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他局の追随許さないテレ東の専売特許? “人生の機微”描いて進化する「食ドラマ」
「ニッチを攻めてもいい」、人生を説く物語に込めた想い
たとえば昨年の大晦日に放送された『孤独のグルメ 2020 大晦日スペシャル〜俺の食事に密はない、孤独の花火大作戦!〜』は、コロナ禍の苦境にある飲食店を応援するエピソードが描かれ、SNSではドラマを通して全国の飲食店を応援する視聴者のコメントがあふれていた。
放送中の『ゲキカラドウ』は、慣れない土地に赴任した主人公が、激辛と出会ったことで知った人生の厳しさや人々の温かさを描く物語。舞台である飲料メーカーの営業促進室では、取引先の営業難易度を「1辛、2辛」でレベルづけしており、上司が主人公に説く「本物の辛さを知ってこそ、何事にも打ち勝つ力が備わる」といった名言も注目された。激辛好きにはたまらないシーンだったはずだ。
「大衆受けを狙うマス向けドラマは必要ですが、テレビ東京のようなコア向けドラマもあって、それぞれがこだわっている。ファミレスや牛丼チェーンと、月島でほそぼそとやっている居酒屋のイメージです(笑)。グルメドラマの人気はこの先も続いていくでしょう。これからどう進化するかはわかりませんが、個人的に、次はアウトドアのグルメをやってみたいですね。外で食べる料理には限界がないし、世界観も変わってくる。自分の正解を貫き通して、そのすばらしさを伝えたいんです」
食のあるところには、必ず人間たちのドラマがある。そんな人々の日常の感覚を描き、ありきたりではなく、ニッチを攻めて視聴者の信頼を勝ち得ているテレビ東京。この進化は、まだまだ止まりそうにない。