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元祖“愛されキャラ”、ニューロティカ・あっちゃんの映画がついに公開

 1980年代のバンドブーム真っ盛りの時期に結成し、ザ・ブルーハーツやJUN SKY WALKER(S)らとともにシーンを牽引したパンクバンド・ニューロティカ。メンバーの脱退・加入を繰り返しながら、昨年に結成30週年を迎えたことを記念し、唯一のオリジナルメンバーでボーカリストのイノウエアツシのドキュメンタリー映画『あっちゃん』が、18日より公開される。

ドキュメンタリー映画『あっちゃん』をPRするニューロティカのボーカル・あっちゃん (C)ORICON NewS inc.

ドキュメンタリー映画『あっちゃん』をPRするニューロティカのボーカル・あっちゃん (C)ORICON NewS inc.

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 ピエロ姿でステージを駆け回り、唯一無二のパフォーマンスを繰り広げるエンターテイナー。先輩からも後輩からも愛される、バンド業界きっての人格者。そして、稼業のお菓子屋「ふじや」の店長。そんな、いろんな「あっちゃん」の顔を見ることができる本作の公開を前に、主役のあっちゃんと撮影も手がけたナリオ監督がORICON STYLEのインタビューに応じた。

■歌の技術を超越したロックボーカル・あっちゃん

――あっちゃんを主人公にしたドキュメンタリー映画を制作するきっかけは?

あっちゃん:ドラムのナボちゃんが「30周年だし、50歳だし」と記念になることをしたいと提案してくれて。ライブをやってるところはお客さんに見せてきたけど、ステージを降りて普通の仕事をしているところを見せたら面白いんじゃないかって、アイデアを考えたところで、PVを撮ってもらっているナリオ君に監督をお願いしました。

ナリオ:もともとニューロティカのドキュメンタリーを撮りたいという思いは何年も前からあったので、「時は来た」という感じで喜んで引き受させていただきました。ただ、大事なのは「ニューロティカ」のドキュメンタリーではなく、30年間バンドを続けている「あっちゃん」のドキュメンタリーである、という点です。

――最近、ミュージシャンのドキュメンタリー映画は多いですが、今作はそういった映画とは描いている期間も内容も明らかに異なります。

ナリオ:対象期間が長い分、撮影も編集も大変な作業になりましたが、あっちゃんという人生とニューロティカの歴史を伝えるためには必要でした。出来上がった作品を多くの方が見て「良かった」と言ってくださるので、そういった作業も報われましたね。

――かなりプライベートなシーンも多かったですが、抵抗はなかったですか?

あっちゃん:まったくないです(笑)。自分の全部を見ていただいて参考にしてもらえればっていう気持ちで。ボク、編集には完全にノータッチでナリオくんやナボちゃんに任せてたんです。裏側ってことでいうと、完成した映画は試写会で1回しか見てなくて、緊張とか焦りとか感動の気持ちでいっぱいだったのであまり覚えてないんですけど、映画の中で何度か「歌が下手」っていう発言があったような気がして…。そんな映画、普通はないですよね(笑)。裏を返せば、歌が下手だといわれる男が30年もバンドをやれる秘密がこの映画にはある、ってことです。

ナリオ:「歌が下手」発言は印象に残ったっていう人が多いけど、もともと歌の上手さで売ってる訳じゃないからね(笑)。そういう部分を超越したところにあっちゃんとニューロティカの魅力があるから。

■ファン以外にも見てほしい、愛される秘訣の詰まった映画

――バラエティーに富んだ豪華な人たちがコメントを寄せていますね。

あっちゃん:皆さんボクのことを持ち上げ過ぎで、こそばゆいです(笑)。

ナリオ:皆さんにインタビューするとき、「あっちゃんの悪いところを話してくれ」ってお願いしたんですけど、誰に聞いてもいいエピソードばっかりになっちゃう。ジュンスカの宮田和弥さんが「あっちゃんについて、悪い感情をもったことは一度もない」とおっしゃっていて、それが皆さんの総意でもあるんです。宮藤官九郎さんも、あっちゃんにお願いされると、どんなに忙しくても「やってあげなきゃ」って気持ちになる、って語っています。

――そこまで慕われる理由について、あっちゃん自身はどう考えますか?

あっちゃん:真剣にバカをやってるところが、いいんじゃないですかね。

ナリオ:それもあると思いますが、今回いろいろと取材してみて、あっちゃんのお母さんの存在が大きいと思いました。こんな素敵な家庭で育つと、こんな愛されキャラになるんだな、と。あっちゃんの人柄に迫る上で、お母さんの存在は絶対に欠かせないですね。

――本作は、ニューロティカのファンなら絶対に見る作品ですが、宮藤官九郎さんや氣志團をきっかけにニューロティカを知った若い人にも見てもらいたい作品です。そういったファン以外の人へのオススメのポイントがあれば教えてください。

ナリオ:僕も制作中から「ファン以外の人にも届けたい」という気持ちを持っていたので、ニューロティカの曲を知らない人でも楽しめる、純粋なドキュメンタリーに仕上げたつもりです。

あっちゃん:もっと簡単に言うと、歌が下手でもロックバンドのボーカルをやりたい人、バンドを30年続けたい人、お笑い芸人と一緒にお酒を飲みたい人、宮藤官九郎さんにお願いをしたい人、有名ミュージシャンに曲を作ってもらいたい人、そういう人たちはこの映画を見てください。この映画には、その秘密のすべてが詰まっています。

◆ニューロティカ結成30周年記念ドキュメンタリー映画『あっちゃん』
4月18日〜東京・渋谷HUMAXシネマ、大阪・シネマート心斎橋
5月2日〜名古屋シネマテーク
5月9日〜福岡中洲大洋映画劇場
5月23日〜東京・ニュー八王子シネマ、
以降全国順次公開予定
http://www.acchan-movie.com

関連写真

  • ドキュメンタリー映画『あっちゃん』をPRするニューロティカのボーカル・あっちゃん (C)ORICON NewS inc.
  • (左から)ニューロティカ・あっちゃん、ナリオ監督 (C)ORICON NewS inc.
  • 映画『あっちゃん』より (C)あっちゃん製作委員会
  • 映画『あっちゃん』より (C)あっちゃん製作委員会
  • 映画『あっちゃん』より (C)あっちゃん製作委員会
  • 映画『あっちゃん』より (C)あっちゃん製作委員会

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