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(更新: ORICON NEWS

【意識調査】もはや『イクメン』は時代錯誤? 「男性の育児参加だけが特別視」に女性の半数以上が疑問の声

 『イクメン』が新語・流行語大賞のトップ10入りを果たしてから12年。今や、認知度は約9割にものぼり、言葉は広く認知されている。また厚生労働省が「イクメンプロジェクト」をスタートさせるなど、公的にも使われてきた。今年4月には育休に関する取得意思の確認が義務化され、10月には男性が「産休」を取得できる制度が新設され、男性の育児もしやすい環境がますます整備されている。では、男性が育児に参加することが当たり前になってきた今、『イクメン』という言葉の持つ意味合いはどのように変化しているのだろうか。10代〜60代の男女に調査を実施した。

男性は好印象、女性は嫌悪感? 『イクメン』という言葉に抱く印象に男女差

 「『イクメン』という言葉が、日常の会話やメディアなどでよく使用されることに対してどう思いますか」という質問に対して、男性は「好ましいと思う」「まあ好ましいと思う」の合計が31.6%、「あまり好ましくないと思う」「好ましくないと思う」が23.8%だったことに対し、女性は「好ましいと思う」「まあ好ましいと思う」が22.6%、「あまり好ましくないと思う」「好ましくないと思う」が35.8%となった。

 男女とも4割ほどの「どちらともいえない」を除くと、男性はポジティブなイメージを持っている人の方が多いが、女性はネガティブなイメージを持っている人の方が多いことが分かった。この傾向は、子どもの有無にかかわらず、同じような結果となっている。
 「好ましい」「まあ好ましいと思う」とする男性の意見としては、「イクメンという親しみのある呼称は良いと思う」(50代男性/学校卒業・就職・既婚等の子供)「イクメンと言われたほうが、やる気が出る」(30代男性/小学生)。「男性だけが育児をして特別というわけではないが、男の育児を後押しする言葉に変わりはない」(20代男性/なし)などの意見が寄せられた。※カッコ内は、回答者の『年代性別/子どもの年代』

 逆に「あまり好ましくないと思う」「好ましくないと思う」と回答した男性の意見としては、「もう考え方が古く、使われるべきではない。使うことにより、まだ一般的ではないことがわかってしまいさみしい気もする」(50代男性/中学生)、「ハラスメントが厳しい昨今において、イクメンというハラスメントは許されるべきではない」(30代男性/なし)、「安易にイクメンを使っていると、言葉が軽くなるし、本物のイクメンに失礼である」(40代男性/小学生)というコメントが寄せられ、『イクメン』という言葉が、額面通り「誉め言葉」として受け取られなくなっている現状もあるようだ。

『イクメン』に男女格差感じる女性は男性の2倍 「免罪符じゃない」と厳しい意見も

 「『イクメン』という言葉に関して、あなたが持っているお考えをお知らせください」という質問では、「育児をする男性は偉いという印象を与える」「育児は女性のものという考えが暗に示されている気がする」「男性の育児参加だけが特別視・過大評価されている」と回答した女性は、男性の約2倍という結果となった。中でも「男性の育児参加だけが特別視・過大評価されている」と回答した女性は53.6%と半数を超える中、男性は23.4%と大きな差が見られた。
 コメントでも「ポジティブな意味で使われる風潮があるが、育児をする男性はイクメンではなく、『父親』だと思う。女性はイクウーメンなどと言わず、母親でありママだと認識されています」(30代女性/妊娠中・乳児(0〜2歳))、「気が向いたら育児を手伝うというだけで『イクメン』だと言われる風潮がすごくモヤモヤする」(20代女性/なし)との意見が出ている。

 また「ゴミを捨てて送り迎えしてイクメン、それは違います。この言葉は免罪符ではありません」(40代女性/中学生)、「男性が調子に乗りそうで怖い。何故そこまでおだてないと育児したいと思えないのか、自分の子ども育てて何がイクメンなんだろうと思います」(40代女性/小学生)などの厳しい意見も見られた。

 ただし、約4割の女性が「育児は男女問わず行うもの、という考えが浸透してきた」とも回答しており、ポジティブな意見も多く挙がっている。

 ポジティブな回答をした女性の意見として、「もっと自然に自発的に男性が育児をするようになってくれたらと思うが、まだまだそこには到達できない日本では、イクメンという言葉は必要かもしれません」(60代女性/学校卒業・就職・既婚等の子供)、「当たり前のことをやって、頑張ってくれていると褒めているような気もするが、何もしてくれないよりはよっぽど有難いので、この言葉が浸透して当たり前になればいいなと思う」(50代女性/高校生)と、『イクメン』を使うことには違和感があるが、使わざるを得ないといったような意見も見られた。

男性の育児は「当たり前」を浸透させるも、一人歩きした『イクメン』は今や男女差の象徴に

 平成の世で大流行し、男性の育児は「当たり前」という印象を根付かせ、育児参加する男性の象徴となった『イクメン』。だが令和では、逆に育児における男女差の象徴となってしまっている印象も受ける。

 2011年からスタートした『イクメンオブザイヤー』も昨年で10回を数えるが、その初代受賞者のつるの剛士は、過去に自身のTwitterで「僕が以前からずっと懸念し続け、各所で訴え続けていた『イクメン』『育休』のワードだけの一人歩き現象。僕は別にイクメンになりたくて育児しているわけでも、育児休業を取得したわけでもありません」と投稿し、大きな反響を呼んだ。

 つるのが過去に警鐘を鳴らしていたように、『イクメン』は言葉のみが一人歩きし、様々な意味合いを持つようになってしまった。男性の育児が当たり前となってきた今、これからは安易に『イクメン』を使うのではなく、令和の時代における“いいお父さん”とは何なのかを改めて考え直す必要があるのではないだろうか。
【調査概要】
調査時期:2022年1月26日(水)〜31日(月)
調査対象:回答者全体 1112名 (本調査対象:「イクメン」という言葉の認知者 1000名)
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査
調査機関:オリコン・モニターリサーチ

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