライまでもが何者かに連れ去られてしまうという、ショッキングな展開が描かれた。

 そして、期待されていた通り、完結に向けたファイナル・プロジェクトが12月に発表。23年3月19日(日)に日本テレビ系日ドラ枠にて完全新作の1時間スペシャルを放送し、放送終了後からHuluでSeason4を独占配信。さらに映画化も決定している。どんなゴールを迎えるのか、その結末を見届けるべく、Season3を観ておいてよかったと思った。
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