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2018年突如ブレイク 早くも混沌化するバーチャルYouTuberビジネスとは

 YouTubeやニコニコなどの動画サイトを中心に、3DCGなどで造形された架空のキャラクターが配信者として活動するバーチャルYouTuber(VTuber)。2017年末より急速にブーム化、現時点で既に2000体以上のVTuberが存在し、トップ人気のキズナアイは180万人以上のチャンネル登録者数を獲得している。この突然のブームに触発され、周辺環境も激変しつつある。VTuberの可能性に対し、エンタメ業界のみならずさ各方面からの支援やビジネス開発が同時多発で進行中だ。VTuberの魅力とは何か。その現状と未来、新たなマーケット像の手がかりなどを探る。

盛り上がるVTuberシーンとは

  • 『キズナアイ 1st写真集 AI』(発売元:KADOKAWA)

    『キズナアイ 1st写真集 AI』(発売元:KADOKAWA)

 バーチャルYouTuber(VTuber)を最初に自称したとされるキズナアイのチャンネル登録者数は現在180万人以上。輝カグヤルナ夜月やミライアカリといった、いずれも40から60万人クラスの登録者を抱えるVTuberが相次いで出現したこともシーンとしての盛り上がりを効果的に演出し、17年末から急増している。

 そもそもVTuberとは、3DCGなどで表現されるキャラクターが配信者となり、YouTubeやニコニコ動画などでゲーム実況やファンとのコミュニケーション、歌唱やダンス、各種レポートなどを行うもの。個人クリエイターが展開するケースも増えているが、法人や複数の企業パートナーによるプロジェクトとしてキャラクターが立ち上げられていることが多い。キャラクターデザインや3Dモデリング、声優、企画、シナリオ、編集といった各専門領域のプロがチームとして構築することができる、新たな動画コンテンツ生成のフォーマットという側面が大きい。事実、バーチャルタレントのマネジメント専門の芸能事務所として岩本町芸能社をはじめ、複数のタレント事務所が生まれている。また、スタジオディーンとキングレコードが共同で手がけるTVアニメ『音楽少女』(TOKYO MXほか)と連動し、日本初のバーチャルキャラ専門レーベル「PINE RECORDS」がキングアミューズメントクリエイティブ本部内に設立されるなど、既存エンタメ業界のバーチャルキャラクター対応もにわかに活発化している。

企業と個人が混在するVTuber市場

 現在、個人がVTuber活動を行う際には、2Dキャラや静止画がビジュアルになるケースも多いが、より安価に3DCG キャラを扱える仕組みも整いつつある。ドワンゴはVR 向けの3Dアバターファイル形式「VRM」をオープンソースで公開。プラットフォーム非依存の3Dフォーマットであり、自作の3D モデルキャラクターを多様なアプリで扱うことができる。また、スマホとコントローラーの組み合わせで、表情および上半身のモーショントラッキングが可能になる撮影ソリューション「バーチャル・ユーチューバー操作システム」がワンダーリーグからリリース。個人発信のVTuberによる活動のクオリティ向上と増殖が加速しそうだ。今後、企業による運営と個人の活動がますます混在していくことになる。

人気キャラや実在タレントのVTuber化

 バーチャルタレントをマネジメントし、日常的にイベントを継続し続けることで、これまでリーチしにくかったターゲット層にアピールできる可能性も高まる。すでに、サイバードが手がけるスマホゲーム『イケメン戦国◆時をかける恋』では人気キャラをVTuber化、声を担当する人気声優とともに生配信番組を公開するといった取り組みも行われている。人気タレントが自身をバーチャルキャラクターとしてアバター化、つまりIP化することで、さらに活動領域を広げることも当然起きてくるだろう。企業制作のキャラクターと個人発信、実在タレントのバーチャル化など、どれも表面上は見分けがつかず、誰がネット上の人気者になってもおかしくはない状況となる。求められる「個人では実現できない何か」の見極めが、エンタメ業界にとって今後さらに重要になってくる。

(文/及川望)

提供元: コンフィデンス

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