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『鬼滅の刃』イベントでも活躍 着物の既成イメージと戦う気鋭デザイナー「自由に楽しんで着るべき」

“着物警察”の存在も…着物にまつわる閉塞感を打ち壊すことも活動の指針

 着物を楽しみたいという気持ちを阻むもうひとつの要因、それがちまたで騒がれる“着物警察”の存在だ。主に若者が着物を着て外出した際に、見ず知らずの年配者から呼び止められて「着物と帯が合ってない」と指摘された、ときには勝手に着付けを直されたといった“被害”に遭ったという声がSNSで多く見られる。まるで交通違反のキップを切る警察官のような振る舞いから、着物警察というネットスラングが生まれたようだ。

 キサブロー氏本人は「私自身は着物警察には会ったことがない」と言うが、その存在は認識しているという。
「やはり親切で指摘している人が多いとは思うんですが……。私の実感としては、着物業界にはそんなにかたいことを言う人は少ないです。むしろ、私の活動を応援してくれる方がほとんど。おそらく、着物の伝統文化を正しく守っていかないといけない、このままでは収縮していくばかりの着物文化をなんとかしたい、と強く思っている年配の方々なのかなと思います」
 1月28日放送のバラエティ番組『マツコの知らない世界』(TBS系)でも、着物コーディネーターの池田由紀子氏が「着物警察を恐れないで」と呼びかける一幕があった。かたや伝統を守る世界があってもいい。しかし、洋装なら自由に組み合わせていいものを、なぜ和装ではいけないのか? そうした着物にまつわる閉塞感を打ち壊すことも、キサブロー氏の活動の指針となっている。

「最近はアニメやロックバンドなどの影響で、着物と洋服をミックスして着る方も増えました。インスタでもカッコいいコーディネートをたくさん見ます。だけどまだメインストリームにはなっていない。インフルエンサー的な方が登場したら、一気に風潮も変わるような気がします。私が密かに期待しているのが、氷川きよしさん。近年は演歌とロックのボーダーを超えた活動をされていて、洋服もかなりブッ飛んだステキな着こなしをされています。だけど、着物となると、まだまだ演歌の世界観に閉じ込められているような……。着物でもぜひ“限界突破”していただきたい(笑)。そのために私がお役に立てることがあったら、こんなにうれしいことはないんですけれど」
 現在は、夏の個展に向けて新作を制作中。またNHK『LIFE!SP 忍べ!右左エ門』の衣装デザインを2年連続で手がけるなど、メジャー媒体からのオファーも相次いでいる。こうした活動はほとんどがオーダーメイドだが、今後は「それこそTシャツを買うような感覚で」、より気軽に自身の作品を届ける活動も検討しているという。ブランド立ち上げからまだ5年。日本人が長らく遠ざかっていた和装を日常に取り戻す、若き着物デザイナーの活動に期待したい。
(文/児玉澄子)
キサブロー
 創業90年の仕立て屋「岩本和裁」の4代目キサブローは、着物業界の革新的存在であった初代・岩本喜三郎の名を受け継いだ気鋭の着物デザイナー。和洋のみならず性別のボーダーを越え、全ての人々を既成概念から解放することを目標に、ありのままの自分に寄り添うアウトフィットを提案するブランド<キサブロー>を展開中。
公式サイト:http://kisaburo.xyz/(外部サイト)

提供元: コンフィデンス

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