「S」はひとつで十分
メルセデスが誇るラグジュアリーサルーン「Sクラス」に待望のAMG版「S63 Eパフォーマンス」が登場。電気の力を主に動力性能に振り向けた、システム出力802PSを誇るプラグインハイブリッド車だ。国内導入に先がけ、米国カリフォルニアでステアリングを握った。
ウルトラ富裕層の方に
自動車メーカーの広報の方にお目にかかると、世間話のひとつとして、直近に日本で販売が開始されたモデルについて「売れ行きはどうですか」なんて伺ったりする。現行Sクラスが発売されてから半年ぐらいたったころ、「Sはどうですか、やっぱり順調なんでしょ」とメルセデス・ベンツ日本の広報部の某氏に投げたら「うーん、まあまあですかね」とちょっと浮かない感じの答えが返ってきた。「え、なんで?」と問い詰めたら「買い控えている方が結構いらっしゃるんですよ、AMGが出るまで」と言う。
「Sクラスはいいと思うけどAMGが出るまで待とう」という思考は分からなくはないけれど、それができるのは主に経済的余裕がたっぷりある方で、なかには“AMGまでのつなぎ”として現行Sクラスを買い求める方もいらっしゃるらしい。自分のような庶民とはまったく違うところに広がる世界に暮らす、物価高だの不景気だのといった外的攻撃をもろともしない方々によって、日本経済は(部分的に)支えられているのだ。
そんな彼らにとってはお待ちかねの商品がようやく登場した。メルセデスAMG S63 Eパフォーマンスである。“Eパフォーマンス”とはAMGが独自開発したプラグインハイブリッドシステムを搭載することを示し、現時点ではS63のほかに「AMG GT63 S Eパフォーマンス」と「C63 S Eパフォーマンス」もある。3台とも“63”を名乗っているけれど、AMG GTとS63は4リッターのV8ツインターボ、C63は2リッターの直列4気筒ターボである。...