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祖母が遺した“金色の帯”を裁断したら…生まれ変わった姿に反響「おばあちゃんにも兄の結婚式を見せたかった」
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おばあちゃんの形見の美しい帯。リメイクしたら…?
祖母の思いを連れていく――帯リメイクを決めた理由
「海外に赴任中の兄の結婚式が決まったとき、『どんなドレスを作ろうかな?』と生地屋さんを巡ったり、数ヵ月悩んだりしていました。そんな中で、1年前に亡くなった母方の祖母の遺品整理を手伝うことになって。祖母のクローゼットを開けると、衣装ケース4箱にぎゅうぎゅうに詰まった着物や反物、帯がたくさん出てきたんです。家に持ち帰って一つひとつ広げて見ていたら、この金色の帯に心を奪われて、『派手好きな祖母なら、きっとこの帯を締めて兄の結婚式に参列したかったはず!』と思い、この帯でドレスを作ることを決めました。祖母は初孫である兄をとてもかわいがっていたので、そんな兄の晴れ姿を見てもらいたい、という思いもありました。」
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まずはデザインを作成!
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ベースとなる生地を選び…
「一番こだわったのは、帯と合わせる生地です。もともと帯の柄がかなり派手なので、いつものように普通の生地を合わせてしまうと帯だけが浮いてしまう。せっかくの柄の良さも生かせません。そこで、こだわり生地を買うときに通っている神戸の生地小売店を訪ねました。お店の方が本当に親身になっていろいろな生地を見せてくださって、その中で今回使った金色の生地に出会ったんです」
――かなりインパクトのある生地ですよね。選ぶのにも勇気がいりそうです。
「そうなんです。こんな派手な生地は使ったことがないし、目立ちすぎるのでは…とマナー面でも迷いました。でも、お店の方が『結婚式という祝いの場にはぴったり。会場を明るくしてあげて』と背中を押してくださって、決意できました。次にこだわったのはシルエットです。帯がきれいに見えて、スタイルもよく見えるようにとデザイン画を描きながら考え、最終的にマーメイドシルエットに決めました。帯は全面刺繍でかなり分厚く、縫うのも大変でしたが、一針一針、祖母のことを思い出しながら丁寧に仕上げました」
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裁断したら…
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いよいよ縫製へ!そして…
一枚の帯から世界へ――着物リメイクで広がる物語
「まず、アイロンの当て方には注意が必要です。光沢が失われたり、生地自体が溶けてしまうことがあります。また、古い帯ほど熱と湿気に弱いので、裏から中温・スチームなしでかけるのが安心です。帯は分厚いものも多いので、ミシン針が折れることもあります。ミシン作業はゆっくり慎重に進めることをおすすめします」
――かなり繊細な作業なんですね。
「そうですね。でも私が一番伝えたいのは、多少シミがあっても、ほつれていても、“愛情を込めて手を加えれば、新しい形に生まれ変わる”ということ。着物や帯のどこかに傷みがあっても、手を加えれば必ず生き返ります。ぜひ皆さんにも、いろんな形でリメイクに挑戦してほしいです」
「本当にその通りで、私の周りでも『たくさん出てきたから売ったら処分代としてお金を取られた』『数百円にしかならなかった』という声をよく聞きます。フリマサイトでまとめ売りしても在庫過多で赤字になる方も多いです。そんな現状を知るほど、『着物や帯を捨てず、次の世代に受け継げる形にしたい』という思いが強くなって、これまでSNSでたくさん発信してきました」
――その発信が海を越えて、海外でのチャンスにもつながったんですね。
「はい。ありがたいことに、2026年4月にカナダ・バンクーバーで行われる着物リメイクのファッションショーにスカウトしていただき、出演が決まりました。資金面では大変な部分もありましたが、海外の方にも着物リメイクの良さを伝えたいと思い、参加を決めました。これからショーに向けた制作の様子もTiktokやInstagramで発信していくので、ぜひ応援していただけるとうれしいです」