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「熱帯夜に行き倒れ…」ガリガリだった子猫、飢えた記憶乗り越え美猫にチェンジ
熱中症か? 貧血か? 熱帯夜の路上で倒れていた子猫
「場所は練馬区でした。車で走っていたら、行き倒れた子猫が道路に横たわっていて。ガリガリに痩せていて、意識もないようでした」と溝上氏。
そばに寄っても、ごはんをあげても動かない。少し頭を上げるため、生きてはいるようだった。熱中症か? 貧血か? とにかく急いで、動物病院へと運んだ。明るいところで見てみると、やはり子猫はひどく痩せており、目は落ちくぼみ、腰骨やあばら骨が浮き出るほど。
「体を冷やして点滴を施し、意識は戻りました。命に別状はなかったのですが、やっぱりすごく飢えていた」というこの猫。もらったごはんをガツガツと食べるのはもちろん、「トイレのおから砂まで食べてしまうほど」だったという。
エサをあげることに賛否、飢えた猫たちを救う術とは?
「最近では、地域猫にごはんをあげることは悪いこととされ、あげない人も増えています。ただ、“タイガー”のように、飢えてしまう猫もたくさんいる。エサをあげない、という前に、増やさないことが一番大事。そのために、TNR活動(TRAP=つかまえる、NEUTER=不妊手術する、RETURN=元の場所に戻す)が必要なんです」
保護された後も、飢えの記憶に悩まされた“タイガー”だったが、だんだんと変化が現れ、ほかの保護猫たちとも遊ぶようになった。意外にも、迎えてくれる家族との出会いには時間がかかったが、譲渡会でようやく縁もつながった。今では、保護猫仲間だった“スピ”とともに、優しい家族に見守られて暮らしている。
飢えてトンガリ顔だった子猫は、こうしてつらい記憶を上書きし、可愛らしく成長した。“タイガー”のような不幸な猫を増やさないためにも、TNR活動の大事さを感じるエピソードだった。
■NPO法人 ねこけん(外部サイト)