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【まんぷく】松坂慶子、三姉妹の母親役「陰湿にならないように」

 NHKで放送中の連続テレビ小説『まんぷく』(月〜土 前8:00 総合ほか)で、ヒロイン・今井福子(安藤サクラ)の母、今井鈴を演じる松坂慶子。鈴は、非常に心配症で、娘たちの考えや行動に細かく口をはさみ、「私は武士の娘です」が口ぐせ。娘たちからは「お母さんは何か心配してなきゃ生きていけないんじゃない?」とからかわれるほど。福子と立花萬平(長谷川博己)の恋路にも壁となって立ちふさがる。この、かなりクセのある人物をどう演じているのか。

連続テレビ小説『まんぷく』ヒロイン・福子の母、今井鈴役の松坂慶子(C)NHK

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■陰湿なキャラクターにならないように

ーーご自身の役柄についての印象や、演じるうえで楽しみにしていること、役のここに注目してほしいという点など。

【松坂慶子】鈴の生まれは明治時代で、娘たちより昔気質な人です。ご先祖が武士の家系で、その教えというものを、いつも心の支えにしています。子どもが小さい頃に夫と死別しているので、女手一つで一家を支えていくというのは、経済的にはもちろん、物語の昭和初期の時代にはいろいろな面で大変なことがあったと思います。子どもたちを、そして何より自分を支えていくために、「私は武士の娘です」「あなたたちは武士の娘の娘です」と口にすることで、ずっと気を張って頑張ってきたんじゃないでしょうか。生命力があふれていて、いろいろなことがあっても切り替えが早くて、いつも前を向いて歩いていく…。そういう鈴の元気なところがすてきだなと思います。

 鈴は夫の事で苦労してきたので、娘たちには堅い仕事の人と一緒になってほしい、私のようにはなってほしくない、という思いがあります。にもかかわらず、娘たちは芸術家や発明家と結婚してしまうので、いつまでも心配してついつい口出ししてしまうんです。「“お母さん”って子どもから見ると『え〜!』と驚くような言動があるよね」と、話していますが、それはスタッフのみなさんも共通認識のようです。

 福田靖先生の台本が本当に面白くて、鈴をどう演じたらいいのかわからないこともあるんですが、リハーサルをして、本番をしていくうちに、しっくりくるんです。びっくりするような展開やせりふもありますが、いざ演じてみると、話としてスムーズに流れてきます。でも、そんなびっくりするようなせりふも、鈴の本心がそこにあるからだと思います。ちょっと憎たらしい言い方になりそうなときは、演出の方とも相談して「じだんだ踏んでるみたいな感じで」といった風に、決して陰湿なキャラクターにならないように、軌道修正したりしています。私には無い発想からくるせりふも多いので、きっと、これまであまりやったことのない役だと思います。

■娘役の3人はそれぞれにすてき

ーー収録に参加されてみて、現場の印象は?

【松坂】安藤サクラちゃんも「これから家族と一緒にいるよりも、スタジオの皆さんと一緒にいる時間のほうが多くなるので、本当の家族に会うような気持ちでやっていけたら」とおっしゃっていましたが、現場はフレンドリーで肩に力の入らない感じで、とてもまとまりのいいチームです。それは安藤サクラちゃんの人柄も影響していると思います。温かいですし、心の中が優しい人なので、そういうみんなを思いやる気持ちが、チーム全体にいい感じに伝わってまとまっているのだと思います。

 鈴の娘役の3人は、それぞれすてきな女性です。まず、長女の咲を演じられた内田有紀さんは本当に咲みたいな方で、いろいろなことに気がつき、真面目できれいな方です。次女の克子は気持ちがオープンな人なので、いろいろなことを一番鈴にはっきり言うタイプです。演じる松下奈緒ちゃんは、関西出身の人らしく、本当に嫌味のない、カラッとした方で軽やかなイメージがありすてきだと思います。

 三女・福子役の安藤サクラちゃんとは、実は彼女が10代のときに、一度お会いしたことがあります。お父様の奥田瑛二さんが監督された映画『るにん』に出演させていただきましたが、その八丈島ロケにいらしてました。当時はお嬢さんでしたが、10数年ぶりにふわっと目の前に立たれたときに、すてきな大人の女性になられていたことに驚き、ご両親は本当にいい育て方をしてこられたんだなぁ…なんて、親戚のお嬢さんを見ているような感じがしました。

 『まんぷく』でも、福ちゃんが「咲ちゃんをお嫁に行かせてあげて」「私がこれからもっとしっかりするから」っていうシーンがありますが、今までのんびりしていた末っ子が、こういう風にだんだん大人になっていくんだなって気づくシーンでもあったので、とても印象に残っています。

ーー放送を楽しみにしている視聴者の方々へのメッセージをお願いします。

【松坂】美術さんが作るセットが本当にすてきなんです。スタジオには昭和の台所や製塩工場が建てられてきましたが、どの美術もなんとも趣が感じられ、現場にいるのがとても楽しいです。昭和の趣のある古き良き懐かしい感じも、視聴者の方に楽しんでいただけたらと思います。

 また、脚本の福田先生が「“朝ドラ”はマラソンだけれども、1本1本が100メートルダッシュのように」とおっしゃっており、あの時代をみんなでたくましく前を向いて生き抜いていく、そんな生命力や元気な感じ、現場の温かくて優しい感じが、視聴者の方に伝わったらうれしいです。

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