ひたひたと新時代
日本での正式発売に先駆け、アウディの新型電気自動車(EV)「Q4 40 e-tron」の欧州仕様車に試乗。アウディがコンパクトSUVセグメントに導入する初のEVとしてはもちろんのこと、新しいデザイン言語を用いた次世代モデルの指針となる内外装にも注目である。
未来っぽい表情
Q4 e-tronは、SUVの「e-tron」、4ドアクーペの「e-tron GT」に続く、アウディにとって初となるコンパクトサイズのEV。アウディはEVのラインナップを順調に拡充している。バリエーションが充実するようになっただけでなくEVの売り上げも伸ばしており、2021年はEU、ノルウェー、アイスランドの合計で対前年比プラス49.8%となる4万2991台を販売した。アウディの電動化戦略は円滑に進んでいると言っていいだろう。
で、コンパクトサイズのEVと書いておいてアレですが、日本の路上で見るアウディQ4 e-tronの欧州仕様車は、そんなに小さくは見えなかった。全長4588mmは「アウディQ3」の全長4520mmをわずかながら上回るし、2764mmというホイールベースは「アウディQ5」の2825mmに迫る。
全長との割合でいくとホイールベースが長いけれど、これは基本骨格にEV専用のプラットフォームであるMEB(モジュラー・エレクトリックドライブ・マトリクス)を採用しているから。フロントにエンジンを置く必要がなく、ドライバーより前方は主にクラッシャブルゾーンとしての役割が求められ、結果として全長に比してホイールベースを長くとることができる。つまり、室内を広くできるのだ。資料によれば、後席のレッグスペースは旗艦SUVの「アウディQ7」にも匹敵するという。
つまり、エンジンをモーターに取っ替えただけのお手軽EVではなく、EVの利点を生かしたパッケージングになっているというのがこのクルマの特徴だ。同時に、デザインも新しい世代のデザイン言語へと移行した。
アウディのSUV「Qモデル」に共通するアイコンである八角形のシングルフレームグリルは、もう空気を取り入れてエンジンを冷やす役割は求められないので1枚のパネルとなり、格子模様が描かれた。そこに量販車としては世界初というデジタルデイタイムランニングライトが組み合わされて、未来っぽいというか、少なくともいままでのクルマとは趣を異にする表情となった。ちなみにこのデジタルデイタイムランニングライトは、どの部分を光らせるかを4通りから選ぶことが可能。気分に応じてカラコンの色を選ぶみたいで新鮮だった。...