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Google、日産など、大企業のキーマンが語る「マーケター」の心得

 世界最大級のマーケティング会議『Global Marketer Conference』が5月17日、東京ミッドタウンHallA・Bで開催された。東京での開催は実に17年ぶり。Googleや日産、サムスン電子など、名だたる企業のマーケティングトップが登壇し、最新の事例や広告業界を取り巻く課題などについて語った。

企業と代理店との“緊密さ”はブランド価値の向上につながる

 主催は日本における唯一の広告主団体・日本アドバタイザーズ協会と、世界最大の広告主団体である世界広告主連盟。この日は、大手企業やメディア関係者を中心に世界各国から570名が来場、“参加者の声を聞く”スマホの投票アプリなども用意され、会場は終始熱気に包まれていた。

 日産自動車でグローバルマーケティング、ブランド戦略を担当しているルードゥ・ブリース氏は、広告主と広告会社とのリレーションシップの重要性について持論を展開した。

 日産では契約する代理店の職員数が、マーケティングに関わる日産職員の2倍いることを例に挙げ、その関係の緊密さを紹介。両者間のパートナーシップをより前向きに変化させることこそ、企業やブランド価値を高めることに繋がると提案した。

Googleクリエイティブラボ副社長のロバート・ウォン氏

Googleクリエイティブラボ副社長のロバート・ウォン氏

 自社や外部のテクノロジーを駆使しながらキャンペーン等を展開している、Googleクリエイティブラボ副社長のロバート・ウォン氏は、マーケティングにおけるクリエイティビティやブランディングの大切さについて、自身のエピソードを交えながら語った。

 ロバート氏がGoogleに入社した10年前、グーグルはすでに大成功をおさめている企業だったが、その当時は、同氏が得意とするクリエイティビティやブランディングといった要素が、その成功に全く関与していない状態だったという。

 その現状を打破するべく、同氏はブランディングの再考に向け動き出した。まず行ったのは、グーグルの検索機能「Googleサーチ」のCMを作ること。Googleサーチは毎年900以上の技術革新が行われているが、その凄さが世間に伝わっていないことに着目し、Googleサーチによって実現する“素晴らしい日常体験”を消費者に向けアピール。結果、そのCMは大きな反響を呼んだ。

 その後、エンジニアだけでなく芸術の学位を持った人材を積極的に採用するなど、企業の考え方を一新。今日のGoogleを見ても明らかのように、クリエイティビティは、今となってはGoogleのマーケティングにおいて中核を担う要素となっている。

世界の広告費に占めるデジタルの割合、18年はテレビを上回る予測

  • 会場に紙ひこうきが飛び交った

    会場に紙ひこうきが飛び交った

 マーケティングにおけるクリエイティビティの大切さについては、ベストセラー作家でありファウンダーのクリス・バレス・ブラウン氏も熱弁。クリエイティブな視点を持つためには「論理よりも感覚をもっと大切にすることだ」とし、講演中、来場者にその場で紙ひこうきを作り飛ばさせることで、感覚に耳を傾けることの大切さを訴えかけた。
 世界最大のテクノロジー企業であるサムスン電子からは、グローバルマーケティング・モバイルコミュニケーション事業のヘッドを務めるイ・ヨンヒ氏と、サムスン電子アメリカCMOのマーク・マシュー氏が登壇し、消費者哲学についてトークを展開。

サムスン電子のグローバルマーケティング・モバイルコミュニケーション事業のヘッドを務めるイ・ヨンヒ氏(左)と、サムスン電子アメリカCMOのマーク・マシュー氏

サムスン電子のグローバルマーケティング・モバイルコミュニケーション事業のヘッドを務めるイ・ヨンヒ氏(左)と、サムスン電子アメリカCMOのマーク・マシュー氏

 同社では現在、より良い実績を残すため、新商品を発売する際は消費者に商品のモニタリングに積極的に参加してもらい議論を重ねている。この“交流”は以前までは行われていなかったが、これによって感じる手応えは大きいという。両氏はこういった自社の取り組みを語りながら、消費者の心を掴むには、「テクノロジーを人間味のあるものにすることが重要」だと強調していた。

 登壇したスピーカーたちは、異業種で活躍する者ばかりではあるが、その思考はエンタテインメント業界でも活かせる要素が多そうだ。
 なお、電通イージス・ネットワークが1月に発表した「世界の広告費成長率予測」によると、世界の総広告費に占めるデジタルの割合は、今年ついにテレビを上回ると予想されている(テレビ35.5%、デジタル38.3%)が、その一方で、デジタル広告への不信・規制が、世界規模で進んでいる現状もある。

世界広告主連盟会長のデイビット・ウェルドン氏

世界広告主連盟会長のデイビット・ウェルドン氏

 閉会のあいさつでは、世界広告主連盟会長のデイビット・ウェルドン氏が、デジタル広告の不透明性に対する対策に取り組んでいくことを表明していた。

(『コンフィデンス』 18年6月4日号掲載)

提供元: コンフィデンス

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