マニアックだがそこがいい
トヨタのFRスポーツ「GR86」が、理想の走りを求めて各部をブラッシュアップ。ささやかだけれど明確な進化が感じられた改良の中身と、新たに追加された注目オプション“ザックス”と“ブレンボ”の効能をリポートする。
兄弟とは違う道を行く
トヨタGR86を実際に設計・生産しているのは、兄弟車である「スバルBRZ」とともにスバルである(味つけについてはトヨタ独自だが)。スバル車は毎年、仕様変更や改良が実施されるのがお約束で、GR86も例外ではない。その変更・改良のたびに(初期をA型として)B型、C型、D型……と、順番に識別呼称が与えられるのも、その筋のマニアにはおなじみだ。
今回試乗したGR86は、2023年9月22日に予約受け付け開始、同年11月に納車が開始された最新モデルで、先述の例にならうと「C型」となる。ちなみに、同時に「AE86」の生誕40周年を記念する限定車も発売されている(参照)。
「86」も含めれば通算2代目となるGR86で、一部改良が明確にアナウンスされるのは今回が初。ただし、じつは2022年夏にウインカーレバーのオートライトスイッチがわずかに変更されており、それがB型だったのだ(参照)。
で、今回のC型における最大のニュースは、MT車にも先進運転支援システムの「アイサイト」が用意されたことだ(参照)。さらに、ステアリングにハンズフリースイッチが標準装備となった。以上の2点はBRZにも共通する変更点であり、GR86独自の変更として「ブラインドスポットモニター」が中間の「SZ」グレードでもオプション装着可能となった(最上級「RZ」では以前から標準装備)。
残るは走行性能にまつわる改良だが、これらはすべてGR86独自となる。といっても、パワートレインや車体、サスペンションなどの主要ハードウエアに手は入っていない。具体的には、横滑り防止装置の「VSC」の制御と、電子スロットルの出力特性が全車で変更されたほか、「ザックス(ZF)アブソーバー」と「ブレンボ製ベンチレーテッドディスクブレーキ」(前後17インチ、フロント対向4ポッド/リア対向2ポッド)が、競技ベース車両の「RC」を除いてオプションで用意された。...