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山田孝之、“芸能界ルール”への疑念から始めたプロデューサー業「言葉で訴えるだけじゃ何も変わらない」

ルールを主張するために自ら出資「本当はプロデューサーなんかやりたくない」

 長年業界のトップを走り続けてきた山田の言葉には、説得力がある。きっと疲弊したスタッフや俳優達をこれまで沢山見てきたのだろう。これまで労働環境の改善を求めるよう訴えたことがあるか聞いてみると、「訴えても何も変わらなかったから、自らプロデューサーをやってるんです」と苦笑いし、「本当はプロデューサーなんかやりたくないし、芝居だけやっていたいですよ。だけど、変えていきたいという思いがあるんです。だから『デイアンドナイト』で、プロデューサーとして責任を持ってお金を集めて、自分でも資金を出すことで、ルールを主張する権利を持つことができた。その時の経験はこれからも生かしたいですね。とにかくスタッフにも俳優にも良い仕事をしてもらって、良作を作りたいんです。そうやってできたものがアジア諸国や他の国にも広がって、できるだけ沢山の人に観てもらいたいという気持ちでやっています」
 1999年に俳優デビューを果たしたのち、ドラマ『WATER BOYS』や映画『電車男』で主演を務め、その後も『白夜行』『世界の中心で、愛をさけぶ』『クローズZERO』『勇者ヨシヒコ』『闇金ウシジマくん』など、常にオンリーワンの俳優としてキャリアを確実に積んできた山田だが、デビュー当時に今の自身の立ち位置を想定していたのだろうか。

「当時まだ僕15歳ですよ。するわけないじゃないですか(笑)。デビューして2年ぐらいはこの仕事を楽しむ余裕もなく、ただただ必死でした。これまで俳優を22年間やってきましたが、とにかく色んな作品、色んな役、色んな人と組むことで飽きることなく芝居を続けてこられたし、むしろ自分を飽きさせないように色んなことをやっているところがあります。様々な活動の中で『これがヒットしたらどうなっちゃうのか?』とか『こういうことってどう思う?』みたいなことを、これからも飽きずに発信していけたらなと思っています」

(取材・文/奥村百恵)

ヘアメイク : 灯 (Rooster) 
スタイリング :五月桃 (Rooster)

映画『はるヲうるひと』

 鬼才俳優・佐藤二朗が原作・脚本・監督を手掛け、自らも出演した、映画「はるヲうるひと」。本作は、佐藤二朗が主宰する演劇ユニット【ちからわざ】で2009年に初演、2014年に再演され演劇界からも絶賛された舞台を映画化した作品。主演に山田孝之、共演には仲里依紗、坂井真紀ら豪華キャスト陣が集結し映画化を望んでいた佐藤二朗が約5年を掛けて完成させた本作は、2019年度第35回ワルシャワ映画祭の1-2コンペティション部門(長編監督2作目までの部門)に正式出品に続き、第2回江陵国際映画祭(2020年11月5-7日開催)にて最優秀脚本賞を受賞した。

 佐藤二朗監督曰く「架空の島の売春宿で、生きる手触りが掴めず、死んだ様に生きる男女が、それでも生き抜こうともがく壮絶な闘いのおはなし」その言葉通り、そしてその言葉以上に、佐藤二朗監督の“想い”の元、集結した、山田孝之/仲里依紗/坂井真紀等の魅惑の実力派キャスト陣が、本作に込めたメッセージ=言霊は、間違いなく、観る者の“度肝”を抜き、 “心に刺さりまくり”そして、生きる全ての人達に“生きるためのエネルギーを漲らせる”。≪人はなぜ笑うのか?≫という問いの投げかけと共に…。

6月4日(金)よりテアトル新宿ほかにて全国公開

(C)2020「はるヲうるひと」製作委員会
■公式HP:https://haru-uru.com/ ■公式Twitter:@haruwouruhito

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