ハイブリッドでも“らしさ”全開
ルノーの新型クーペSUV「アルカナ」が日本に上陸。Cセグメントサイズの個性的なフォルムやインテリアの仕上がり、そしてF1由来の技術が数多く盛り込まれたという独自のフルハイブリッドシステム「E-TECH HYBRID」による走りを報告する。
ルノー独自のフルハイブリッドシステム
いつもだったら試乗会で黒いボディーカラーのクルマをあてがわれると、チッと舌打ちをしたくなるけれど、今回は違った。「ノワール メタルM」というボディーカラーのルノー・アルカナは精悍(せいかん)な雰囲気で、ゾクッとする。
1990年代にJリーグのガンバ大阪で活躍したパトリック・エムボマ選手は「浪速(なにわ)の黒ヒョウ」の愛称で呼ばれたけれど、われわれが試乗したアルカナはフランスからやって来た黒ヒョウだった。ちなみにアルカナとは、ミステリーや神秘を意味するラテン語だという。
優雅な弧を描くルーフラインや、アスリートの筋肉を思わせる張りのあるフェンダーの造形など、外観に目を奪われがちであるけれど、メカニズム的にはF1で培った技術やノウハウを注ぎ込んだ独自のハイブリッドシステムがこのクルマのポイントだ。早速、乗り込む。
日本に導入されるアルカナのグレードは「R.S.ライン」一択で、ブラックを基調にしつつシートのステッチなどに赤い差し色を効果的に使ったインテリアは、スポーティーかつエレガント。エクステリアとインテリアの世界観がきちんとつながっているのが好ましい。たまにありますよね、エクステリアとインテリアのデザイナーの仲が悪かったんじゃないかと思わせるクルマが。このクルマにはそうした印象はない。
「E-TECH HYBRID」と命名されたハイブリッドシステムを起動する。ブレーキペダルをリリースしてアクセルペダルを踏み込むと、エンジンは始動せずにモーターの駆動力だけでするすると前に出た。そう、アルカナのE-TECH HYBRIDはマイルドハイブリッドではなく、フルハイブリッドなのだ。ルノー・ジャポンの調べでは、2022年2月時点では輸入車として唯一のフルハイブリッドシステム搭載モデルなのだという。ただし、E-TECH HYBRIDのおもしろいところは、モーターで走ることだけではなかった。...