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三谷幸喜監督の話をしよう〜映画『スオミの話をしよう』公開記念座談会(2)

――スオミの5番目の夫で、身勝手な芸術家・寒川しずお役の彌十郎さんは、三谷監督が脚本を手がけた大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(22年)での北条時政役が記憶に新しいところですが、本格的に映画に出演されるのも本作が初。いかがでしたか?

彌十郎三谷さんとは舞台「三谷かぶき『月光露針路日本〜風雲児たち』(19年)でご一緒させていただきました。舞台の時のように今回、お稽古の時間がありましたが、本番で急に台本が変わったり、「これを増やしてみましょう」とおっしゃったりするので、安心していられないんですよ。監督の要求に柔軟に対処できなかったら悔しいじゃないですか。だからいつも頭を柔らかくしておかなきゃいけないし、それが楽しくもあったんですよね。

 僕は今回の三谷組しか知らないので、「こんなに楽しいなら、映画にまた出たいな」「本当に楽しいですね、映画の撮影って」と西島さんに言ったら、「全部がそうだと思わないでください」と、言われました(笑)。

西島いやいや、全部、楽しいですよ(笑)。彌十郎さんは食べるシーンも多かったですよね。

彌十郎ハンバーガーも食べましたし、1日であんなにスイカを食べたこともない(笑)。スイカを食べながら歩き回り、台詞の合間にスイカの種を勢いよく飛ばしまくるんだけど、種じゃなくて実が出ちゃったりしてね(笑)。その後すぐに柿ピーをボリボリ食べたのですが、口の中にスイカの種が残っていて、どっちを食べているのかわからなかった。スイカの種も人生で一番食べたと思います。それも急にですよ、三谷さんが「スイカ食べましょう」とおっしゃって。

三谷映画のスタッフってすごいんですよ。すぐに何でも用意してくれます。リハーサルで僕が思いついて、本番にはスイカが用意されていました。今回、1ヶ月前から稽古をした弊害も実はあって、稽古をしすぎると今度は予定調和になってしまう。リアクションの新鮮味が薄れていくのを防ぐために、いきなり「スイカを食べてくれ」と言ったり、急に台詞を変えたりすることもあります。役者が戸惑うこともあるのですが、それも芝居にいい作用をもたらすこともあると思っています。
――三谷監督、今回の映画の手ごたえを聞かせてください。

三谷結局、演出家って、舞台にせよ映像にせよ一緒だと思うんですけども、どれだけボキャブラリーを持ってるか、ということに尽きる気がするんですよ。俳優さんもいろいろいらっしゃるから、その人にどういう言い方をすれば一番僕のやってほしいことが伝わるか。その人の面白いところを引き出すことができるか。その言葉選びが一番大事なような気がしています。

 小林さんは昔から知っているから、すごくやりやすいというのもあるし、西島さんと松坂さんは今回初めてだったので、どういう言い方をすればいいのか、探っていくのが僕の仕事だったような気がしています。遠藤さんは2回目だったんですけど、まだちょっとわからない部分があって、ちょっと悩ませてしまったことがありましたね。

遠藤監督から「魚山はスオミのことを一番、愛していると思って演じてください」と言われていたんです。リハーサルでちょっと頑張りすぎちゃって、最後、声が枯れちゃって。そうしたら、監督から「イメージは高倉健さんなんだよね」と。翌日、健さんを意識して演じていたら、「健さんのことは忘れてください」って。振り回されました(笑)。

三谷僕の理想は、出演者全員とスムーズにコミュニケーションが取れる、共通言語が成立していて、僕が求めることを短時間で全員が把握してくれる、そんな現場です。小林さんや長澤まさみさん、瀬戸康史さん、宮澤エマさんは、僕の作品の空気感やテンポをしっかり理解してくれていました。初めての西島さんや松坂さん、戸塚純貴さんも、作業を進めるうちにまるで長年一緒に仕事をしてきたような感覚になりました。遠藤さんや彌十郎さんも、親しみを感じられる存在でした。皆さんと一緒に、まさに理想的な映画づくりができたと思っています。
『スオミの話をしよう』
脚本と監督:三谷幸喜
出演:
長澤まさみ
西島秀俊 松坂桃李 瀬戸康史 遠藤憲一 小林隆 坂東彌十郎
戸塚純貴 阿南健治 梶原善 宮澤エマ
製作:フジテレビ 東宝
制作:プロダクション エピスコープ
配給:東宝
(C)2024「スオミの話をしよう」製作委員会

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