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高級ブランド肉や珍スパイスに映えも…今年のカレートレンドは?

 明治の初期から現代までさまざまな形で日本独自の進化を遂げ、国民食としてお馴染みのカレー。酷暑を乗り切る定番メニューとして、夏が近づくと新商品が数多く登場する。昨今はレトルトの売上がカレールーを逆転したように「手軽・本格・おいしい」は、もはや当たり前になった。スーパーや専門店だけでなく、コンビニのカレーも多様化している。日本のカレー文化を振り返りつつ、新商品から今年のトレンドを探る。

幕末から続く日本のカレー 平成より大きく動き変わった日本人のカレー文化

  • 『香りとコクが自慢の_バターチキンカレー』(画像提供/ファミリーマート)

    『香りとコクが自慢の_バターチキンカレー』(画像提供/ファミリーマート)

 日本のカレーの歴史は幕末に遡る。最初にカレーを食べた日本人とされるのが、会津藩白虎隊の一員で後に物理学者となる山川健次郎で、渡米する船内で出会ったのがライスカレーだった(ただし見慣れない食べ物のため、「食う気になれず」との記録も残っている)。

 やがて明治時代に肉食が解禁され、カレー粉がイギリスから伝来。洋食専門店が続々とオープンし、第1次カレーブームの火付け役となった。明治後半から大正時代にかけては国産カレー粉が開発。家庭料理にも取り入れられるようになり、カレーは高級メニューから大衆食になっていく。

 さらに昭和25年にはブロック状のカレールー、昭和43年には世界初のレトルトカレーが市販される。こうしてカレーは誰でも手軽に食べられるメニューとして、高度経済成長とともに多忙化する日本人の暮らしに定着していった。ちなみに昭和時代まで日本においてカレーと言えば、いわゆる欧風カレーのことだった。

 昭和末期のバブル期に海外リゾート旅行の大衆化とともにエスニック料理ブームが到来。その火付け役となったのがタイ料理で、なかでもそれまでのカレーのイメージとはまったく異なるココナッツ風味の「タイカレー」が大人気に。1990年代には数多くのタイ料理レストランがオープンした。また同時期には「ナンカレー」を提供するインド料理レストランも増えている。

 2000年前半には北海道発祥の「スープカレー」が全国に普及。2000年代後半には「キーマカレー」や「バターチキンカレー」が人気を博した。2017年には大阪発祥の「スパイスカレー」がトレンドに。インド経由イギリス伝来の欧風カレーで始まった日本のカレー文化は、平成時代にさまざまな“世界の味”を経て、やがてスパイスを効かせた本格インド風カレーへと帰結していった。

「カレー=食事」の“モノ消費”から、楽しむという“コト消費”へ 多様化するコンビニカレー

  • 30種類以上のスパイス使用した『こだわりカレー』(画像提供/ファミリーマート)

    30種類以上のスパイス使用した『こだわりカレー』(画像提供/ファミリーマート)

 平成後期にはレトルトカレーも多種多様な商品が登場し、家庭でも本格的なカレーが手軽に楽しめるようになった。日本人とレトルトとの相性は良く、2017年にはついにレトルトの売上がルーを逆転している。こうしたカレーの多様化の動きはコンビニにも波及している。

 近年はコンビニ各社でも多種多様なカレーが販売されるようになった。セブン-イレブンでは「デリー」や「ナイルレストラン」といった老舗店コラボ、ローソンでは新宿中村屋監修の「スパイス楽しむカリー」シリーズなどが人気を博している。

 ファミリーマートも昨年より「ファミマ 夏のカレー祭り」を実施。2008年発売以来、人気商品となっている「こだわりカレー」は、昨年ついに弁当カテゴリーの販売数1位に。「コンビニの弁当メニューのなかでもカレーは多くのお客さまから需要の高い商品です」とファミリーマート担当者は語る。

「さらに近年はカレー=食事という『モノ消費』から、カレー=さまざまな個性があり、自分の好きな味、本場の味を見つける・楽しむという『コト消費』へ転換しつつあると捉えています。こうした細分化された志向をカバーするため、弊社では『欧風ビーフカレー』を主軸にトレンドのカレーを複数ラインナップすることで対応しています」(ファミリーマート担当者)

 2020年には期間限定で販売したチルドパウチの「グリーンカレー」が大ヒット。2021年にはお弁当の「バターチキンカレー」が人気を博した。今年は、「バターチキンカレー」「マッサマンカレー」「グリーンカレー」「ポークビンダルー」など6種類のチルドパウチがそろいぶむ。

「最近はひと昔前のビーフ・ポーク・チキンなどの具材による違いではなく、『グリーンカレー=こぶみかんの葉の風味』、『ポークビンダルー=強い酸味・辛味』、『マッサマンカレー=ココナッツの香り・カシューナッツペーストのコク』など特徴的な味をするものが好まれる傾向があります。製品化にあたっては有名店の味の傾向を参考にする、本場の原料を使用するなどのこだわりを持って商品開発を行っています」(ファミリーマート担当者)

スパイス系から高級ブランド肉を使用した具材系から映えまで進化した「新欧風カレー」

 令和の時代に入り、多種多様な「本場のカレー」はますます手軽かつ身近になった。その背景には、定番人気メニュー=カレーの商品開発にしのぎを削るコンビニ各社の企業努力があったといえるだろう。

 世界のあらゆるカレーを取り込む一方で日本独自のカレーも開発され、日本のカレー文化はもはや行き着くところまで行った感がある。しかし日本人はカレーに貪欲。カレーコンサルティングファームの「カレー総合研究所」では、2022年の新ブームとして「新欧風カレー」を挙げている。

 新欧風カレーの定義は広く、【具材特化】【スパイス特化】【トッピング】【フュージョン】【食べ方スタイル】という5系統の特徴に分類されている。

 【具材特化】では高級ブランド肉や魚介、野菜、果てはフルーツを使用したもの。【スパイス特化】ではスパイスを強調したスパイスカレーの欧風版や、カカオや八角などの新しいスパイスを使用したもの。【トッピング】【フュージョン】【食べ方スタイル】では、盛り付けの映えや食べるシーン、複数カレーのあいがけなどがカテゴライズされている。

 従来のオーソドックスな欧風カレーから、これまで以上にさまざまな角度から味やビジュアルなどが追求されたものが「新欧風カレー」といえそうだ。ちなみにファミリーマートでは、「特にチルドパウチのカレーは7〜8月頃に売上が伸長します」とのことで、やはり夏になるとカレーを食べたくなる人が増えるようだ。進化し続ける日本のカレー文化が、今後どのような方向に進むのか注目したい。

(文/児玉澄子)

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