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【後編】西川美和、“女性監督”という肩書きは厄介「一職人でありたい」

 最新作『夢売るふたり』が公開中の女流監督・西川美和(38)が、ORICON STYLEのインタビューで作品に投影した「女性の生き方」について赤裸々に語った。是枝裕和監督に師事し、映像作家としてデビュー作『蛇イチゴ』で注目を集めた西川監督。作家としても文筆業でも健筆を振るっている。そんな“旬な”女流監督の胸の内を解き明かす。

“女流監督”という肩書きへの厄介さを明かした西川美和 (C)ORICON DD.inc

“女流監督”という肩書きへの厄介さを明かした西川美和 (C)ORICON DD.inc

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 これまで西川監督といえば作品のテーマの1つとして「嘘」があった。最新作では詐欺をフックにしながらも、描かれていくのは生々しいまでの“女”の姿である。「詐欺という嘘はあるけど、真実がどうというより、生きていく生々しさというものを観てほしいです。女って本当に複雑で面倒で、その『生きることのやっかいさ』を見せたかった」と力を込める。

 劇中、被害者を品定めする里子(松たか子)が夫(阿部サダヲ)の相手に重量挙げの選手を選ぼうとするが、躊躇する一幕がある。「アレ、あんた、大丈夫?」と夫に確認するセリフは、女性が女性を見下す残酷さを象徴する一言だ。「女を外見や持ち物で差別したり排除したりするのはむしろ女じゃないの? と思うことはよくあります。女に生まれたからこそ知りえた残酷さもちゃんと見せておきたかった。同性が同性を貶めていく、女の内側ですね」と怖い本音がポツリ。

 男社会とされる映画界で、しかも“監督”というトップとして第一線を走ってきた西川監督。そこで女性として感じた煩わしさや悔しい経験については「映画を作るという仕事は非常にシンプルです。あまりに厳しくて、実力主義だから根気と能力がないと男女関係なく生き残れない」と語気を強める。「私の先輩の女性スタッフたちが、性別を売り物にせず、自分の技術を磨いて各部署で仕事をしてきてくれたら、私がいま監督というトップの座で仕事ができるんです。『女だから』と言われずに」と感謝を述べ、「女を理由に“やりづらい”と感じたことはないですね」と言い切った。

 続けて「むしろ厄介だと感じるのは、“女性監督だ”という注目のされ方」と告白。「一職人でありたいけど、映画もビジネスである以上はそうは言ってられない。むしろ、どこかで武器にしていかないとならないのも現実でしょう。映画紹介するのに、監督の顔写真はそんなに必要? とかね(笑)。男だったらこんなことしなくていいのにな」と本音を口にする。

 心の中で折り合いをつけながら「それでも一人でも多くのお客さんに観てもらえるなら、写真ぐらいで文句言ってられません(笑)。まぁ、女に生まれたのが運のツキかな」と笑い飛ばし、「要所要所で、どこかしら女性を演じながらみんな生きているんですよね。映画作りの現場で、性別は特に問題にはならないです。大した問題ではないです」と繰り返した。

 小料理屋を営んでいた夫婦が火事によって店を焼失。再び自分たちの店を持つために、結婚詐欺で資金集めを始める二人だが、詐欺を重ねていくうちにいつしか人生の歯車が狂い始める。映画『夢売るふたり』は現在公開中。

>>【前編】西川監督が描いたいびつなヒロイン「母性と表裏一体の残酷さ」

 映画『夢売るふたり』


 松&阿部が語る夫婦愛「女性の下心は生々しい・・・」

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