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“イクメン”演じ疲弊するパパたち…新たな定義“スーパーダディ”とは?
妻の人生も大切に、新世代お父さん”スーパーダディ”とは?
左からスーパーダディ協会の高橋一晃氏、小原壮太郎氏
もともとは子育てをしない派だったという高橋氏。TVプロデューサーという激務に身を置きながら、子育てに積極的に参加しようと思ったきっかけは妻の一言だったという。
「当初、子育ては母親の仕事と考えていました。赤ちゃんは母親から生まれてくるから、赤ちゃんをどうしていいかわからなかった。基本的に何もせずに過ごしていたところ『私は出産のために仕事を一度休み、子供が生まれてもずっと家にいなければいけないのに、あなたは何もしてくれない』と妻の不満が爆発してしまって」(高橋氏)。そこではじめて「妻の人生も大切にしなくいてはいけない」と思い、考えを改めたそう。
仕事とともにトライアスロンの選手としても活躍する小原氏は、平日の週に5日は朝食か夕食を必ず作ると決め、妻との食事作りの分担と自身のトレーニングも含め1年先まで予定を立てているという。
「お父さんと子供がめちゃくちゃ盛り上がっていることによって奥さんがすごく楽になる。例えば5時間くらい公園を走り回る子供と一緒になって遊ぶとか、男だからこそできる育児もあるのかなって」(小原氏)
小原氏は“やんちゃに育児を楽しむ”をモットーに「仕事と育児に全力投球している」と語ってくれた。
横のつながりがなく、孤独に追い詰められるパパたち
「僕は”子育ては趣味、家事は特技”とあえて言っています(笑)。妻や子供が寝た後に、ヘッドフォンで好きな音楽をかけてワインやビールを飲みながら洗濯物を畳んだり、家族全員分の靴を磨いたり」(高橋氏)。あくまで”楽しみながら”取り組むことの大切さを訴える。一家の大黒柱として、仕事に一生懸命にならざるえない環境ではあるが、限られた時間の中で、いかにに効果的に、いかに密度濃く子育てするかが大事なのだとか。そういった家事のスタイルを“ゆる家事”と名付け、ワークショップを開くなど積極的に提案している。
未婚女性からは好感触、一方で仕事優先の男性からは反発も?
「とはいえ、母親の感覚だけでなく父親のいいところも全部教えてあげて子育てをしてあげるのが、少数精鋭を目指す今の時代の子育てなんじゃないかなと思います。そういう意味では環境が叶うなら妻が専業主婦であっても、男性も子育てに参加してあげるのが理想ですよね」(高橋氏)
SDAが認めるスーパーダディ、Jリーガー大久保嘉人
大久保嘉人選手 (C)ORICON NewS inc.
さらに、昨年”イクメン オブ ザ イヤー”に選ばれた爆笑問題の田中裕二さんや、実は6人の子をもち食事作りや送り迎えなど積極的に行っている俳優の谷原章介さん、昨年UOMOに「10年後も妻と笑っているために今日からできる10のこと」が掲載された滝藤賢一さんらはSDAも認めるスーパーダディ。
「パパタレであることをウリにしている人は、スーパーダディとはちょっと違うのかなと思います(笑)。仕事をバリバリやっている裏で、家族のことを想い家事や子育てをしているという部分で、イクメンタレントとは違う、スーパーダディタレントというジャンルが確立するといいですね」(高橋氏)
子育てや家事についてイキイキと語るスーパーダディたちが目指すのは「育児は楽しいんだ」という男性の意識改革。「イクメンにならなければ」とプレッシャーを感じてしまうのではなく、大切なのは誰よりも楽しんで子育てや家事に取り組もうとする姿勢。そんなスーパーダディ的考え方が、日本の新しい父親像になっていくかもしれない。
(取材・文/齋藤倫子)