NHKの連続テレビ小説といえば、例外はあるが女性の一代記を半年かけて描くもの。この10月から始まった『べっぴんさん』は、これまでの多くの作品が3ヶ月くらいかけて描いた幼少期から結婚、出産するまでをたった2週で描き切ってしまう展開の早さ。しかし、長い前書きだったと言えなくもない。 ヒロイン・坂東すみれ(芳根京子)が変わり果てた神戸の街を見下ろすシーンに始まり(第1回)、空襲で焼け野原になった自宅跡の瓦礫(がれき)から半分焼け焦げたウエディングドレスを見つけて涙した後、娘のさくらを何が何でも守っていこうと気持ちを奮い立たせるまで(第12回)。
2016/10/16