浮気や不倫、BLまで…ペンギンたちのドロ沼恋愛 飼育スタッフによる「相関図」から見える愛憎劇
「浮気や不倫」も…奥深い生き物の世界
「きっかけは、すみだ水族館がオープンした時から働いていた私の同期が辞めることでした。同じように見えるペンギンたちにも1羽1羽個性があって、例えば、いっぱい食べても太れないとか、ちょっと食べただけでも太るとか、イワシが好きとか、アジが好きとか、季節の変わり目にナーバスになるとか、どこの場所にいるのが好きとか…。健康管理をするうえで、気を付けなければいけない点がみんな違うんですよね。そういったこれまで培った情報を、後から入ってくる飼育スタッフのために形にして残しておいたほうがいいのではないか、と考えたのが始まりでした」(高嶋さん)
「親子や兄弟のつながりだけでなく、友人や夫婦、カップルなど、ペンギンの関係性をきちんと知っていなければ、各々のペンギンとうまく付き合うことも、的確なケアもできません。それで相関図を作り始めたのですが、だんだん面白くなってきたんです(笑)。それでデザイナーさんに相談して、お客様にもわかりやすく観ていただけるよう今の形にしました」
マゼランペンギンは絆が強く、夫婦になる手前のまだ卵を産んでいないカップルの時期にも、羽づくろいをし合ったり同じ場所で寝たりという求愛行動がみられる。そして、通常は1回卵を産めばずっと夫婦でいられることがほとんどだという。
ちなみに、「ペンギン相関図」ではBLという表現も登場するが、自然界ではペンギンは同性同士一緒に生活することも多々あるのだそう。
「まだ異性へのアプローチに慣れていない若いオスが、距離のつめ方や鳴き方、羽づくろいの仕方を学ぼうとして同性と仲良くする、という説がありますね」