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広瀬すず×松坂桃李、映画『流浪の月』インタビュー

広瀬すず、松坂桃李(C)ORICON NewS inc.

広瀬すず、松坂桃李(C)ORICON NewS inc.

自分の心に素直になって、そこに希望を感じてもらえたら

――『流浪の月』ではいままでに観たことがない広瀬さん、松坂さんを観た、そんな感想を持ちました。ご自身にとってはどんな体験になりましたか?

松坂僕は今回、自分史上最も役と向き合う時間が濃かったように思っています。この作品の世界に没入していた感覚は、自分の中で初めての経験だったかもしれません。役に対してじっくり腰を据えて向き合うというのは、こういうことなんだぞ、というのを改めて教えてもらった感じです。今回の経験というのは自分にとってすごく大きくて、30代前半で経験できてよかったと思えるものだったので、今後にどう生かせるか自分次第なんですが、楽しみになりました。

広瀬流星くんとは初共演で、結婚を目前にした恋人同士という設定だったのですが、李監督から「まずは本人同士の距離感を縮めた方がいいんじゃないか」と、二人きりで話し合う時間を作っていただきました。そういう時間のかけ方、コミュニケーションを深めて、役者同士の関係性から作っていくという経験ができたのは、私にとっても大きかったです。

――広瀬さんと横浜さんの一種のアクションシーンが衝撃的でした。

広瀬李監督の『怒り』に出演した時もそうだったのですが、本番のカメラが回るまで、自分がどうなるかわからないんですよ。もちろん、台本があって、アクションの形も練習して、時間経過とともに感情がどう変化していくのかも頭に入れておくけど、理性を失った状態を理性的に演じるのって、すごく難しい。逆に準備がいらないくらい、これは個人と個人の戦いだ、と思っていました。本番、流星くんが演じる亮が怖すぎて、思わずつかんでしまったクッションを離したくないっ!ってなりました。お互いにお芝居なのかなんだったのか、もうわからない感じでした。
――一番印象に残っているシーンは?

松坂内田也哉子さんが演じているお母さんとのシーンですね。映画の中では終盤に近いところで出てきますが、時系列としては10歳の更紗と出会う前の出来事を描いた場面。文がお母さんにあることを打ち明けるんですけど、それを受け入れてもらえなかった。「お母さん、こっちを見て」と言った時の也哉子さんの目がものすごかった。息子を見ているようで、全く見ていない目。あそこで思いっきり弾かれた感じがしたんですよね。その強烈な拒絶体験から文は自分からいろんなものを拒んでいくようになったのかな、と思いました。

広瀬文はそんなことがあった後、10歳の更紗に出会ったんですよね。私は、更紗が文に家に帰りたくない理由を打ち明けた後、アイスを無言で食べるシーンが一番泣きそうになりました。優しいとか、そういうことじゃなくて、拒絶するわけでもなく、無視するわけでもなく、近づいてくるわけでもなく、ただそこにいるって感じの文が印象的でした。それは「救われた」という感じでもない、「癒された」でもない、肯定してくれたような、報われたような感覚になったんじゃないかなって。その時、更紗の中で文に対する信頼感や情が動き出したんだろうな、といろいろ想像できるシーンだったので、印象に残っています。
――最後に、これから映画を観る人へ、もうひと言お願いします。

松坂賛否両論あるとは思うんですけど、今の世の中にある言葉で、うまく当てはまる言葉が見つからない、二人の関係性、つながりというものに、なんか共感できるという人もいるだろうし、もしかしたら誰かの救いになるかもしれないし、ある種の希望のようなものになるかもしれない、そう願って作るのが映画だと思う。うまく言葉では言い表すことができないものを受け取れる作品になったと僕は思っているので、劇場で何か受け取ってもらえるとうれしいです。

広瀬松坂さんがおっしゃった「希望」というのはすごくあるな、と私は感じています。更紗と文が素直な思いだけで生きられたら、たぶん、二人には希望しかないし、明るい未来しかない。なので、言い表しにくい2人の関係性を目の当たりにした後に、自分の心に素直になってみて、そこに希望を感じてもらえたらいいなと思います。

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