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ファンタジックな鉄道ジオラマに1万いいね 雲の上を無限ループする“虹色の線路”

 2002年にバンダイから発売された“デフォルメ感”が魅力の『Bトレインショーティー』(以下/Bトレ)を使い、自身の住む四国の風景をリアルなレイアウト(ジオラマ)作品として作り上げてきたB作さん(@Btoretsukuru)。その最新作は、これまでの作風と180度異なり、雲の上に虹色の線路がかかり、無限ループするファンタジックな要素を前面に押し出した『ぐるぐるレインボーライン』。見ようによっては“狂気的”でもある本作だが、1万いいねを獲得するなど、国内外から賞賛されている。リアル情景志向だった同氏が、なぜこのような作品を生み出すに至ったのか? 本人に話を聞いた。

なぜ鉄道ジオラマを作るのか、原点に立ち返り出た結論「楽しければ何でもいい」

――ツイッターで発表された『ぐるぐるレインボーライン』が多くの人たちから賞賛されています。これまでリアル志向だったB作さんがなぜ、ファンタジー要素あふれる作品を作ろうと思われたのですか?
B作本作を制作前に、「人はなぜ鉄道模型レイアウト(ジオラマ)を作るのか?」という原点に立ち返ってみました。すると、「リアル情景を作りたい」という以前に「こんなシチュエーションで列車が走ってたら楽しいな」という気持ちがあるのではないか、と思いました。特に心境が変わったわけではないのですが、今回はそこを起点に作ってみました。元来、私はただひたすらかわいい、楽しい、明るいといったものが好きなので、この「脳内お花畑」を極めようと思いました。楽しければ何でも良いのです(笑)。

――ツイッターでは、イメージ図も描かれていましたが、どんなイメージを持って制作に臨まれたのですか?
B作もともとは、市販のNゲージのレールを何本も繋いで、面白い形状の路線ができないか遊んでいたところ、ウールマークのような複雑な形の無限ループができ上がりました。このレイアウトは線形全体の美しさが見どころなので、普通に山やトンネルで線形が隠れてしまうのは少し違うと考えました。そこで地形を作らず、線路全体を宙に浮かせて見通し良くする案が出てきました。

――宙に浮かせることで、不安定になり、電車がうまく走らなくなるのではないですか?
B作はい。仮設でレゴブロックの橋脚を立てて走行実験を繰り返したのですが、ときどき列車が脱線し床にガシャンと落ちてしまいます。この衝撃を和らげるためクッションでも敷こうかなと考えたとき、「そうだ、綿を敷いて雲にしよう」とひらめきました。同時にこのレールも虹の7色に塗って、雲に架かった虹を走る、天空を往く列車という構想が一気に固まりました。もともと車体が短くデフォルメされているBトレは「かわいさ」の要素も持っているので、今回の天国のような雰囲気とも合わせやすいと思いました。線路の勾配や透明橋脚の間隔を調整し、電車の安定走行も実現できました。

「虹色キターーー!」「雲キターーーー!」制作報告を心待ちにする熱狂的ファンも

――線路はレインボーカラーに塗装され、虹が見事に表現されています。
B作ありがとうございます。本作はインパクト勝負のような一面もあるので(笑)、いかにもマンガに出てくるような形にした雲や、カラフルな虹の線路は、ぱっと見のわかりやすさを重視しました。
 特に虹の線路は、一番苦労しました。虹は光の色であり、顔料の色よりも色域が広いため、そもそも塗装で虹の色を完璧に再現することはできないのですが、各色に白を多く混ぜるなどの工夫により実物の印象に近づけました。

――ベースの線路はもともと灰色ですよね?
B作そうですね。なので全体にサーフェーサーを吹いて真っ白にし、その上から虹の各色をエアブラシで吹きました。色の境目はグラデーションになるようにボカシ吹きしました。下地の白いサーフェーサーが効いて、虹が鮮やかに発色しました。実は、一度けばけばしくなりすぎて失敗し、白いサーフェーサーを吹き直したうえで再塗装しています。
 そして、最後にレール表面の塗料をシンナーで拭き取りました。Nゲージの動力車両はレールから集電して走りますので、塗料が乗ったままでは走行できないのです。また、雲の下の土台からレールまでの給電ラインを目立たないように立ち上げるなど細かいところまでこだわりました。

――細かいところまでこだわる姿勢は、これまでのリアル志向の作品を作る際と変わりませんね。ご自身も完成写真を投稿する際「狂気的」とつぶやいていらっしゃいましたが、本作制作後の反響はいかがでしたか?
B作本作は、とにかく自分の趣味嗜好全開で作ったため、これをご覧になった方がどういう反応をされるかは想像できませんでした。奇想天外な作品ですから一定数の方には全く受け入れられないだろうと覚悟していました。しかし制作状況をツイートしていくうちに予想以上に多くの方が関心を持ってくださり、「虹色キターーー!」「雲キターーーー!」など、進捗を心待ちにして下さる熱烈なファンまで現れました(笑)。
 完成ツイートをしたとき、『レイアウト(ジオラマ)=リアルの概念は完全にぶっ飛びました、コレはメルヘンでありファンタジーです』というコメントをいただき、とてもうれしかったです。「リアルだけがレイアウトじゃない」というのはまさに私が言わんとしたかったことですので、これをズバリ感じていただけたことは制作者冥利に尽きました。

――今後もこの路線で制作していかれますか?
B作本作で「B作=脳内お花畑」の印象を持たれた方も多いと思われ、このままでは危険なので(笑)、次作は一旦リアル情景の制作に戻りたいと考えています。ただ、そこでは他の方がされてないようなギミックを仕込んだりなど、私らしくオンリーワンなものに仕上げていきたいと思っています。

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