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“ポプテ”は放送終了後が勝負 アニメ枠超えたビジネス展開

 本年1〜3月期に全12話が放映された大川ぶくぶ原作のアニメ『ポプテピピック』。30分の放送枠内に、声優を替えつつ同じ内容を再放送してしまう型破りな手法や主人公コンビのキャラクターが大きな話題となった。また、番組関連ソングを収録したアルバム『ポプテピピック ALL TIME BEST』が、週間アルバムランキングで7位を獲得。サブスクリプションサービスでも上位にランクインするなど、テーマソングも人気を得ている。プロデューサーのキングレコード 須藤孝太郎氏は放送終了後のこれからが本当の勝負と目論む。

アニメ版はブランドを醸造するための役割を果たした

 アニメ好きの枠を超えて話題となった『ポプテピピック』。放送は終了しているものの、主人公キャラクターは今も多数のメディアを賑わしている。プロデューサー須藤孝太郎氏は「むしろここからが本番」と語る
「最初に企画を練りはじめた2016年春ごろから、実はライツおよびグッズ展開メインのアニメづくりを志向していました。原作も未読だったころから、LINEスタンプなどで使われている絵柄だけは認識していて、そのキャラクターの強さや、ツールとしての機能性にも注目していた。企画書の段階から、パッケージ売上よりも周辺ライツビジネスがメインになるプロジェクトだと想定していました。放映中から、アニメの枠からはみ出たビジネス展開の可能性を探るべく意識して動いていたのですが、現在はそれらが少しずつ形になりつつあります」

 すでに全話のBDパッケージや音源のCD化も終了したが、それらパッケージ関連をライツ周辺の売上が圧倒している状況だ。4月よりオンエア中のアルバイト求人情報『an』とのコラボCMを皮切りに、全国の商業施設でのポップアップショップ展開や『ニコニコ超会議2018』へのブース出展などリアルイベントとの連動も積極的に続けていくという。

 いわゆる製作委員会方式ではなく、キングレコード単独での製作体制であることは、それらの動きに影響しているのだろうか。
「意思決定のスピードが格段に上がるという効果は当然あります。もともと、社内チームには商品化や国内外の配信を担当できる者もいますし、弊社だけでどこまでできるかを試すテストケース的な意味合いもあった。一方で、多様なパロディを含む作品内容が、リスク分散型の委員会という方式にそぐわないという判断もありました。批判の矛先が原作者やクリエイターさんなどに向かわないよう、弊社が全責任を負うという形でやりましょうと。ただし、仮にどこかの権利元が看過できないと訴えてきたら、即座に謝罪し、パッケージは回収・放送も中止にするくらいの覚悟をしながら取り組んでもいました」

今後はアニメの枠を超えたビジネス展開へ

 テレビ放送と配信を同時に行いつつ、放映中からBDパッケージを販売し、終了後わずか数日で最終巻をリリース。とはいえ、最終的にはスケジュールはギリギリだったという。
「当初、10月に配信から先行して1月にテレビで、という段取りで考えていたのですが、やはり同時にやったほうが熱量は高まると判断し、強引に1月に揃えました。結果的に、30分の枠内でほぼ同じ内容の再放送を行うという前代未聞のフォーマットにまで行き着いた。メインキャラの声優が毎週、前半と後半でもどんどん替わるという手法も含め、誰も予想できていた人はいなかったのではないでしょうか。放送開始直前まで毎日SNSなどを調べていましたが、そういう意味で、絶対に話題になるはずだという自信がありました」

 ベテラン声優からは「個々の演技論の違いが明確にわかる」として声優教育を再考させるコンテンツになるとの評もある。
「映像制作の神風動画さんやスペースネコネコカンパニーさん、AC部さんもそうですが、声優さんたちにも、とにかく自由にやってくださいとお願いしました。視聴者の方々の要求水準もどんどん高まり、スリリングなやりとりが実現できたことにも感謝しています。結果、少なくともアニメ版『ポプテピピック』というブランドを醸造するための役割は果たせたかなと思っています」

 9月15・16日には幕張メッセイベントホールにて単独イベント開催も決定。まだまだ『ポプテピピック』の巻き起こすトピックは続きそうだ。

(文:及川望)
(写真:(c)大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード)

提供元: コンフィデンス

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